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その下心は"ほぼ"相手に見透かされている

プレジデントオンライン / 2018年12月2日 11時15分

写真=iStock.com/AntonioGuillem

■下心はほぼ相手に見透かされている

褒めすぎたなと思うのは、そもそもあなたが「褒めるのが苦手」だからではないでしょうか。

褒め方に自信がないからこそ、褒めたのを取り消したい、「厳しく指導すべきだったのでは」と思ってしまう。しかし、あらためて「さっきは褒めすぎた」「調子に乗るなよ」と言い出すのも、なかなか難しい。

日本人は、「褒めるのが下手」と言われてきました。厳しくするのが躾、愛のムチが人を育てる。そんな文化が根付いていたからです。なので、日本人は自己肯定感が低くなりがちです。そのことが、仕事で過重な精神的ストレスを抱える一因になったり、燃え尽き症候群などに繋がっているのが現実です。

心理学の見地から言えば、「褒める」ことは非常に重要です。心配しがちな「褒めすぎ」は、厳密に言うとありえません。褒めることが成長を止めることはない。「褒めると調子に乗る」と思うかもしれませんが、調子に乗っているとは文字通り、パフォーマンスがいいということ。歓迎すればいいのです。「調子に乗って失敗した」と見えても、本質的な原因はほかにあることのほうが多いもの。具体的なミスに目を向けたほうがいいでしょう。

褒めるのが苦手な人は、得てして褒めることから見返りを求めてしまっている。心理学では「取引」と呼びますが、「よい上司と思ってほしい」「褒めたから俺のために行動しろ」などという下心は、ほぼ相手に見透かされています。

褒めるとは、相手の「価値」を見つけて伝えることです。成果や努力、そして変化を見つけて認め、口に出して伝える。褒めることは、「しっかり見てくれている」と相手に安心感を与えることになります。そうすることで、職場を安全な環境にし、信頼関係ができ、会社や取引先にも波及する。結果的にメリットが生まれるというわけです。それを認識することから始めましょう。

■否定から入るか、肯定から入るか

では、褒めるのが苦手な人が、うまく褒めるようになるにはどうすればいいのか。まずは、「ありがとう」「よくやった」という感謝の気持ちを端的に伝えることです。さらに、褒めるポイントをメモにしてから話すのもおすすめです。相手のいいところを5つ、難しければ3つ見つけてメモしてから伝える。例えば面談の席などで、メモを見ながら話をすると、相手に自分がいかに本気なのかも伝わるという効果もあります。

それでも、相手の問題点を指摘したい、「ちょっと褒めすぎた」と思ったときは、先に肯定的な価値を認める言葉から話し始めることです。「よくできている。けど、こうすればよりよくなる」「君だったら、もっとできる!」。否定から入るか肯定から入るかで、相手の受け入れ方も180度違うものです。

とにかく、褒め上手になるには、褒め続けることです。これまで褒めることをしなかった厳しい人間がいきなり褒めだすと職場は疑心暗鬼になるでしょうが、それも2~3週間程度で落ち着きます。安心できる職場の環境をつくることが何より大事なのです。

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根本裕幸
心理カウンセラー
『つい「他人軸」になるあなたが7日間で自分らしい生き方を見つける方法』など著書多数。

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(心理カウンセラー 根本 裕幸 構成=伊藤達也 写真=iStock.com)

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