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優先度が低いのに重要なタスクの見つけ方

プレジデントオンライン / 2018年11月13日 9時15分

■重要度は人それぞれ、上司の価値観を知る

ハイブリッドコンサルティング代表の吉山勇樹氏は「段取り上手の人は優先順位の付け方が上手い」と言い、「緊急度」と「重要度」の2軸で仕事を分類する。吉山氏は優先順位を付けるときに、さらにそこから一歩踏み込む。

「私が以前、経営企画部で仕事をしていたとき、上司は法務畑出身で、コンプライアンスや機密保持など法令や契約に関する内容を重視するタイプでした。だから上司に新規取引の話をするときは、先回りして『もう機密保持契約は結んでいます』と報告していました。社内の仕事か、社外の仕事かという軸もあります」

仕事の重要度は人間関係や状況によって基準が変わってしまい、個々人の主観により差が出る場合があるので、上司や周囲との共通認識が構築できるように気を配りたい。

■懐に飛び込むための最初の一手の見つけ方

もう1つ、吉山氏が段取り上手になるために重要だと強調するのは「ゴール」の明確化だ。仕事をはじめる前にその目的や目標、期限といったゴールを必ず設定するのだ。

「PDCAサイクルではなく、最初にゴールを定めるGPDCAサイクルで仕事を考えることを提唱しています」

ゴールがはっきりしないまま見切り発車状態で仕事に取り掛かると、ムダな時間や労力を費やし、本当にやるべきことにリソースを割けなくなる。また、ゴール設定においても独りよがりでは上手くいかない。

「仕事に関わる人たちの間でゴールに対する共通認識を持つことが大切です。それがなければ次第に各人のゴールイメージにズレが出てきます。システム開発の最終段階でクライアントの要望と大きく違って後の祭りということはしばしば起こります」

そうして最終ゴールまでしっかりとたどり着くためには、ゴールに至るまでのプロセスを区切って、それぞれの段階でどう行動するかにまで落とし込む必要がある。

「営業が頑張って数字を上げますと張り切っても、具体的にどう行動するかが抜け落ちていることがよくあります。営業成績を上げるために、まず見込み客をリストアップする、次に魅力的なDMを作成するなど、一つ一つ、具体的な行動レベルをイメージすることが段取りの肝です」

写真=iStock.com/Jirsak

ゴールを設定したら必ず小さなステップを刻んで考えることが大事だ。そのとき意外に難しいのが一歩目の踏み出しだ。

吉山氏にも経験がある。ラスベガスで開かれている世界最大級のダンスミュージックフェスティバルのライセンスを取得し、日本に持ってくるプロジェクトを任されたときのこと。他の日本人もすでにオファーしていたが、上手くいっていなかった。

「周りからはディズニーランドを日本に持ってくるくらい困難だと言われました。それまで交渉した人たちは先方とビジネスライクに話を進めていたらしいのですが、私はビジネスの話を一切持ち出さず、好きなアーティストや音楽の話をしました」

すると先方は「今まで会ってきた日本人はすぐに契約の話をしたが、お前はオレたちが好きなアーティストや音楽の話をした。お前と組むことにする」と言ってくれて、トントン拍子に話が進んだという。相手が音楽を愛するクリエーター集団であることを意識し、最初の一歩を踏み出したことが成功につながった。

相手が何を大事にしているか、どんな嗜好性があるかを探り、自分との共通項を見つけ出すことも段取り上手に近づく大きな一歩なのだ。

▼ゴールまでの道のりを1つずつクリアしていく
目標を具体的な行動レベルに分解して落とし込み、1~5の順で遂行する
【1】リスト精査 ○ 過去実績の洗い出し
【2】電話によるアプローチ ○ ダイレクトメールの送付
【3】アポイント取得 ○ 初回訪問 ○ ニーズヒアリング
【4】提案内容の修正 ○ 見積書作成
【5】受注・契約
GOAL! 新規の顧客開拓

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吉山勇樹(よしやま・ゆうき)
ハイブリッドコンサルティング代表取締役CEO
年間200日を超える企業研修・業務改善・プロジェクトコンサルティングなどを行う。著書に『残業ゼロ! 仕事が3倍速くなるダンドリ仕事術』など多数。
 

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(Top Communication 写真=iStock.com)

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