女性部下を別室に呼び注意するとアウトか
プレジデントオンライン / 2018年10月22日 9時15分
■セクハラとパワハラが混ぜこぜなケースも
優秀な女性社員をいかにうまくマネジメントするかは、これからの管理職には必須のスキルともいえるだろう。「女性に対するセクハラへの認識は浸透してきましたが、最近はセクハラとパワハラが混ぜこぜになったケースが散見されます」。
こう語るのは、労働法に詳しい弁護士の外井浩志氏だ。「たとえば、男女問わず容姿や結婚、出産などに関する発言は避けるべきです。『恋人はいるの?』などのプライベートな部分は男性に対しても踏み込まないほうが無難です」。
ハラスメントというのは被害者側がどう感じたかが重要視される。
「これまで多かった女性に対するセクハラの訴訟では、被害者の発言のほうが信用度は高いと判断されてきました。少しでも疑いをもたれるような言動はするべきではありません」
■女性の管理職を立ち合わせたうえで話す
パワハラは、「皆が見ている前で、大声で叱責する」といった行為も個人の尊厳を侵害しているとみなされるという。男性なら別室に呼んで注意すればよいが、女性の場合は密室に2人、というのはリスクが伴う。
「クローズドな会議室ではなく、オープンな場所で、まわりに声が届きにくいところで話すか、女性の管理職を立ち合わせたうえで話すしかないでしょう」
【身体的な攻撃】
叩く、殴る、蹴るなどの暴行。丸めたポスターで頭を叩くのも×
【精神的な攻撃】
同僚の目の前で叱責、他の職員を含めたメールで罵倒など
【仲間はずれ】
1人だけ別室に席を移動、強制自宅待機、送別会に出席させないなど
【過大な要求】
やり方もわからない仕事や、他の人の仕事を押し付けられるなど
【過小な要求】
事務職なのに倉庫業務だけを命じる、運転手なのに草むしりを命じられるなど
【個の侵害】
交際相手について執拗に問われる、妻に対する悪口を言われるなど
※厚生労働省「あかるい職場応援団」より抜粋
マタハラについては世間で言われるほど相談件数としては多くないそうだが、今後増えてくる可能性は大きい。管理職の気苦労は増える一方だ。
▼男女を問わず「容姿」「結婚」「出産」発言は避けるべし
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弁護士
1981年東京大学法学部卒業。東京労働基準局労働基準監督官などを経て、外井法律事務所開設。著書に『よくわかる労災補償と裁判』(中央労働災害防止協会)など。
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(ライター 衣谷 康 撮影=岡田晃奈 写真=iStock.com)
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