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NTT澤田社長"ええ格好をしない"の仕事論

プレジデントオンライン / 2018年11月8日 9時15分

NTT社長 澤田 純氏

■人を中心に置き、「ローカル性」を尊重する

──印象に残っている仕事は。

【澤田】土木工学科出身なので最初は電柱や鉄蓋、マンホールなど所外設備の開発を担当し全国の鋳物メーカーを見学させていただいたり、支店の課長時代はクレームで月の3分の1は深夜に起こされて現場に駆け付けたり。米国では事務所の開設から取り組み、東京・渋谷で創業支援を手掛けたりもした。前任者がいない仕事が多かったので、思い切り取り組むことができた。

──前任者がおらず、多岐にわたる業務を手掛けられた秘訣は。

【澤田】まずどれだけ自分が知らないかを認識する。大阪弁で言うと「ええ格好をしない」。相手の話を聞き、なぜそういう構造になっているのかを調べ、計画を立てて変えていく。反発を受けることもあるがデータを集めて見える化し、例えば「全国や大阪平均と比べ我々の工事量はこの程度だ」と指摘すれば、みんなプロなのでどうすればトップになれるかと考えてくれる。前提として自分が責任をもって誠実に業務に取り組み、信頼を得なければうまくいかない。

──海外事業を推進していくためのポイントは何か。

【澤田】国を問わず、我々の一番の財産は人。デジタル化が進展する世の中でお客様のデジタル化を支援しながらも、最後の決め手は人になる。人を中心に置く考え方をベースにローカル性を尊重し、ローカルに多くの権限を持たせた運営をしていく。

──人を中心に置くとは、具体的にはどういうことか。

【澤田】エキスパート人材に来ていただき、定着率を高める構造にしなければいけない。マネジメント側が働き手にとってよい環境をつくる「働かせ方改革」が重要だ。経営者がコミュニケーションをとって考えを伝えつつ、社員をフェアに評価し尊敬しあえる仕事のプロセスをつくる必要がある。

■NTTの電話収入は9割から2割に変わった

──顧客のデジタル化を支援するB2B2Xモデルを推進するカギは。

【澤田】顧客に技術などを提供し「黒子」として共に成長する。クライアントファーストは当然だが、お客様の言う通りにやるだけではダメだ。自分たちの能力や商品力を磨き、市場で売れるものになってはじめて顧客に期待を持たれ、パートナーとして選んでいただける。

──NTTは「自己変革を加速し、『As Your Value Partner』へ」を掲げている。その思いは。

【澤田】私が入社した当時、NTTの電話収入は全体の9割を占めていたが現在は携帯を含め2割を切り、IPが3割、ITサービスが3割になった。経営環境が大きく変わっている。自己変革を加速しなければ顧客に選ばれ続けることができない。

▼社長への質問
1 出身高校
京都府立桂高等学校
2 長く在籍した部門
NTTコミュニケーションズ経営企画部長
3 座右の書
『西国立志編』
4 座右の銘
integrity(誠実)
5 趣味
散歩、読書、ラグビー観戦

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澤田 純(さわだ・じゅん)
NTT社長
1955年、大阪府生まれ。78年京都大学工学部卒、日本電信電話公社(現NTT)入社。2008年NTTコミュニケーションズ取締役、12年副社長。14年NTT副社長、16年NTTセキュリティ社長を経て現職。
 

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(NTT社長 澤田 純 構成=宮内 健 撮影=尾関裕士)

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