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先進医療も自由診療もカバーする保険2つ

プレジデントオンライン / 2018年10月27日 11時15分

写真=iStock.com/metamorworks

医療費の負担を抑えるには、なにがポイントになるのか。「プレジデント」(2017年2月13日号)では11のテーマに応じて、専門家にアドバイスをもとめた。第3回は「がん保険」について――。(第3回、全11回)

最先端のがん治療を受けようとすると、保険適用外の場合もある。お金がないからあきらめる、なんていう事態に陥らないよう、いまから備えておきたい。

公的医療保険が利かない最先端の治療としてまず挙げられるのが、先進医療。厚生労働省などが定める「高度な医療技術を用いた治療」で、現在(平成28年12月)106種類。国が認めているとはいえ、治療費は全額自己負担となっている。なかでも高額なのが陽子線や重粒子線。陽子線は280万円ほど、重粒子線は320万円ほどかかる。

■毎月100円程度で、技術料を全額保障

こうした先進医療をカバーしてくれるのが、がん保険の「先進医療特約」だ。保険料はどれも毎月100円ほどで大差なく、基本的に、治療にかかった技術料は全額保障してくれる(先進医療の場合、診察や入院など通常の治療と共通する部分は保険適用)。

最近は、患者が治療費を一時的に立て替えることなく、保険会社から直接医療機関に支払う「直接払い」が定着。

ただし、先進医療は医療技術ごとに医療機関が決められ、特に重粒子線など大規模な施設が必要な治療は遠隔地まで行く必要も。なかには三井住友海上あいおい生命「&LIFE 新ガン保険α」のように、現地までの交通費や宿泊費(1日1万円まで)も保障する特約も出ている。

先進医療特約は、中途付加できない場合が多い。現在の保険を解約して入り直すと保険料が高くなるので、すでにがん保険に加入中の人は、先進医療と臓器移植に特化した損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の医療保険「リンククロスコインズ」なども選択肢になるだろう。

さて、保険適用ではなく、先進医療にも定められていない、「自由診療」はどうすればよいか。たとえば、未承認の抗がん剤を使う場合、ロボット手術(前立腺がん、腎がんは保険適用)など、医師の判断で「自由」にできる治療は存在する。

新しい治療法として話題の「免疫チェックポイント阻害剤」は、高額な薬価でも注目を集めている。例えばオプジーボは、100ミリグラム73万円。体重60キログラムの人が使用する場合、1回133万円、1年間で約3500万円もかかる。しかし、承認されている阻害剤は、保険適用なので自己負担額は少ない。現在日本では「オプジーボ」(小野薬品工業)、「ヤーボイ」(米ブリストル・マイヤーズ・スクイブ)、「キートルーダ」(米メルク)が、メラノーマや肺がんなど、それぞれ特定のがんに対してのみ承認されている。これら以外は、基本的に保険適用外となる。

先進医療だけでなく、こうした自由診療もカバーしてくれる保険は、現在2つ。セコム損害保険「自由診療保険メディコム」と、SBI損害保険「がん保険自由診療タイプ」だ。「医者が必要と認めた治療である」など、一定の条件をクリアすれば、実際にかかった治療費を保障してくれる。ただし、どちらも5年で保険料が更新になる「定期型」なので、注意したい。入ったときから保険料が変わらない「終身型」と違い、5年ごとに保険料が更新。そのときの年齢で再計算されるため、年金暮らしに入っても保険料を支払い続けられるかどうかを試算する必要がある。

今回は最先端医療を受けるなら、という視点でがん保険の選択肢を見たが、そのほかの保障内容もしっかり検討して選びたい。

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先進医療には特約を。自由診療までカバーする保険も

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畠中雅子(はたなか・まさこ)
ファイナンシャルプランナー
2000年、駒澤大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。各メディアに連載多数。著書に『サヨナラ お金の不安』(主婦の友社)ほか。
 

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(ファイナンシャルプランナー 畠中 雅子 文=池田純子 撮影=石橋素幸 写真=iStock.com)

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