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金利上昇の「Xデー」で住宅価格は下がる

プレジデントオンライン / 2018年9月3日 9時15分

日本経済はこれからどうなるのか。そして、その先行きは私たちの家計にどんな影響を与えるのか。2人の有識者が4つのテーマについて徹底解説する。第3回は「不動産」について――。

▼15年後には3割が空き家になり、不動産相場は暴落する

■家は買わずに済むのであれば、買わないほうがいい

地価の上昇、低金利で活況な不動産市場。東京オリンピックを前に失速するという見方もあるが実際はどうなのか。

「買わずに済むのであれば、買わないほうがいいでしょう。貸す側は当然『今なら住宅ローンが低金利で借りやすい』『今のうちに買ったほうが得』と煽るでしょう。でも、冷静に考えたいのは今の住宅価格はこうした“借りやすい状況”を前提に決まっているということ。今後、金利が上がり、住宅ローンを組みづらくなれば、必然的に住宅価格も下がることが予想されます」(経済評論家の山崎元氏)

また、少子高齢化にともなう人口減少は不動産投資には逆風だという。

「全国で増え続ける空き家が社会問題になっているように、今後ますます、住宅は余る」(山崎氏)

■長期金利の借り入れはできるだけ早く固定化すべし

もちろん、例外的に不動産価格が高値圏でキープされているエリアもある。

写真=iStock.com/y-studio

「都心の限られたエリアや、地方でも外国人がこぞって不動産を買うようなリゾート地の物件であれば、値崩れしにくいかもしれません。でも、それも偶然の産物。現時点で需要があるからといって5年後、10年後にどうなるかはわかりません」(山崎氏)

では、すでに不動産を購入している場合はどうすればいいのか。とりわけ気になるのが住宅ローン金利の動向だろう。

「長期金利の借り入れはできるだけ早く固定化したほうがいい。もし、変動金利で住宅ローンを組んでいるならなるべく早い段階での借り換えや繰り上げ返済を検討することをおすすめします。仮に金利が下がったとしても、下がり幅はわずかでしょう。その半面、金利の上昇局面にきたら大きく上がる可能性があります」(大和総研の熊谷亮丸氏)

金利上昇は何度も示唆されてきたが、いよいよXデーが訪れるのか。猶予期間は「さほど長くはない」(熊谷氏)という。

「各国の政府債務残高と長期金利を見ると、日本だけが異常値を示しています。政府債務残高に対して、長期金利が低すぎる。これまでは国内の金融資産残高が国債発行残高を上回っていたため、日銀が国債を買い占めることで、低金利を維持してきた。しかし、今後は高齢化による貯蓄の取り崩しが進み、国内の金融資産残高が減ってくる。財政再建の進み具合にもよりますが、早ければ、2020年代半ばにかけて、大きく金利が上昇する可能性があります」(熊谷氏)

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山崎 元(やまざき・はじめ)
経済評論家
1981年、東京大学経済学部卒。楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。共著に『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』など。
 

熊谷亮丸(くまがい・みつまる)
大和総研常務執行役員チーフエコノミスト
1989年、東京大学法学部卒。日本興業銀行調査部などを経て2007年大和総研に入社。共著に『この1冊でわかる 世界経済の新常識2018』など。
 

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(ライター 島影 真奈美 撮影=岡田晃奈 写真=iStock.com)

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