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みずほ社長"女性制服を着たい男性を尊重"

プレジデントオンライン / 2018年9月27日 9時15分

みずほFG社長 坂井辰史氏

■数十年に1度の大きなパラダイムの転換期

――みずほフィナンシャルグループ(FG)社長就任後、見えてきた課題は。

いまは数十年に1度の大きなパラダイムの転換期です。テクノロジーの進展により業務プロセスも大幅に自動化され、フィンテックなどでは異業種との競争もある。そういった中で、みずほFGのおよそ150年の歴史がもつ圧倒的な顧客基盤や国内外のネットワークをベースに、これまでの蓄積だけでなく新しい分野に対しても強力な基盤をつくっていくことで、お客様のニーズに応えていきたいと思っています。

――これまで銀行は利ざやが主な収入源でしたが、マイナス金利により、それだけに頼るのも限界がある。「新しい分野」という言葉も出たが、新たな収入源として考えていることは。

日本には戦後から蓄積されてきた、1800兆円を超える莫大な個人金融資産があります。GDPの3.5倍はあるその資産のリターンを安定的に上げていくことで、国民資産の形成に資することが今後さらに重要になっていくでしょう。

その個人金融資産の半分以上が銀行預金なので、みずほFGがもつ“銀・信・証ワンストップ”の体制で、長期安定的に運用していく。例えば、一般層の方には若い頃からつみたてNISAやiDeCoなどの積立型の投資、富裕層の方にはプライベートバンキングを提供していきます。

非金利収支の割合を、中期経営計画の最終年度である2018年度の中で6割にもっていくのが目標なのですが、現在58%(17年度実績)なので、いい線まで来ていると思います。

■採用活動では「みずほらしくない人に会いたい」

――17年11月、AI(人工知能)などを使った効率化により26年度末までにグループの従業員数を1.9万人、24年度末までに店舗を100店舗削減すると発表したが、現在の進捗と、社員の受け止めは。

18年度中に人員は約700人、拠点は、17年度からの累計で、19拠点削減します。人員についてはスローですが、店舗については全体の2割程度まで進んでいます。今回の人員削減はリストラ的な報道が先行したこともあり、銀行を中心に多少不安に見る向きがあったと思います。

ただ、実際には自然減でやっていくという説明をしていますのでそこに誤解はありません。金融サービスを取り巻く状況が大きく変わる中、有人店舗からネットのサービスへと人員をシフトしていくということです。

この10年で、銀行の支店のカウンターに来られるお客様は3割減り、パソコンやスマホでの取引をするお客様は2.5倍増えました。お客様の生活と金融のあり方が変わるなか、新しい基盤をつくっていくことに、役職員一人ひとりが前向きに情熱を燃やして取り組んでいます。

――いま、どんな社員がほしいか。

18年の採用活動では「みずほらしくない人に会いたい」をキャッチフレーズにしています。大きなパラダイムチェンジの中でも生き残れるような、変化を好み、変化を創り出せるような人を採っていきたい。しいて言うなら半沢直樹のような人材ですね(笑)。

――近年、LGBTに関する議論が活発化している。御行でもし性自認が女性である男性社員が女性の制服を着たいと言ったらどう対応する。

本人の意向を踏まえて、個別に対応していくことになりますが、個人的には尊重すべきと考えます。日本では20人に1人がLGBTという統計があり、我々はグループ全体で8万人いるわけですから、相当数いることになる。D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)は積極的に推進しています。

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坂井辰史(さかい・たつふみ)
みずほFG社長
1959年生まれ。金沢市出身。東京大学法学部卒。84年旧日本興業銀行(現みずほFG)。2013年みずほFG常務執行役員。16年みずほ証券社長。18年4月より現職。

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(みずほFG社長 坂井 辰史 構成=辻 枝里 撮影=横溝浩孝)

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