「三菱マテ本体ではない」は通用する話か
プレジデントオンライン / 2018年11月1日 9時15分
■悪質不正の三菱マテは新社長で変われるか
三菱マテリアルは2018年6月、小野直樹副社長をトップに昇格させた。
竹内章前社長は、同社の信用を失墜させた製品データ不正は子会社で起きた問題として留任に固執。だが、18年3月末に不正を検証する最終報告書を公表したにもかかわらず、3カ月後に新たに三菱マテ本体でも品質問題が発覚し、引責辞任に追い込まれた。新社長の人事発表から10日以上過ぎてから開いた小野氏の就任会見では、18年3月時点で本体の問題を知りながら隠ぺいを続けたことについて質問が集中した。小野氏は「顧客との間で解決済みの問題で適切な対処だった」と釈明した。
三菱マテは1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが合併してできた。三菱金属が主流とされるが小野氏は三菱鉱業セメント出身だ。不正を検証した特別調査委員会の委員も務めたことから「問題のすべてをよく知っており何をすべきかわかっている」(幹部)として社長に選ばれた。
ただ、小野氏は18年5月の決算会見で記者の質問に答え、グループ会社数社で新たな不正が見つかったとしながらも「三菱マテ本体ではない」と強調。「これまでの会見で繰り返し嘘をついてきた」(大手紙記者)と不信感は強い。製品データ不正も出荷先は延べ800社以上と起訴された神戸製鋼所より多く、同様の問題があった他社にはない最終報告書公表後の問題拡大などから「一連の不正の中でも特に悪質」(財界幹部)とされる。辞任した竹内氏も取締役会長として残る。小野氏で同社は変われるか。現時点では懐疑的な見方が多い。
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![](https://president.jp/mwimgs/8/d/-/img_8d1ab8d60462dca6056d081911553b2b12511.jpg)
三菱マテリアル社長
1957年生まれ。京大卒。79年三菱鉱業セメント(現三菱マテリアル)入社。取締役副社長執行役員などを経て2018年6月社長。
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(小林 洋文 写真=時事通信フォト)
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