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神戸製鋼 改ざん問題の巨額賠償は"余裕"

プレジデントオンライン / 2018年9月21日 9時15分

経済ニュースの本質を見極めるにはどうすればいいか。役立つのが「会計」だ。会計ではモノの動きと時間の流れを「金額」で整理していく。それが理解できると「ウラの裏」がするすると見えてくる。雑誌「プレジデント」(2018年3月19日号)の特集「会社の数字、お金のカラクリ」から、記事の一部を紹介しよう。今回は「神戸製鋼とキャッシュフロー」について――。

■財務諸表で見る、神戸製鋼の「体力」

2017年10月に起こった神戸製鋼の品質データ改ざん問題。あれから5カ月、神戸製鋼の危機は去ったといえるのか。その実態は財務諸表から分析できる。

「まず見るのはキャッシュです」

と話すのは財務戦略コンサルタントの石野雄一さん。

「決算書では1年間の現金の流れを示す『キャッシュフロー(CF)』と積み上がってきた『現預金』を見ます」(石野さん)

キャッシュフローで着目すべきは、キャッシュフロー計算書にある「営業CF」から「投資CF」を差し引いた「フリーCF」だ。これは未来への投資や財務改善など自由に使えるお金であり、会社の実力値といえる。

現預金は貸借対照表(BS)の「現金及び預金」で確認でき、1557億円。事業に最低限必要な現預金を考慮する必要はあるが、少なくとも1557億円分だけ損害賠償に充てられる現預金があることを示している。

「最大の問題は損害賠償額がいくらになるかです」(立花証券アナリストの入沢健さん)

タカタを例に挙げると、連結決算にて2期連続赤字から17年3月期は207億円の黒字、現預金残高は747億円だった。

「この状態でアメリカ司法省への10億ドル(約1100億円)の和解金に加えてリコール関連費用を支払うのは厳しかった」

と中京大学経営学部教授の矢部謙介さんは言う。

「死亡事故の起こったタカタと違って神戸製鋼にはまだそういったケースも出ていません。それにもし1100億円の請求があっても、神戸製鋼の財務状況であれば持ちこたえられる可能性が高い」(矢部さん)

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石野雄一
財務戦略コンサルタント
 

矢部謙介
中京大学経営学部教授
 

入沢 健
立花証券アナリスト
 

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(Top Communication)

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