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ゴミの出し方を見張るボスキャラ退治法

プレジデントオンライン / 2018年11月24日 11時15分

写真=iStock.com/Highwaystarz-Photography

対人関係で悩んだときに、どんな解決策をとればいいのか。評論家の佐々木常夫氏と哲学者の岸見一郎氏。2人の達人に、5つの「場面別」でアドバイスを求めた。第5回は「ご近所から妬まれた」について――。(全5回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年3月20日号)の掲載記事を再編集したものです。

【QUESTION】ご近所から妬まれた

佐々木の答え:「郷に入れば郷に従え」でトラブルを回避

■いい企業に勤める人ほど苦手な分野

ご近所や子どもの学校・保育園の保護者同士の関係など、仕事以外の人間関係においては、誤解が生まれやすいものです。会社の仕事仲間と違って、長い時間を一緒に過ごしているわけではなく、自分のごく一部しか見てもらっていないからです。

だからご近所の方とは、仕事先の人以上に、フランクに自分をさらけ出すように付き合うほうが身のため。また誤解が生まれたときも、いたずらに自分を擁護しようとするのではなく、まして相手を責めるのでもなく、素直な気持ちで丁寧な説明を心がける。それでも曲解して妬み続けるなら、諦めるしかありません。

私が見る限り、いい企業に勤めている人ほどご近所との付き合いが下手です。仕事のうえでは役職や勤務先の知名度で簡単に上下が決まります。しかしそれをご近所付き合いに持ち込むと、手痛いしっぺ返しを食らう。「郷に入れば郷に従え」という基本がわかっていない人は、恨みや妬みを買いやすい。

ある地域のマンション管理組合に関わっていたことがあるのですが、そこの様子を見ていると、一流企業の部長ぐらいまでいった男性は本当にダメ。「オレはこう考える」と上から目線で力を誇示しようとして顰蹙を買っていました。企業組織の論理を地域コミュニティに持ち込んだら必ず疎まれます。マンション管理組合のような住民組織でリーダーシップを発揮できるのは、人の話をよく聞いて、周りの人たちの力を引き出せる人。そういう人には皆協力したくなるものです。

「フランクに自分をさらけ出して付き合おう」

岸見の答え:近所のボスキャラをないがしろにしない

■屈折した承認欲求の強い人の対処法

私の生まれ育った京都では、たとえば朝、近所の人に会って「今日はどちらへ?」と聞かれても、正直に「仕事で大阪まで」などと答える必要はありません。「ちょっと」とだけいって、それでおしまい。適度な距離感を保って、お互いに深く介入しないで済むよう工夫している京都人の知恵なのです。こうして、ご近所付き合いはこの程度まで、と自分で決めておくとお互いラクになる。それ以上に立ち入ってくる人は、シャットアウトしてしまいます。

京都人の絶妙な距離感に学ぼう。(PIXTA=写真)

ご近所のルールの中には、ゴミの出し方ひとつとっても、過剰なほど厳格に定められていることもある。しかもボス的な存在感を醸し出しているオバサマ(オジサマ)が、ゴミの出し方を見張っていたりするから恐ろしい。ボスキャラをないがしろにすると、いわれのない風評を立てられたり、妬みを買ったりして面倒なことになります。そんな人には、「おかげで、ゴミが散らからないで済んで助かっています」などといってみる。重箱の隅をつつくようなルールに拘泥して威張っている人は、屈折した承認欲求の強い人が多い。感謝の意を伝えておきましょう。

「ご近所とはビジネスライクに関わるのがいい」

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佐々木常夫
佐々木マネージメント・リサーチ代表
1944年生まれ。69年、東京大学経済学部卒業後、東レに入社。2001年に同期トップで取締役に。03年、東レ経営研究所社長に就任。10年より現職。
 

岸見一郎
哲学者
1956年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。京都聖カタリナ高校看護専攻科非常勤講師。共著書『嫌われる勇気』は155万部のベストセラーに。
 

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(佐々木マネージメント・リサーチ代表 佐々木 常夫、哲学者 岸見 一郎 構成=小島和子 撮影=大沢尚芳、森本真哉 写真=PIXTA、iStock.com)

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