マウンティングばかりする先輩の思考回路
プレジデントオンライン / 2019年1月12日 11時15分
■「悪いのはあいつだ。私には関係ない」
「私は慶応大学出身で――」「今年の俺の年収は1000万!」「社長に大型のプロジェクトを任されて――」
学歴、年収、仕事、持ち物など、どんな些細なことでも自慢し、相手より優位に立とうとする。そんな人に対してイライラし、嫌な気持ちになることはありませんか。このような振る舞いは一般に、「マウンティング」と呼ばれています。本来、サルなどの動物が集団の中で、優位性を誇示する行為を意味していましたが、近頃人間の言動にまで意味が広がって用いられるようになりました。
そもそもマウンティングをする人は、自分に自信がありません。そのため、自分よりも格下の人間をつくりだすことで、集団内での序列を少しでも高めて、上位にいるという安心感を得ようとします。しかし、この行為には決してゴールがありません。マウンティングで勝つことは、一時的な満足感を与えてくれるかもしれませんが、いくら相手を落としても、自分自身は変わりません。
ある意味では、このようなことで安心感を得ようとする感情の欠落した人々は、現代の情報社会、競争主義が生み出した時代の産物と言えます。言わば、現代社会とは情報処理の能力と勝ち負けだけが重視されるデジタル人間を生み出す時代なのです。そんな人々がはびこる社会は、自分や他人の気持ちを尊重する感情型の人間にとってはとても生きづらい時代だと言えます。
攻撃を繰り返す人々には、発達している脳の領域に次のような特徴があります。例えば、言語を司ると言われる左脳が発達しているタイプの人は、言葉巧みに他人を攻撃する話術に長けています。そのため議論は得意としますが、心情を察する能力に乏しくポジティブな関係性を生み出すような会話は不得手です。また50~60代に多い、生命維持機能を司る脳幹が発達しているタイプは、「勝つか負けるか」という二極化思考に囚われがちです。そのため、「できなければ降格させる」「上司の言うことに黙って従えばいい」などと直線的な表現を好みます。また「悪いのはあいつだ。私には関係ない」と自己防衛も徹底しています。
■自分を攻撃する人と、あえて目を合わせる
このような人々から逃れるためにはどうすればよいのか。マウンティングを行う人は、萎縮し、自信なく振る舞うあなたの姿から「コイツなら勝てる」と判断し攻撃をしかけます。したがって、まずは「自分なんて」という卑屈な気持ちを取り払いましょう。攻撃を受けても何食わぬ態度で過ごすこと。これが攻撃する人に対する最も重要な基本姿勢です。
言葉でやり返す必要はありません。波風を立てずに応じるためにまず実践してほしいのは、「相手の目を見ること」です。攻撃をしかけられたときには、何も言わずじっと相手の目を見つめてみましょう。あなたを攻撃する人の目は、実はあなたの頭頂部辺りを見ています。あなたが相手を苦手に感じるように、心の中では相手もあなたが苦手なのです。その状態であなたから目を合わされたら、相手は驚き、不気味に感じて話しかけづらくなります。果てのない争いに付き合う必要はありません。
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心理カウンセラー
心理相談研究所オールイズワン代表。『「とにかく優位に立ちたい人」を軽くかわすコツ』など著書多数。
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(心理カウンセラー 石原 加受子 文=プレジデント編集部 写真=iStock.com)
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