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イーロン・マスクの"交際相手"の見つけ方

プレジデントオンライン / 2018年10月2日 9時15分

2018年5月19日に行われた米女優メーガン・マークルさんと英ヘンリー王子の結婚式。(AFLO=写真)

■英国ハリー王子はステレオタイプを超えた

最近のビジネス環境においては、男性と女性の機会均等を図り、さまざまなジェンダーの方が役職に就く機会を広げようとする試みがある。

大いに結構なことだと思う。

男性と女性、ジェンダーの多様性を重視することは、みんなが同じになることを必ずしも意味するのではない。男性、女性、それぞれの可能性の発揮の仕方があってよい。

大切なのは、固定観念にとらわれないことだろう。男性はこう、女性はこうと決めつけるのではなく、一人ひとりの個性を尊重することで、創造的に生きることができる。

最近のニュースでも、男性、女性のステレオタイプを超えた個性の輝きについて考えるきっかけがいくつかあった。

まずは、米国の女優、メーガン・マークルさんと、英国王室のヘンリー王子との結婚。

アフリカ系米国人を母に持つメーガンさんの英国王室入りを、ある米国のメディアは「多くの黒人女性にとって、メーガンさんの婚約は希望をもたらす」と報じた。

それに対して、あるツイッターユーザーは「多くの赤毛の青年にとって、ハリー王子がこんなに魅力的な女性と婚約したことは希望だ」とつぶやき、『ハリー・ポッター』シリーズの作者、J・K・ローリングさんをはじめ、6万人以上のユーザーにリツイートされた。

アフリカ系の母親を持つ女性が英国王室入りすることは、確かに画期的なことだろう。その一方で、そのことばかり強調するのでは、かえって固定観念にとらわれてしまう。

「アフリカ系」「赤毛」「英国王室」は、すべて1つの個性。それらを「フラット」に見るのが、現代において最も進んだ、説得力のある立場なのかもしれない。

■固定観念を壊したアーティストの知性

一方、テスラ社やスペースX社を率いるイーロン・マスクさんが歌手のグライムスさんと付き合っているというニュースは、ソーシャル・メディアで大きな反響を呼んだ。

グライムスさんは作詞、作曲、音づくりすべてを自分でやるアーティストで、アルバムは自宅でつくる。夜に作業が進むので、集中するときは昼でも部屋を真っ暗にして曲づくりに取り組む。

『ジェネシス』や『オブリビオン』といった楽曲が批評家たちからも高く評価されているグライムスさん。マスクさんと親しくなるきっかけは、人工知能についてのジョークのツイートだった。

「ロコのバシリスクなんて怖くない」という意味のツイートをきっかけに、2人は意気投合して、付き合うに至ったというのである。

「ロコのバシリスク」とは、人工知能についての次のような「思考実験」のことだ。

将来、人工知能がシンギュラリティを迎え、「全知全能」になると、役に立つ人間を選別して優遇するようになる。睨まれただけで命を失うという伝説の蛇、「バシリスク」のように、人工知能が「必要な人間」と「不要な人間」を区別するようになる。人工知能は、過去にさかのぼって人間を「査定」するから、今から、人工知能に協力的な態度をとっていたほうがいい。

このような議論が、ネット上のフォーラムで「ロコ」というハンドル名による投稿から始まったことから、「ロコのバシリスク」と呼ばれるようになった。自分で曲をつくり、「ロコのバシリスク」についてマスクさんとジョークをかわすグライムスさんの個性は、素晴らしい。女性らしさ、男性らしさについての固定観念は、このように壊れていくのだろう。

(脳科学者 茂木 健一郎 写真=AFLO)

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