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高年収家庭は、子供もネットを自由に使う

プレジデントオンライン / 2018年12月20日 9時15分

高所得者と低所得者の「ネットの使い方」にはどんな違いがあるのか。雑誌「プレジデント」では、年収1500万円と年収500万円のビジネスパーソン250人ずつにアンケートを実施。その違いを探った。第4回は「自己研鑽&プライベート」について――。(全4回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年7月17日号)の掲載記事を再編集したものです。

自己研鑽編
高年収層は費用対効果の大きさを知り、使い尽くす

ニュースソースの入手先については、新聞やネット上で有料の情報をとっているかどうかで差が出た(図1)。有料のニュースサイトから情報を得ている低年収層は0.4%だが、高年収層は1割を超える。新聞の有料のデジタル版では、その差がさらに大きくなる。

「無料のニュースサイトで、専門的な深い記事を読もうというのは無理があります。高年収層は、本当に質の高い情報は、少なくとも有料でないと得られないと、経験上知っているのでしょうね」

電子書籍の購読経験でも、若手低年収層の74.5%が「購読したことはない」と回答。逆に、若手高年収層では、「よく購読している」が41.7%に上る(図2)。

「紙の書籍と電子書籍は、用途が違います。私の場合、読み込みたい本は線を引いて書き込むため、紙の書籍のほうがいい。逆に、マンガなどは巻数をそろえるとかさばるので、スペースをとらない電子書籍はメリットも大きい。高年収層は、紙とデジタルをうまく使い分けている人が多いように思います」

インターネットを介しての語学の有料学習について聞いたところ、若手高年収層から、その半数が経験ありという回答を得られた(図3)。

「高年収層は、学ぶべきものがそこにあるならコストはいとわないですね。特にネットだと移動時間や空いた時間に勉強することができますし、仲間内でも『あのアプリ、使えるよ』と情報をシェアしますから。そして、そのときの反応としては、『よし、今入れてみよう』という場合がほとんどです」

「インターネット上で有料コンテンツ配信サービスを使って自分のコンテンツを販売したことがある」という人も、若手高年収層では12.5%に上った(図4)。これは有料メルマガの配信などが多いと推測される。

高年収層は、有益な情報には対価が必要なことを、入手する際にも発信する際にも意識しているのだろう。

プライベート編
高年収のほうが自分も子供もネットを自由に使う

“スマホ育児”という言葉があるが、子供がネットに熱中することは、世間ではあまり肯定的には捉えられていない。しかし、若手高年収層では半数以上が子供に自由に利用させている(図5)。

「これからの時代、ネットは当たり前に使っていくものなので、むしろ早いうちから触れさせておこうという意識が働いているのだと思います。子供と私たち親世代とではネットの使い方が全然違う。親の感覚を押し付けるより好きにさせたほうが、子供のクリエーティブな部分を刺激するということをわかっているのだと思います」

逆に若手低年収層では自由に利用させている人は皆無。利用させていないか、制限をかけているかのどちらかだ。これは、子供の頃にゲームなどの時間を親から制限された経験から、自分の子供にも同じことをしていると考えられる。

一方、大人はどうだろうか。

「高年収層のほうがApple WatchやポケモンGOの利用率が高いのは、やはり新しいものに対する感度がよい表れでしょう(図6・7)。特にポケモンGOはリリース時、私の知る高年収層は若い人から年配の大企業の会長まで、みんな熱中していました。なぜ海外で大人気になっているのか、どこが魅力なのか、やってみないとわからない。そこを体感しようとする意欲や柔軟性が違うところですね」

Amazon Prime Nowなどネット宅配サービスも、高年収層の利用率が高い(図8)。

「知人の女性役員は、残業で帰宅できないと、会社からUberEATSを使って子供の晩ご飯の宅配を注文しています。決済まで完了するので、家で待つ子供は受け取るだけ。このように高年収層は、新しいサービスをいち早く試し、自分のライフスタイルに合った方法で使いこなしています。変化が速い現代において、人と同じことをやっていては差別化できないということを誰よりもわかっている。それがこの調査で、かなり明確になったように思います」

調査方法●編集部とマクロミルで実施。個人年収500万円未満250人、個人年収1500万円以上250人から回答を得た。調査日は2017年5月24~26日。

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吉沢康弘
インクルージョン・ジャパン 取締役
東京大学大学院工学系研究科修了。P&G、Human Value社を経て、ライフネット生命保険の立ち上げに参画。同社を経て、インクルージョン・ジャパンを創業。著書に『これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方』などがある。

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(ライター 衣谷 康 図版作成=大橋昭一 撮影=向井 渉)

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