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どんな数字も6174"カプレカ数"の不思議

プレジデントオンライン / 2018年10月2日 9時15分

■4ケタの数字にある操作を行うと……

「さんきゅう倉田」なんてふざけた名前をしているなと思われるかもしれないが、これは芸名で、私は吉本興業に所属するお笑い芸人だ。もともとは元国税局の国税専門官で、法人税の調査などに携わっていたが、お笑い好きが高じて、現在は税金などの数学ネタを芸風に舞台などに立っている。

「タカタ先生」とは同じ芸人仲間で、ほかに塾や予備校講師ら9人で「日本お笑い数学協会」という組織を結成し、ひとりでも多くの人に数学に関心、興味を持ってもらいたいとイベントをはじめとする活動を展開している。

というわけで今回は、おもしろネタの1つである「カプレカ数」をご紹介したい。きっと初耳の方が多いと思うが、4ケタの数字にある操作を行うと、どんな数字も最終的に「6174」(カプレカ数)になるというユニークなものだ。ちなみに、この名前は発見者のインド人数学者、D.R.カプレカの名にちなんでいる。

計算の手順は次のとおり。まず任意の4ケタの数を用意する。その数字を、(1)数字の大きい順に並べ替える、(2)数字の小さい順に並べ替える、(3)「(1)-(2)」を計算する、(4)その答えの数字に対し、(1)~(3)の操作を繰り返していく。以上である。

私の誕生年である「1985」を例に試してみよう。(1)9851、(2)1589、(3)「9851-1589=8262」。この「8262」に対し、同じ操作を行う。(1)8622、(2)2268、(3)「8622-2268=6354」。同じ要領で繰り返すと、あら不思議、最終的に「6174」となった(図参照)。その後は「6174」が繰り返される。

■カプレカ数にあるもう1つの定義

念のため別の数字として、2019年の「2019」で確かめてみることにしよう。「9210-0129=9081」→「9810-0189=9621」→「9621-1269=8352」→「8532-2358=6174」。確かにカプレカ数になった。

なお、4ケタの数字がゾロ目(2222、5555、8888など)の場合は「6174」ではなく、すべて「0」になる。なぜなら、(1)と(2)が同じ数字になるからだ。たとえば、「2222」の場合、(1)も(2)もともに「2222」であり、(3)を計算した段階で「2222-2222=0」となってしまう。

さて、「6174」とは別に、カプレカ数にはもう1つの定義があるのだ。

それは、(1)任意の正の整数を2乗し、(2)その数字が偶数ケタのときは前nケタと後ろnケタに分け、それらを足すと元の任意の数字になる。また、奇数ケタの場合は前nケタと後ろ(n+1)ケタに分け、なんとそれらを足すと元の任意の数字になる――というものである。

この定義にあてはまる任意の数字は決まっており、「9」「45」「55」「99」「297」「703」「2223」などがそれだ。「45」の場合、「45の2乗=2025」で、「20+25=45」となる。「297」は「297の2乗=88209」で、「88+209=297」と確かにカプレカ数になっている。

このような不思議な性質を持つカプレカ数だが、何に役立つのかと問われると困る(笑)。飲み会でのネタにはいいと思う。もしお子さんが算数が苦手なら、数字に興味を持たせるのにオススメだ。単純におもしろいし、4ケタの引き算はふつう小学3年で習うので、筆算の練習にもなる。

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さんきゅう倉田
お笑い芸人
元国税専門官。大学卒業後、東京国税局に入局。法人税の調査を経て、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに入る。お笑い芸人として、税務調査やガサ入れのネタなどでメディアやライブに出演。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』がある。

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(お笑い芸人 さんきゅう 倉田 構成=田之上 信)

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