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KDDIはトヨタと「IoT世界基盤」を狙う

プレジデントオンライン / 2018年11月28日 9時15分

KDDI代表取締役社長 高橋 誠氏

第5世代移動通信システム「5G」や「IoT」で顧客体験価値を提供、スタートアップ企業にも200億円を投じるなど新たなビジネスモデルの構築を急ぐKDDI。社長に就任した高橋誠氏はこれまで主にコンテンツ事業や新規事業を担当。現在も経営戦略本部長を兼務し、現場で陣頭指揮を執る行動派だ。トヨタと進める「IoT世界基盤」の狙いとは――。

■ポイントは「足し算」でなく「かけ算」で考えること

――早くから社長候補の大本命と目されてきたが。

【高橋】歴代社長を見ても、モバイルインターネットの第3世代を小野寺(正・現相談役)、スマホの第4世代を田中(孝司・現会長)が担当しており、第5世代を牽引すべく社長を託されたのだと考えている。いずれの世代の導入にも携わった経験を活かしていきたい。

――今、一番優先順位の高い経営課題とは何か。

【高橋】通信とライフデザインの融合だ。通信を事業の軸に、通信以外のビジネスモデルを取り込んでいく。ポイントは「足し算」でなく「かけ算」で考えることだ。例えば、クルマに通信をかけ合わせれば、コネクティッドカーになり、新たな付加価値を生む。今後こうした「デジタルトランスフォーメーション」が全産業で進んでいく。我々はお客様のビジネスをいかに拡大するのか、そのためにどう通信を使っていただくのかという観点から取り組んでいく方針だ。

――ほかにも「IoT世界基盤」という考えを打ち出している。

【高橋】トヨタさんと進めていたグローバルなネットワークづくりから始まった話だ。お客様がIoTで海外進出する際、新たなネットワーク構築には大きな労力がいる。幸いにも、我々は多くの海外キャリアとよい関係にあり、我々と契約いただくことで、世界のネットワークと一挙に接続できる。また、IoTを使えば、今までワンショットで販売していたフロービジネスをストックビジネスに変えることもできる。そのための議論やプロトタイピングができる場として2018年夏に「KDDIデジタルゲート」を東京・虎ノ門に開設する予定だ。

――稲盛和夫氏(京セラ名誉会長)など、日本を代表する経営者から薫陶を受けてきた。

【高橋】京セラに入社したのが1984年。その年に設立された第二電電に出向した。当時の役員のプレゼンを聞いて「これならやってみたい」と思った。よく言われたのは、「競争がなければ、お客様のサービスは決してよくならない」ということ。実現のために、迷いなく歩んできた。その姿勢を教えてくれたのが稲盛氏だったと思う。

――今後の展開は。

【高橋】もともと私はエンターテインメントが好き。エンターテインメントはお客様の体験価値を表現する一番大事なものだ。これからもワクワクできる体験を提案し続けていきたい。

▼社長への質問
1 出身高校
滋賀県立膳所高等学校
2 長く在籍した部門
新規事業開発部門
3 最近読んだ本
『DIGITAL DISRUPTION』
4 座右の銘
三方よし
5 趣味
フルマラソン、登山、サイクリング

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高橋 誠(たかはし・まこと)
KDDI代表取締役社長
1961年、滋賀県生まれ。84年横浜国立大学工学部金属工学科卒業。84年京セラ入社。同年第二電電入社。2003年KDDI執行役員 ソリューション事業本部コンテンツ本部長兼コンテンツ企画部長、10年代表取締役執行役員専務、16年代表取締役執行役員副社長、18年4月代表取締役社長。

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(KDDI代表取締役社長 高橋 誠 構成=國貞文隆 撮影=大槻純一)

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