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"31期連続増収増益"ニトリの思わぬ誤算

プレジデントオンライン / 2019年1月9日 9時15分

写真=iStock.com/KatarzynaBialasiewicz

■「31期連続増収増益」ニトリの思わぬ誤算

家具販売大手のニトリが、2018年度の中間決算で過去最高益を記録。売上高は3016億9400万円と前年同期比6.3%増、純利益は379億5800万円で同8.3%増となった。

ニトリの強みは、製造から物流、販売まですべて自分たちでまかなう、いわば“製造物流小売り”とも言うべきスタイルにある。商品開発も、素材からメーカーと綿密に打ち合わせ、看板商品の冷感寝具「Nクール」シリーズなど、機能性の高い製品を打ち出してきた。

川上から川下まで管理することで、「お、ねだん以上。」のキャッチコピー通りにクオリティの高い商品を安く提供している。

競合するスウェーデン発祥の家具メーカーのイケアは、日本では苦戦しており、利益はほぼ出ていない。DIYの文化が根付いている欧州と違い、日本では配送から家具の組み立てまですべてやってほしいというニーズが強い。その点でもニトリは、配送・組み立てをグループ会社に一元化し、コスト管理を徹底している。

■ニトリの売り上げのうち、家具は4割程度

意外に思われるかもしれないが、ニトリの売り上げのうち、家具は4割程度。あとの6割は室内装飾全般のホームファッションが占めている。家具の市場規模は1兆数千億円程度だが、ホームファッションは3兆円以上。買い替えのスパンが長い家具に対し、ホームファッションは日常的に購入するものだからだ。

この分野でニトリは圧倒的に強く、他社の追随を許さない。国内では目立った競合相手もおらず、31期続いている増収増益は、今後も伸びる公算が高いだろう。

課題を挙げるならば、やはり海外事業だ。中国に進出して4年がたち、出店数を増やしているが、計画通りには進んでいない。現在は成長の踊り場にさしかかっているが、ユニクロや資生堂などもそうした時期を乗り越えて、現在は海外で莫大な収益を上げている。ニトリも同様に成功する可能性は十分あるだろう。

(ゴールドマン・サックス証券アナリスト 河野 祥 構成=衣谷 康)

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