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インド人もびっくり、スズキの一本足打法

プレジデントオンライン / 2018年10月3日 9時15分

写真=iStock.com/VasukiRao

■シェア50%を維持できれば、2030年には500万台

スズキの2018年3月期決算は純利益が2157億円と、3年連続で過去最高を更新した。その原動力は、なんといっても好調なインド市場にある。同社の2030年に向けた事業構想では、インド市場は1000万台規模に突入すると想定しており、現在のシェア50%を維持できれば、スズキはインド1カ国で500万台という販売規模になるため、それに向けて施策を打っていくとしている。

壮大な話ではあるが、私は決して夢物語ではないと見ている。

確かにインド経済が現在の勢いのまま成長を続けるとは言い切れず、電気自動車(EV)や自動運転など、新しい技術革新の波も押し寄せてきている。そのなかでスズキがシェアを維持できる保証はどこにもない。

しかし、振り返れば2000年代にもいずれはトヨタ自動車など大手メーカーにインド市場は席捲されるだろうという見立ては強かったが、結果はそうはなっていない。それは、インドの車文化を築いてきたのはスズキであり、インド人に「車といえばマルチ(・スズキ)」と言われるほど現地に根を張ってきたからだ。これは一朝一夕に変わるものではない。

■爆発前夜の市場でどこよりも優位なポジションにいる

今、世界中を見渡しても、インドほどポテンシャルのある市場はない。先進国では車の需要は飽和し若者の車離れも進んでおり、中国も今後は大きな伸びを期待できない。アフリカは可能性があるだろうが、需要が爆発するにはまだ時間がかかるだろう。

そんなインド市場で、どこよりもスズキが優位なポジションにいるのは間違いないだろう。鈴木修会長は販売拠点を現在の2700カ所から1万カ所の規模に、販売員も約4万人から12万人に拡大すると語っているが、その戦略の方向性は正しい。

インド一本足経営と揶揄されることもあるが、スズキは世界で唯一無二のユニークな会社といえるだろう。

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成瀬伸弥
岡三証券 アナリスト
 

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(岡三証券 アナリスト 成瀬 伸弥 構成=衣谷 康 写真=iStock.com)

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