ダメな人ほど"チラシ配り"をムダと見下す

プレジデントオンライン / 2018年10月1日 9時15分

小山竜央『パブリック・スピーキング 最強の教科書』(KADOKAWA)

ビジネスを始める時、どうやって集客をするか。多くのイベントやセミナーで講師を務める小山竜央氏は、「最初からインターネットに頼ってはいけない。ネットからリアルへ誘導することを考えていると、失敗する。まずはリアルな人間関係を築くところから始めるべきだ」と提唱する。なぜネットでの集客を考えてはいけないのか――。

※本稿は、小山竜央『パブリック・スピーキング 最強の教科書』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■「ネットで人を集められる」というのは幻想

あなたがビジネスを始めて、集客をしようとするとき、最初のステップには何を使おうと考えますか?

おそらく、過半数の人が「インターネット」と答えると思います。実際、インターネットは間口が広く、かつ、手軽です。現にあなたも、この記事をインターネットで読んでくださっているわけです。

しかし、集客が苦手という人にお伝えしたいのは、「最初のステップでインターネットを使うな」ということです。

こう書くと、現代において、ネットを使わずに、どうやって集客するのかと思われるかもしれませんが、「ネットはすごい。ネットで何でも集められる」というのは幻想に過ぎません。

それでは、そういう私はネットを使って集客していないかというと、もちろん使っています。しかし、それは私が長年インターネットを活用したマーケティングをしているからこそ使えるのであって、まだ初心者である場合は、ネット集客はお勧めしません。

なぜかというと、ネットを使った集客はあなたが考えている以上に複雑で手の込んだ難しいものだからです。さらには、ライバルが多い、いわゆるレッドオーシャン。こんな戦場で初心者が戦っても、大した収穫は得られないでしょう。初心者であれば、みんながネットを使っているときにこそ、リアルにフォーカスするべきなのです。

■寝っ転がって聞くセミナーを成功させた

たとえば、フェイスブックでフォロワーを増やすために、相手の「友達になる」ボタンを片っ端から押す人がいます。そこであえて、フェイスブックでは、リアルに会った人だけに友達申請をするのです。リアルに会った人だけに絞ることで、「エンゲージメント(engagement:つながりの強さ、交流度を測る指標)」が高まり、絶対的にパフォーマンスが上がります。

そもそもビジネスは、リアルが前提です。リアルに会って、リアルにお客さまを成長させるビジネスです。そう考えれば、たとえネット集客を使ったとしても、リアルでのつながりをちゃんと作っておかなくては成長できないはずです。

プロのわれわれでも、ネットからの集客は30%程度にとどまっています。すでに口コミ、招待、案内などでリアルな関係を作り上げているからです。

集客はネットからではなく、リアルから始めるという私の考え方には「常識を知らない」「アナログだ」という批判もあります。しかし、マーケティングでは、常識や前提を疑うことが意外と大きな成果を生むのです。

たとえば、机に向かって座って聞くのが常識とされてきたセミナーにおいて、私は机なしのセミナースタイルにしてみました。すると、非常に聴衆のエネルギー、集中力が高まったのです。さらには、椅子も必要ないのではと考えて、寝っ転がって聞くスタイルを試したこともあります。その結果、そこで販売したコンテンツの成約率が100%になりました。

このように、世間で常識だと言われている手法を、一度、頭の中から取り払ってください。集客もそうです。ほとんどの人がネットからリアルへ誘導することを考えているから、失敗するのです。いきなりネットで見ず知らずの人を集めても、その人たちが本当に来るという保証はどこにもありません。

それならば、路上でチラシをまいたほうが、はるかに人が集まります。実際に私たちがやってみたら、1日チラシをまいて50人来たこともあります。アナログな手法をバカにしている人たちは、プライドが邪魔したり、実際にやったことがないからわからなかったりするだけなのです。

■ベネフィットを与えてつながりを作る

ネットの前にまずリアルで人を集める方法として、皆さんにお勧めしたいのが「ジョイント」または「コラボ」をする方法です。たいていは1人の力で集客を始めようとしますが、私はそういう人たちに必ずと言っていいほど「コラボしてみたらどうでしょう?」と最初に提案します。私自身、今もいろいろなカリスマたちとコラボしていますし、集客力の強い人は間違いなく、今、コラボをしている人たちです。

コラボとは、2人、あるいは3人くらいの似たジャンルの人とイベントなどを開くスタイルです。そのためにはまず、自分がコラボする相手を見つけてください。

相手は誰でもかまいません。セミナーで初めて会った人、感銘を受けた講師、同じ業界のライバル、とにかく呼びかけてみることが大切です。私の場合は知らない人でも、とりあえず、いつも「コラボしない?」と声をかけています。ラーメン屋さんの店長でも世界的なマーケターのジェイ・エイブラハムでも、誰でもです。

ただし、知らない人相手に、自分とコラボしてもらえるような関係を築くには、初体面でもそれなりの印象を残す必要があります。それには、リアルな場で出会って名刺を渡す際、もしくは名前を名乗る際に、必ず次の3つのことをするといいでしょう。

1つ目は、自分が何屋さんなのかの説明です。このときのポイントは、一言で説明すること。10分も時間がかかったりする自己紹介は絶対にNGです。

よくあるのが、「肩書きがいっぱいあるから」と全部説明するパターンですが、こういう人は1つに絞ってください。私も、会社を経営していたり、本を出したりといろいろなことをしていますが、説明するときは一言「セミナープロデューサー」だけにしています。

■「利益」とはお金のことだけではない

2つ目は、相手にどんなお客さまを求めているのか、聞くことです。

人がいちばん求めているのは、利益、いわゆる「ベネフィット」です。利益とは、お金のことだけではありません。プライベートでも誰かと付き合う理由は、その人といると安心する、居心地が良い、楽しくなる、面白いイベントに誘ってくれるといった、自分にとっての何かしらのメリットを感じるからでしょう。

ビジネスの場では、相手に対して、自分が何を与えられるかを、はっきり言葉で示さなければなりません。だからまず、自分が何をやっているかを説明します。それから、相手が求めているお客さま、見込み客がどんな層かを聞き出します。

3つ目は、相手に利益をもたらすような提案をすることです。具体的には、お客さまの層に合わせて、次のどちらかを持ちかけてみましょう。

お客さまの層が自分とマッチする場合、たとえば自分がダイエット業界、相手が睡眠や食事療法といった業界で、どちらも健康系というジャンルで同じときには、「一緒にイベントかセミナーをやりませんか?」と、コラボを提案するのです。

対して、お客さまの層が全然違う場合、たとえば自分が保険の営業で、相手がダイエット業界の場合は、「私のお客さまを紹介しましょうか?」と声をかけましょう。たとえ直接のコラボの相手ではなくても、相手にメリットのある誰かを紹介して、まずは最初のつながりを作るのです。

■「釣り堀理論」でゼロから人を集める

リアル、ネットを問わず集客するとき、もう1つ外してはならない考え方は、お客さまが集中している場所に行くことです。

皆さんが釣りをするとき、たくさん魚がいる池と、少ししかいない池では、どちらで釣りをしたいですか? 当然、魚がたくさんいるほうを選びます。では、釣り堀と太平洋とでは、どちらで釣りをしたいですか? こう聞くと、今度は皆さん、釣り堀を選ぶと思います。太平洋のほうが、圧倒的に魚が多いはずなのに、どうして釣り堀を選ぶのでしょう。

理由はもちろん、釣り堀のほうが、魚が集中しているからです。たくさんいるだけではダメで、集中している状態でなければ効率が落ちるのです。集客も同じ原理です。

ただし、集中さえしていればいいかというと、自分の見込み客でなければ意味がありません。逆に言えば、自分のコンテンツと直接は関係のない場所でも、見込み客がいるのであれば、そこはあなたにとっての良い釣り堀になるかもしれません。

リアルにおいて、この「釣り堀理論」を使った非常に効果の高い方法が、「ブースを出す」という戦略です。私自身も先日、不動産業者の集まるイベントでブースを出しました。私のコンテンツは、金融・投資や不動産と直接は関係ありません。にもかかわらずブースを出したのは、不動産を買えるような富裕層の方々であれば、学びの意欲も高いため、私の展開するビジネスの見込み客とマッチすると考えたからです。

■セミナー会場は集客に最適

セミナーや講演会、イベントに足を運ぶようなお客さまは、もともと成長欲求が高い人たちです。今セミナーに来ている人は、似たようなほかのセミナーにも行くと思っていいでしょう。ということは、集客で悩んでいる人にとっては、セミナーやイベント会場はまたとない釣り堀なのです。

つまり、セミナーやイベント会場で「机を置かせてください」とお願いするだけで、あなたはダイレクトに集客できるようになります。こんな安上がりで簡単な方法を知らない人が大勢いるのはもったいないとしか言えません。

断言しますが、セミナーや講演会については、広告費でブース以上にもとが取れる方法はないでしょう。わざわざ高いお金を払ってネット広告をあれこれ試したりするより、ずっと簡単かつ効果が高いのです。

集客でいちばん大変なのは、ゼロの状態から1に増やすことでしょう。「人を集めるのが難しい」と言っている人は、毎回、ゼロから1への挑戦を繰り返しているから大変なのです。リアルに力を入れていれば、その必要はありません。

1に増やすのがクリアできたら、あとは来てくれたお客さまにアプローチして次につなげていけばOKです。うまくやっている人は、集まった人に必ず「どんなイベントやセミナーであれば次も来てくれるか」というアプローチをしています。この原理が理解できれば、たとえ最初は家族や友人だったとしても、どんどん人は増えていくのものです。

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小山竜央(こやま・たつお)
ライブクリエイト代表取締役
1982年、香川県生まれ。2005年、大手広告代理店に入社しSNS開発、ゲーム開発、マーケティングに携わる。その後、独立し、過去に培った知識を元に「ゲーム理論マーケティング」を取り入れた法人へのビジネス指導と、講演会を全国で開催。著書に『5分の使い方で人生は変わる』『スマホの5分で人生は変わる』(ともにKADOKAWA)、『なぜか、自動的に幸せになれる72の習慣』(サンマーク出版)、『ストーリー思考で奇跡が起きる』『神速スモール起業』(ともに大和書房)など多数。

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(株式会社ライブクリエイト代表取締役 小山 竜央)

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