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年収1500万以上の"日経電子版率"は23%

プレジデントオンライン / 2018年12月4日 9時15分

高所得者と低所得者の「ネットの使い方」にはどんな違いがあるのか。雑誌「プレジデント」では、年収1500万円と年収500万円のビジネスパーソン250人ずつにアンケートを実施。その違いを探った。第3回は「アプリ&お金」について――。(全4回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年7月17日号)の掲載記事を再編集したものです。

アプリ編
インストール状況で仕事レベルから性格まで判明

まず、目につくのはニュース系のアプリの使用率の違いだ(図1)。総じて高年収層の活用が高いが、特に日本経済新聞電子版の使用率の差が大きい。

「ビジネスのベースとなる経済情報を押さえるために、スマホでさっと日経を流し読みするという高年収層が多いのでしょう。それにしてもこれほどまで差が出るというのは驚きです」

ニュース系と同様に、高年収層の活用が多く見られたのが、地図・移動系アプリだ(図2)。

「私の知る高年収層の間で評価が高い全国タクシー(現在のサービス名は「JapanTaxi」)は、事前にカード情報を登録すれば、乗車賃を決済できるアプリです。支払いに時間がかからないだけではなく、運転手に評価を返せる点も魅力です。高年収層はサービスがよくても悪くても、フィードバックを行いたくなる性質があります。そのためか、全国タクシーの運転手さんは運転が丁寧な気がします」

また、ネットワーク系アプリでインクルージョン・ジャパンの吉沢氏が着目するのは、Chromeの使用率の差だ(図3)。

「Chromeは機能的に優れたブラウザアプリですが、標準的には装備されておらず、自分で入れなければならない。その行動力の差の表れです」

中毒的に時間を費やすアプリの代表といえば、YouTubeだろう。やはり低年収層の使用率が高い(図4)。

「無限に時間を搾取するアプリの典型ですね。ゲームアプリも同様です。高年収層は時間管理意識が高いので、動画閲覧を意識的に控えているのではないでしょうか」

アプリの数については、高年収層、低年収層とも、0~5個と少ない人から、101個以上と多い人まで、ばらつきが見られた(図5)。

「数が多い人は、何でも試してみるというスタンスなのでしょう。アプリはアイデアの塊なので、使ってみたら、何かよいヒントが見つかるかもしれません。逆に、高年収層で数が少ない人は、厳選しているのでしょう。高年収層の中には、極端に整理整頓が好きな人がいますし」

お金編
便利さを求めてネット決済! リスク管理も忘れずに

スマホのアプリ課金額では、若手高年収層に違いが見られた。低年収層や、40代以上の高年収層では、7~8割が無課金だが、若手高年収層では35%に留まる。逆に月額5万円以上課金は10%に上る(図6)。

「収入が違うため仕方ない面もありますが、やはり高年収層は『リスクは顧みずにとりあえず使ってみる』という行動特性が色濃く出ていると思いますね。私も月額で3万円くらいは使っています。価格が高いなと感じるアプリは、むしろ積極的に入れるようにしています。ダウンロードしている人が少ないからこそ、ほかの人が経験していない何かがある、そこで差が生まれるという考え方です。また『このアプリ、いいですよ』と、話題づくりにも使えます」

ネットショッピングの際の決済方法では、低年収層が現金払いを好む傾向が見られた(図7)。一方、ネットバンキングは、高年収層の約8割が利用しているが、若手低年収層では3割にも届かない(図8)。

「これは、金融取引をネットで行うことに対する意識の差が表れていると思います。ネットで手軽に決済や金融取引をすることに抵抗やリスクを感じる人も多いなか、高年収層は躊躇なく、むしろ隙間時間に利用できる便利さに魅力を感じて積極的に利用する傾向にあります」

ネットで頻繁に金融取引をするためか、パスワード管理についても高年収層と低年収層とでは意識の違いが見られる(図9)。

「最近、古いパスワードから連鎖して、すべてのパスワードを解読されるような事件がいくつか起きており、特に若手高年収層の間で警戒感が強いですね。それで、パスワードを定期的に変更したり、パスワードをデジタルやアプリを活用して管理したりという行動に出ているのだと思います。絶対外に出してはまずい情報なども、ネットを介してやりとりしていたりしますからね。高年収層にとって守るべきものは、お金だけではありません。情報流出による信用低下が最も怖いのです」

調査方法●編集部とマクロミルで実施。個人年収500万円未満250人、個人年収1500万円以上250人から回答を得た。調査日は2017年5月24~26日。

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吉沢康弘
インクルージョン・ジャパン 取締役
東京大学大学院工学系研究科修了。P&G、Human Value社を経て、ライフネット生命保険の立ち上げに参画。同社を経て、インクルージョン・ジャパンを創業。著書に『これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方』などがある。

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(ライター 衣谷 康 撮影=向井 渉)

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