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世帯年収1170万 全部使い果たす残念夫婦

プレジデントオンライン / 2018年11月4日 11時15分

トレーニング費は浪費か、投資か。その判断基準は?(Amanaimages=写真)

元気に働き続けるために、身体のケアは必要不可欠。サプリ、鍼灸、リラクゼーション……。健康・美容関連の出費はいくらまで許されるか、伝授しましょう!

■年収1170万でも、ほとんど貯蓄なし

家計見直しで削減が難しい費用に、健康・美容関連費がある。適正価格や効果を見極めるのが難しいからだ。高額なサプリであっても健康維持に役立っていると考えれば、ムダとは言い切れない。

結婚4年目の田淵家は健康・美容代にお金を惜しみなく使う。夫婦ともにスラリとした体形は、人一倍、健康や美容に気を配ってきた成果と言えそうだが、その出費は相当な額に上る。世帯年収が1170万円あるにもかかわらず、貯蓄は250万円。うち180万円は夫が独身時代に財形貯蓄で貯めたもの。家計再生コンサルタントの横山光昭さんはこう指摘する。

「健康や美容に関する費用の場合、第三者がどこを節約すべきか判断するのは難しい。とはいえ、貯蓄ができていないのであれば、ムダな支出を見極めて一掃し、貯まる家計に改善しなければなりません。貯蓄目標としては手取り月収の1年分が理想ですが、少なくとも半年分は確保したいところです」

田淵家の場合、夫はマラソンや自転車、トライアスロンが趣味。サプリやプロテインなどには出費を惜しまない。妻も月1回の美容院は欠かさず、美容鍼灸にも通う。さらに、夫婦そろって専属トレーナーが付くジムに通う。妻が独身時代に組んだエステローンも含めて健康・美容関連費用を合算すると、夫婦で月26万円以上になる。

「こだわりが強く、食材費や被服費などの出費もかさんでいます。本当に必要なものかどうかを一つひとつ検討することが重要です」

田淵家の場合も夫の栄養ドリンクなどは、単なる習慣として買っていた。デパートの化粧品売り場を巡るのが好きな妻は、パッケージに魅かれて、つい使わないものを衝動買いしていた。

「まずすべきことは支出のルールを決めることです」

あらかじめ回数や上限金額を決めておくことで、支出を抑制しやすくなる。夫は月2回ほど趣味のマラソンやトライアスロンの大会に参加しているが、遠方で開催されることも多く、交通費や宿泊費がかさむことも少なくない。上限などは決めていなかったため、日程が許す限り、積極的に参加してきた。

田淵家の場合には、今後、子どもが生まれれば、教育費などが必要になるし、そろそろ自分たちの老後資金も気になる時期だ。どうしても譲れない「ムダ」と言い切れない支出があるなら、その分を他の支出を削るなどして、家計にメリハリをつけることもポイントになる。

横山さんのアドバイスに従い、田淵家は支出削減に着手した。まず夫の支出では健康・医療費のうち栄養ドリンクをやめる、サプリを減らすなどして1万6000円の減額。娯楽費は交通費が高いところや宿泊費がかかるところで開催される大会へは出場しないことをルールにして月平均1万円減額。

次いで妻の支出では、衝動買いが多かった化粧品や美容液をカットして理美容費を1万円減額。健康・医療費は、美容鍼灸とコラーゲンサプリの利用回数を減らして1万8000円を減額。食材は衝動買いしたものも多く、実際には放置していたものも少なくなかった。細かな部分にムダは潜んでいる。それらを見直すことで食材費1万円弱を減額。

また、習い事費は夫婦で通っていたトレーナー付きのジムのコースを変更することで4万円の減額。

結果、毎月の収支をプラス10万円以上引き上げることに成功した。

「大きな進歩ですが、1カ月の支出が46万円以上かかっていることを考えると、まだ工夫の余地はありますね」

田淵家の場合は、夫婦別財布であることが支出を見えにくくしている。今後ムダな支出を切り詰めていくには、財布を1つにしたり、どちらかが積極的に家計管理をしたりして、収支を見えやすくしたい。

PIXTA=写真

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横山光昭
家計再生コンサルタント
マイエフピー代表取締役社長。ファイナンシャルプランナー。1万人以上の赤字家計を再生。近著に『貯める達人 使う達人が教える お金に好かれる人のルール!』。

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(向山 勇 写真=Amanaimages、PIXTA)

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