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数日間で見違える「短期スクール」22

プレジデントオンライン / 2018年9月2日 11時15分

写真=iStock.com/ijeab

国をあげた働き方改革によって空いた時間を「学び」に充てたい人も多いだろう。短い間通うだけでも、知識がついてスキルアップもはかれる。そんなスクールを5人の識者が紹介する。

▼通学、オンライン、超短期留学。究極の「英語スクール」

■短期の英語スクールなら勉強のマンネリ化を打破できる

長期休暇をとったり、退職して本格的に入学したりしなくてもいい「短期スクール」。せっかく通うなら、短期間でも“身になる”学校を選んで効果的に学びたい。

「語学の短期スクールは、次のステップに進むための起爆剤にするといい」と言うのは、英語学習コンサルタントで東洋大学准教授の佐藤洋一氏。

「語学はぼんやり『できるようになりたい』と思いながら勉強しても、絶対できるようにはなりません。自分なりのゴールを設定することが大事。でも、独学では進捗が見えにくくモチベーションも保つのが難しいですよね。伸び悩んだときに短期スクールに通えば、勉強のマンネリ化を打破し、次のステップに飛躍しやすいと思います」

多くの学習者が伸び悩むタイミングは、基礎を徹底的に学ぶとき、初級を過ぎてある程度できるようになったとき、上級になってさらに上を目指すとき。この時期に短期スクールで講師などのフォローアップを受けることで、新たな勉強のヒントやスランプ脱出の糸口が見つかるかもしれない。講師の面倒見のよさで佐藤氏が太鼓判を押すのが「ディラ国際語学アカデミー(DILA)」。英語をはじめ世界55カ国の言語を、文化にも精通した講師にマンツーマンで学べるコースがある。

刺激を受ける意味での“起爆剤”では、海外の大学さながらの環境に身をおいてみるのもいい。

「ニューヨーク大学(NYU)プロフェッショナル教育東京」では、品川にあるキャンパスでネーティブの講師たちが授業を繰り広げる。

「MBAを取得し、プロのビジネスコンサルタントとして活躍している講師もいます。英語を学ぶというより、ビジネスを英語で学ぶ、という形です。ディスカッションが中心で、中級者、上級者向け。MBA留学の準備段階として通っている人も多いですね」

■オンライン英会話にも「短期集中コース」登場

ネーティブの講師が中心の大学と違い、民間のスクールではノンネーティブの講師もいる。日本人はとりわけ、講師がネーティブであることにこだわりがちだが、それだけで質の高い授業が受けられるとは限らない。

「語学を教えることに熟知しているプロであればよいのですが、そうではない先生も。特に基礎を短期でしっかり身につけたいなら、日本人から学んだほうが効果が出る場合も多いです」

オンライン英会話の世界でも、短期集中コースが出てきている。

「好きな時間に手軽にできるのが、オンライン英会話のよさ。でも、それが徒になってついサボったり続かなかったりと、効果が出ていない方もいるようです。そんな方にぜひ試してほしい」と言うのは、オンライン英会話活用塾・ウレシトーク代表の嬉野克也氏。ベルリッツやジオスなど大手スクールが通学型と同様のコースを提供するようになったのをはじめ、短期間で集中的に英語をマスターしたい人に向けたプログラムも登場。「Ays English」の“スパルタ”は、1日4時間、連続で10日間受講する。申し込んだら、受講日や時間の変更はできない。

夏休みなどある程度まとまった時間がとれたら、思い切って海外で学んでみてはどうだろう。

「24時間、いやおうなく英語を使わざるをえない環境に身をおき、夢の中まで英語が出てくるレベルで学ぶと、吸収が早い。本気度も変わってきます。また、実際に生活することで、その国の働き方や時間に対する概念がわかる。そうした経験があると、交渉も円滑に進むことが多いようです。交渉やプレゼンなどアウトプットが差し迫っている方にもお薦めです」

そう話すのは、国際教育コンサルタントで留学ソムリエ代表の大川彰一氏。しかし、気になるのが周りの環境だ。クラスが若者ばかり、というのは避けたい。

「海外の学校は学生も社会人も一緒に受けるのが一般的なので、社会人限定のクラスを探すとよいでしょう。全世界に学校がある『EF』が、ボストン校とケンブリッジ校で展開しているエグゼクティブコースもそのひとつ。管理職向けなので、クラスルームは会議室のような雰囲気です。先生もビジネス経験のある方ばかりです」

世界中からビジネスパーソンが学びにきているので、国を越えたネットワークも生まれるだろう。

■目利き3人が厳選「短期で学べる英語スクール」

▼私たちが厳選しました!

(左から)東洋大学准教授 佐藤洋一氏、ウレシトーク代表 嬉野克也氏、国際教育コンサルタント 大川彰一氏、ニューラル代表 夫馬賢治氏、資格コンサルタント 鈴木秀明氏

■▼東洋大学准教授 佐藤洋一のオススメ

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【留学】


1位:ディラ国際語学アカデミー(DILA)「26時間集中プライベートコース」
レベルや目的に合わせて講師とカリキュラムを提案してくれる。東京・四谷。●全12回(1回130分)16万9000円、入学金9260円
2位:ニューヨーク大学(NYU)プロフェッショナル教育東京「グローバルイングリッシュプログラム」
年4学期制。平日の早朝や夜間、土曜集中コースも。東京・品川。●中級レベル/1日1.5時間×10週、1時間あたり約6000円
3位:テンプル大学ジャパンキャンパス「生涯教育プログラム」
幅広い分野を英語で学べる。1日~2日間のセミナーなども。東京に2校舎。●不動産投資入門(8週間)/全20時間5万2222円
4位:ELEC英語研修所「総合英会話」
1ターム3カ月で年4回。TOEICスコアを目安に、4段階のレベル分け。東京・神田。●夜間コース/3カ月(20時間)5万8320円

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■▼ウレシトーク代表 嬉野克也のオススメ

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【オンライン】
1位:BVC(ベルリッツ・バーチャル・クラスルーム)オンラインレッスン(マンツーマン)
レッスンは録音、録画されるので復習できる。日本人スタッフのカウンセリングも。●1レッスン(40分)あたり5300円~(100レッスンコース)
2位:ジオスオンライン「ビジネス場面別コース」
会議編、電話編、社交編など6つの場面別テキストで学習できる。有効期限は2カ月。●会議編/全50回(1回25分)3万9000円
3位:マイチューター「職業別レッスンプログラム」
その業界で必要なスキルを英語で身につける。有効期限は6カ月。●マーケティング、広告/50レッスン(1レッスン25分)2万7593円
4位:Ays English(アイスイングリッシュ)「スパルタ」
10日間、2週間、4週間から選べる。1日4時間を連日受講。成果が見えやすい担任制。●10日間コース/1日4時間3万2407円

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■▼国際教育コンサルタント 大川彰一のオススメ

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【留学】
1位:EF「EFエグゼクティブコース」
米国ボストン校、英国ケンブリッジ校で開講する社会人限定のコース。●1週間~/16万7700円~EF登録料、入学金、教材費は別途
2位:セブリッシュ(GSAGI)「個人向け留学コース」
フィリピンのマクタン島にある学校。●1週間滞在の場合/1日8時間レッスン+入学金+滞在手数料+宿泊費、約11万9000円
3位:ILSC「ビジネス英語プログラム」(カナダ・バンクーバー校)
国籍のバランスが取れるよう各国の人数を制限。映画制作コースなども。●1週間滞在の場合/週17レッスン+ホームステイ$1041
4位:EC「EC マルタ校のビジネス英語入門コース」
地中海に浮かぶマルタ島で、ビジネスのトピックに関して学ぶ。「マルタ校30+」は30歳以上で構成。●1週間滞在の場合/週30レッスン300ユーロ

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▼本格入学のお試しにも。実力派「ビジネススクール」

■MBA取得希望者が行くべき短期のビジネススクール

MBA取得のために通う大学院や学校“ビジネススクール”にも、短期のコースやプログラムがある。MBAを取るには通常2年間は通わなければいけないのでそれなりの“覚悟”が必要。でも、短期ならトライしやすい。

「そもそも国内のビジネススクールは、慶應義塾大学や早稲田大学など、経営大学院という形で大学が運営しているものと、BBT(ビジネス・ブレークスルー)大学やグロービス経営大学院大学など、独立して経営されているタイプの2つに分けられます」

そう説明するのは、自身もアメリカの大学でMBAを取得し、国内外のビジネススクールやMBA留学に詳しいニューラル代表の夫馬賢治氏。

「BBTやグロービスでは、正式に入学する『本科』のほか、『単科』といって、特定のテーマをピンポイントで学べる講座を設けています。2~3カ月で1講座が終えられるようになっていて、正式に入学すれば、単科の修了科目を本科に移行できるシステムです」

実際のMBAではマーケティングやアカウンティング、ファイナンスなどの知識をベースにしたケース分析が中心になる。短期コースではMBAの学生が体験しているレベルや内容を試すことができるため、MBA取得を目指す人は、まずは短期で受講してみるといいかもしれない。

大学が運営する経営大学院でも、平日夜間や週末、1週間集中講座など、積極的に短期講座を開講している。

「例えばWBS(早稲田ビジネススクール)の『エグゼクティブプログラム』では、連続した5日間で経営について学ぶコース。少人数クラスで朝から夕方までみっちり授業があるので、学生時代の“クラス仲間”と一緒に学ぶようで楽しいという声をよく聞きます。こういったクラスではたいていメーリングリストが作られるので、自主的に呼びかけて勉強会などを主催しても。会う機会が増えて仲良くなれます」

■ビジネススキルを「ナレッジ共有サービス」の動画で学ぶ

ビジネスパーソンにとっては、人脈づくりやネットワークの構築という点も見逃せないメリットだ。

日本だけでなく、海外の大学院でもプログラムの一部をオンラインで受講できる。Harvard Extension Schoolは、夫馬氏自身も目下受講中。

「一歩先の知識を手に入れたいなら、海外の大学院にも目を向けたいですね。ご自身で何かを始めるときなど、海外の情報を知っているのは大きな武器になります。ただし、英語の基準値を満たさなければいけない、課題が多いといった注意点もあります。英語力に自信があって、ビジネスを英語で学びたいという人にはお薦めです」

もっと手軽に、「ナレッジ共有サービス」を利用する手もある。

「ビジネスやITのスキルが学べる“スクー(Schoo)”、大学や企業が無料でオンライン講座を提供している“ムーク(MOOC)”など、動画を見ながら知識を習得。通勤時間やちょっと空いた時間にも活用できます」

学びたい意欲を満たしてくれるサービスはたくさん存在する昨今。いかにアクセスするかは、自分次第である。

■▼ニューラル代表 夫馬賢治のオススメ

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1位:Harvard Extension School「通信コース」
ハーバード大学が提供しているオンラインのコース。1週間に1授業(2時間)、基本的に15週間で終わる。修士号取得のコースもある。●科目により500~700米ドル
2位:早稲田大学ビジネススクール「エグゼクティブプログラム」
実務経験を持つ講師陣が提供する、企業の幹部向けの短期集中プログラム。定員は25名。2017年度のテーマは「ビジネスモデルの選択と革新」。●5日間45万8334円
3位:慶應義塾大学ビジネス・スクール「エグゼクティブセミナー」
「意思決定とマネジメントシステム集中」「会計管理集中」など、マネジメントの基盤となる主要8分野、年4コース設置。●週末集中セミナー/土曜日3回13万3000円
4位:グロービス経営大学院大学「単科生制度」
基本科目を1受講期あたり2科目まで履修できる。オンラインのほか、東京・大阪・仙台など全国5校。●3カ月1科目11万6667円 *初めての受講者は、入学金2万1297円
5位:BBT大学(ビジネス・ブレークスルー大学)「科目体験コース」
2カ月体験の単科。マーケティングやWebサイトデザインなどから好きな科目を選ぶ。オンライン。●2カ月、2単位1科目8万4000円 *別途登録料がかかる
6位:明治大学リバティアカデミー「ビジネスプログラム」
ビジネスをはじめ、教養や資格、語学など幅広いジャンルの講座を提供。●実践・マーケティング戦略セミナー/年1回、土曜日全8回3万2000円。入会金3000円

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▼キャリアアップにつながる。注目の「資格取得講座」

■短い間通うだけでも知識やスキルが身につく「資格取得講座」

専門分野を学びたいなら「資格認定講座」がもってこいだ。短期の資格講座は集中的にみっちり勉強するので、短い間通うだけでも、知識やスキルが身につくよさがある。

「社会の動きや世間のニーズを反映した結果として『資格』が作られるので、新しいものがどんどん出ていますし、細分化されてきています」

そう語るのは、年間平均50個、累計503個の資格を取得、オールアバウトの資格ガイドも務める資格コンサルタントの鈴木秀明氏。なかでも、これからビジネスパーソンの受験者が、ますます増えると予想されるのが「ウェブ解析士」。一見、IT企業や情報関係の部署の人向けの資格のようだが、「比較的汎用性がある」そうだ。

「例えば、あるサイトを運営するときに、ページビューの数を増やすためにはどんな施策が効果的かとか、ある指標の値を見たらどんなことがわかるのかとか、そういったノウハウが学べます。僕も想像以上に自分がウェブ解析ツールの機能を使いこなせていないことがわかり、こんなこともできるんだ! と目からウロコでした」

ウェブ上のデータを活用する場面は、どの職種でも必須となりつつある。解析ツールは日々進化しているので、定期的に受講して知識をブラッシュアップするのもいい。段階的に合格認定が必要だが、上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターにチャレンジしても。

財務会計分野でイチオシなのが、簿記より一歩進んだ“アドバンスな資格”として、「IRプランナー」。企業分析、情報開示、コーポレートガバナンスなど、IRに関する知識をひととおり学べる。「M&Aシニアエキスパート」は、法務や財務などを幅広い分野の専門知識が必要となるM&Aに関しての資格。内容は中小企業の事業継承、M&Aの知識がメインで、さまざまな企業関係者が受講している。

「最近話題の『公認モチベーション・マネジャー』は、部下への接し方や人間関係に悩む方にぜひ。ワークショップによる実践形式で学べるのが人気の秘密のようです」

こうした講座は、期間も費用も資格によってまちまち。難易度が高くなるほど、期間は長くなり、費用はかさむ傾向にある。数々の資格を取り続けている鈴木氏が、受講の際の心得を指南。

「せっかくお金を払って通うのですから、より効果的に受講したいものです。短期集中で学べるとはいえ、どの講座もある程度の基礎的な知識はあったほうがいいですね。事前の予習は、欠かせません」

■資格コンサルタントが選ぶ短期集中スクール4

また、資格を取るなら狙いを定めて後々役に立つものを、と考えがちだが、自分の仕事と直接関係ない分野の資格を勉強してみたら、意外な広がりや面白みがあることもあるという。

「あえて全く畑違いのことを勉強してみると、少なからず新しい発見があります。例えば、顧客や営業先企業の業界知識を勉強してみると、先方のビジネス情報やニーズをつかむことができるでしょう。ふとしたときにその知識が役に立つことも多いです」

その土地を詳しく知ることができる「ご当地検定」では、相手がたまたまそこの出身という場合に地元ネタで盛り上がれる。鈴木氏も、あおもり検定、鳥取砂丘検定、金沢検定など複数保有。

「いま取得を考えているのが、『防災士』です。近年いろいろなところで地震や災害が起きているので、この資格勉強を通して防災のリスクマネジメントを学んでおけば、公共の場でも、個人としてもいざというときに役立ちますよね」

※費用はすべて税抜きです。各スクールの情報は編集部調べの内容もあります。

■▼資格コンサルタント 鈴木秀明のオススメ

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1位:「上級ウェブ解析士」講座
ウェブ解析のスキルが体系的に学べる。関東・関西・中部など。2日間受講後、オンラインでテストを受ける。●2日間8万円
2位:「M&Aシニアエキスパート」養成スクール
M&A実務、M&A評価などを学ぶ。修了後、試験に合格すれば資格認定。東京・大阪など。●3日間12万円 *受験料は別途1万円
3位:「公認モチベーション・マネジャー」Advanced資格認定コース
全23理論を4回に分けて受講。確認小テストと実践レポート合格で資格認定。東京・名古屋・大阪。●全4回コース24万6000円
4位:「CIRP(IRプランナー)」基礎コース・短期集中3日間コース
IRの現場を知る専門家が講師を務める。受講後、検定試験に合格、会員登録して資格取得。東京。●3日間(全10回)9万5000円

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(フリーライター 池田 純子 写真=iStock.com)

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