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小室圭さんの"疑惑"を騒ぐ週刊誌の無責任

プレジデントオンライン / 2018年10月31日 9時15分

2018年8月07日、アメリカ・ニューヨークに留学するため、出発する小室圭さん。(写真=時事通信フォト)

■「現状では納采の儀行えない」と朝日新聞が書いた

私は、小室圭さんと秋篠宮眞子さんの一人応援団だが、最近、再び激しくなってきている週刊誌を含めたメディアの無責任な報道には憤りさえ覚えている。圭さんが留学のため米国に発ち、眞子さんとの結婚問題は静かになると思っていたが、そうはならなかった。

火をつけたのは朝日新聞であった。

8月7日に圭さんは、米NYのフォーダム大ロースクールに留学し、3年間の予定で弁護士資格取得を目指すために、成田空港から出発した。それを待っていたかのように、翌日(8月8日)の朝日は、「『現状では納采の儀行えない』秋篠宮ご夫妻、小室さんに」と報じたのである。

「秋篠宮家の長女眞子さま(26)との婚約が内定中の小室圭さん(26)と母親に対し、秋篠宮ご夫妻が『現在のままでは(皇族の正式な婚約にあたる)納采の儀は行えない』と伝えていたことがわかった。皇族として国民から広く祝福される状態にないと考えているためだといい、天皇、皇后両陛下にも報告したという」

記事を読む限り、秋篠宮から直接聞いた話なのか、秋篠宮家や宮内庁関係者からの伝聞なのか、情報源はわからないが、秋篠宮家か宮内庁のある種の了解がなくては出せない記事であろう。

■「朝日のお墨付きが出た」と週刊誌が動き出した

小室圭さんが日本にいなくなったタイミングを狙って、こうした記事を“書かせる”というのは、私には“陰湿”なやり方に思えてならないが、秋篠宮夫妻の「現在の考え方」はこうなのだろう。

これによって、「朝日のお墨付きが出た」とばかりに、週刊誌が小室圭さんの動向を執拗に追い始めるのだ。

フォーダム大に入学し、授業料免除という特典を得られたのは、眞子さんの婚約者といい募ったからではないか。納采の儀を行っていないのだから、婚約者ではない。大学のウェブサイトに「圭は眞子さまの婚約者」と書いてあるのはおかしい。週刊誌がそう報じれば、呼応したように、宮内庁がそうした記述の取り消しを大学側に求めた。

■火のないところでも煙を立たせるのは得意技

圭さんはニューヨークのマンハッタンの20階建てのビルで暮らしている。ここはフォーダム大のロースクールの学生が寄宿する学生寮「マコマホンホール」だそうだ。

だが圭さんはこの絶景を眺める余裕はなさそうだ。何しろ勉強が大変で、ましてや奨学金をもらっているので落第するわけにはいかず、勉強漬けの日々だという。

それにこの寮の規則が厳しいと、「週刊文春」(9/20号)は書いている。

部屋を汚してはいけない。夜は他の部屋に聞こえるような声を出してはいけない。自分の部屋以外で酒を飲んではいけない。異性の客を部屋に入れてもいけないそうである。

したがって、学生生活から何かスキャンダルを探そうとしても無理だと思うのだが、週刊誌は火のないところでも煙を立たせるのは得意技である。週刊文春は「小室圭さん衝撃の外務省公電 消えた母親は『探す必要なし』」(10/4号)、さらに女性セブンも「小室圭さん(26)超VIP留学 中断帰国 眞子さま震える」(10/11号)という記事を出した。

■問題は「皇室が利用されている」という空気があること

圭さんがNYへ行って以来、母親は行方不明だそうだ。「文春」によれば、外務省が異例とも思える公電を、在NY日本国総領事館へ送ったというのだ。文面は、「貴館においては、特に積極的に米国関係当局に接触して、小室佳代さんの所在を把握する必要はない、と本省としては思量している」。

さらに、美智子妃殿下が「一番の問題は(小室さんに)皇室が利用されていると、国民の中で捉えられている空気があることだと思う」といったと、千代田関係者が話している。

これが事実なら、美智子さんは、圭さんに相当厳しい考えを持っているようだ。

「セブン」のほうは、圭さんは留学ビザを取得していなかったと報じている。財政能力証明書に必要な金額が提示できなかったからではないかというのである。そのため、10月末までには一時帰国するのではないかと、「セブン」は見ていた。

いまから振り返れば、これは事実ではない。小室さんは一時帰国しなかった。だが、この不確かな情報を「文春」が「小室圭さんアメリカ『不法滞在』疑惑」(10/18号)として追っている。

「セブン」の後追いだが、「文春」は「仮に、この報道が事実だとすれば」、圭さんは不法滞在になり、アメリカの移民法に抵触してしまうと、さらに話を広げる。「この疑惑が万が一事実なら」、眞子さんとの結婚にさらなる暗雲が立ち込めかねないと話を転がしていくのである。

■たまの息抜きもスキャンダルのようにしてしまう

週刊誌のよくやる手だ。まず、こんな疑惑があるらしいと、怪しげなものを持ち出し、その真偽を確かめもしないで、もしこれが事実だったとすれば大変なことだと読者を誘導し、それを“前提”にして起こる不都合なことを並べ立て、読者を「本当かもしれない」と思わせていく手法だ。

こういう記事は、始めと終わりだけ読めばいい。最後に、圭さんを支援している奥野総合法律事務所を通じて、彼に質問を投げると、本人から「まったくの事実無根。ビザはちゃんと取得している」という返事が来たと事務所から連絡があり、「留学の3年間、途中で帰ってくるという話も全然ない」と付け加えたそうだ。

マッチポンプ的記事作りとは、このことをいうのである。

「文春」(10/25号)は、圭さんのたまの息抜きも、スキャンダルのようにして報じる。

いわく「小室さん迫る11月危機、5人の美女とのNY飲み会動画」。圭さんを交えた飲み会がマンハッタンのエンパイヤ―ステートビル近くのコリアンタウンのレストランで開かれたそうだ。

■テーブルには1人の男性とアジア人や欧米人などの女性5人

私も一度行ったことがある「New Wonjo」という、炭火焼き肉のおいしい店。この時の圭さんの楽しげな様子を映した動画がSNSに上げられていたというのだ。

テーブルには1人の男性とアジア人や欧米人などの女性5人。この男性は圭さんではない。動画の後半部分で、グレーのジップアップジャージというカジュアルな格好で、携帯をいじりながら楽しそうにしている圭さんが映っている。

5人の美女は同級生たちなのだろう。これだけの話なのだが、ここから「文春」は、マスコミの目を避けていた圭さんの母親が2カ月ぶりに自宅に戻ったこと、眞子さんはいまだに圭さんとの結婚に強い意志を持っていることなどを書き連ねる。

そしていつものように、11月30日に誕生日を迎える秋篠宮が、少し前の会見でどのような発言をするのか注目されると結ぶ。

■秋篠宮家が「結婚一時金」の減額や辞退を考えている

「セブン」(11/1号)は、秋篠宮が「大嘗祭の公費支出を避けるべきではないか」と発言したことなどを取り上げ、そこからストーリーを作っている。

大嘗祭とは、天皇の即位後に初めて行われる新嘗祭(天皇が行う収穫祭)のことで、新天皇にとっての晴れの舞台だ。来年5月に皇太子が即位した後、11月14日、15日に予定されている。

政府は現時点では、「宮廷費」という皇室の公費でまかなうつもりだが、憲法で定める政教分離の原則から、宗教色の強い皇室祭祀は「内廷費」という天皇家の私的な生活費から支出すべきという意見も根強い。秋篠宮は、多額の公費支出を懸念し、約3億円という「内廷費」の範囲内で大嘗祭を行ったらどうかと、宮内庁幹部に話したという。

こうした発言の背景について「セブン」は、秋篠宮が眞子さんの結婚一時金の減額や辞退を考えているからではないか、という見方を紹介している。

■一時金の「問題」を騒ぎ立ててきたのはだれなのか

皇族の女性が一般の男性と結婚して皇族の身分を離れる場合、一時金が支払われる。限度額は皇室経済法によって定められており、2005年に結婚した紀宮(黒田清子さん)には1億5250万円が支給された。一時金には税金はかからないし、用途に明確な規定はない。

だが、この一時金がハードルになっているというのである。「セブン」は「皇室記者」のコメントとして「小室さんの母・佳代さんが抱える金銭トラブルや小室さんの留学資金に、税金が原資である一時金が充てられるのは、国民感情としては受け入れづらい」としている。

国民とは、どこの国民を指すのか。編集部の考えだと書くべきではないのか。

そして、これを大逆転するプランが「一時金辞退」だというのである。以下は「宮内庁関係者」の話。

「小室さんと眞子さまが話し合って“一時金1億5000万円はいりません”という意思を示したら、結婚への疑問の声は一気に沈静化するでしょう。それほどに純粋な愛情なのかと、小室さんの評価の潮目がガラリと変わると思います。“兄の門出”でも経費削減を訴えた秋篠宮さまですから、“娘の結婚”でも同様の主張をするのではないかと囁かれているわけです。ただ、明確な目的のある一時金の辞退を皇室経済会議がどう決めるかはわかりません。それでも、一度でも辞退の覚悟を表明すれば、国民の不信感を払拭するには充分でしょう」

お前たちメディアが騒ぎ立てているから、国民がそう思うようになったのではないのか。

■秋篠宮家=善、小室母子=悪という単純化した報道

「女性自身」(10/30号)は「秋篠宮ご一家に近い知人」のコメントとしてこう書いている。

「秋篠宮さまは、あくまでも眞子さまの圭さんと結婚したいというご意思を尊重されていました。ですからご婚約延期後も、眞子さまと圭さんの愛を認め続けていらしたのです。眞子さまにとっては“唯一の味方”ともいうべき存在でした。秋篠宮さまは小室家に対して『(結婚について)国民の理解を得るために記者会見を開いてはどうでしょうか』『借金トラブルを解消するために、相手と話し合ってはどうでしょうか』など、アドバイスをしたりと、温情をお見せになっていたのです。しかし小室さん親子は、そうしたアドバイスに耳を貸そうともせず、勝手にアメリカ留学を決めてしまいました。そのうえ、小室佳代さんは秋篠宮家に連絡もなく、自宅から姿を消してしまったのです」

こうした秋篠宮家=善、小室母子=悪という単純化した報道をうのみにして、軽率な行動に出た者までいたようだ。

「セブン」(10/18号)は、9月中旬に小室家が住んでいるマンションに、女性が“汚物”を投げ込んだ“事件”が起きていたと報じている。

■一方的ないい分を、何の検証もせずに週刊誌は報じ続けた

小室母子に反感を持っている人間の犯行かもしれないとにおわせているが、待ってほしい。小室母子がどんなに悪いことをしたというのか。いわれているのはただ一つだけである。母親の佳代さんが、昔、結婚しようと思って付き合っていた男性から、生活費や圭さんの入学や留学費用、合わせて約400万円を借りたが、その後返さないというものである。

だがこれも、彼女と結婚しようと思っていた男性が、別れてだいぶたってから、匿名で顔も出さずに語った一方的な話だけである。昨年、圭さんと眞子さんが婚約を発表した後に、「週刊女性」に語ったのだが、そこに、別れた女性への愛憎がからんでいなかったのか。

私の少ない経験からでも、一度愛した後、別れた男女には、複雑な感情が残るものである。他人以上に遠い存在にもなる。

佳代さん側は、当時、弁護士を通じて「贈与されたものだ」と主張している。それが、息子が皇族の女性と結婚しようというときに、蒸し返されたのである。

件の男性は、当時の彼女とのやりとりのメールまで週刊誌にさらして、彼女の非をいい募った。あまりにも一方的ないい分を、何の検証もせずに週刊誌は報じ続けたことで、美智子皇后や秋篠宮夫妻は、動かざるを得なくなったのであろう。

■四六時中メディアが追いかけて来る生活

私も、それぐらい返してしまえばいいのにとは思うが、週刊誌が大騒ぎしている最中に、男性と会ってカネを返せば、やはり借りていたのに、今頃になって返すとはと、火に油を注ぎかねない。

百歩譲って、彼女の側に多少の非があったとしても、夫に死なれ女手一つで息子を育ててきた女性に石を投げられるのだろうか。

母子の過ちといえるものは、ただそれだけである。夫の自殺や、嫁ぎ先の宗教問題まで次々に暴かれ、質問に答えないのはお前が悪いと、四六時中メディアが追いかけて来る生活は、母子の結びつきをさらに強めたこと、想像に難くない。

私が推測するに、眞子さんとも相談し話し合った末、弁護士資格を取るために留学すると決めたのではないか。秋篠宮夫妻には相談しないで決めたと批判されるが、圭さんはもともとそうした考えだったといわれているし、人生の重大事は、自分で決断するのが20代半ば過ぎの真っ当な青年ではないのか。

■これはまごうことなき「至上の愛」ではないか

主のいないマンションに、汚物を投げ入れるようなことがもしあったとしたら、それは、内容のなさをオーバーなタイトルで隠し、それを見た心無い人間が、中身も読まずに、小室母子はけしからんと思い違いをして、軽はずみな行動に出たのではないか。

そうだとすれば、メディアの責任は重い。

週刊誌のセンセーショナルな記事からも、大学生活をエンジョイし、学業に励む圭さんの姿が透けて見えてくる。彼には今の若者が見失ってしまった「たくましさ」と「すがすがしさ」があると思う。

これだけいわれのないバッシングを受けても、自分の道を信じて歩む、そんな姿勢に眞子さんも好意を持たれたのではないだろうか。

婚約延期が発表されてから8カ月がたつが、嵐のようなバッシングに耐え、2人が愛を貫こうとしているのなら、これはまごうことなき「至上の愛」であろう。

男親なら娘の幸せを願わないわけはない。私にも一人娘がいる。嫁に行く日が来なければいいとは思いつつ、早く幸せをつかんでもらいたいと願う複雑な父心。

娘・眞子さんの晴れ姿を見て、思い切り泣こうではないですか、秋篠宮さま。

(ジャーナリスト 元木 昌彦 写真=時事通信フォト)

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