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メールが早い人は挨拶を辞書登録している

プレジデントオンライン / 2018年12月3日 9時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/domin_domin)

メール処理が早い人は、どこが違うのか。外資系コンサルティング会社出身の清水久三子氏は、「タイピングを早くするには限界がある。メール処理が早い人は、文章をあらかじめ辞書登録している」という。具体的な方法を紹介しよう――。

■1日平均200通のメールをどう処理するか

みなさんは1日に何通のメールを処理していますか? 筆者に届くメールの量は1日平均200通です。そのうち、返答の必要があるメールが50通だとした場合、1通3分で処理していたら2時間を超えてしまいます。自分が発信する分もあるため、1~2分以下にしなければ、メール処理だけで仕事時間の多くがとられてしまうのです。

増え続けるメールをスピーディーに処理するためには、「インプット」「プロセス」「アウトプット」という3つの観点で考えるとよいでしょう。「インプット」は受信したメールの仕分けと処理時間を決める工夫、「プロセス」はメールを書くスピードをあげる工夫、「アウトプット」は相手に依頼したことを受け入れてもらいやすくしたり、すぐに返事をもらえるようにしたりする工夫です。それぞれ何をするのかご紹介します。

■インプット:自動振り分けをし、処理する時間を決める

インプットでは自動振り分け機能を使って、メールの仕分けを行います。発信者やタイトルのキーワードなどでフィルターを設定して、決められたフォルダに入るようにするのです。

受信トレイに表示させずに直接フォルダに保存することもできます。自分でいちいちタイトルや内容を見てフォルダに仕分けるのは、存外に時間がかかります。これによって、優先順位の高いメールから処理できるのです。チームで仕事をしている場合には、タイトルにプロジェクト名をつけるなど、あらかじめ「命名規則」を作っておくとよいでしょう。

また、五月雨式に着信するメールを都度処理するのは、効率的ではありません。1日のうちでメールを処理する時間帯を「午前と午後で20分ずつ」などのように、決めておくとよいでしょう。パソコンで仕事をしている時にポップアップの受信通知があると集中力がそがれるため、通知はオフにしておき、決めた時間にまとめて処理をする方が効率的です。

それでもメールが気になってしまう方は、決められた時間以外はメールソフトを立ち上げないという手もあります。本当に即時レスポンスが必要なものはごくわずかです。1日に2回チェックすればその日のうちにレスポンスできるので、十分ではないでしょうか。

■プロセス:ユーザー辞書を使いこなして入力をスピードアップ

タイピングの入力を早くするには限界があります。そこで便利なのが辞書登録です。自分がよく使う言葉や文をユーザー辞書に登録しておくのです。

例えば、「プレジデント社」という社名を「ぷ」という読みで登録しておくと、一文字打つだけで入力ができます。他にも人名、商品名、部署名、住所、電話番号、メールアドレスなど、頻繁に入力する言葉は一度全部登録しておくと文章を打つのが楽になり、ミスも防げます。お客様の名前や社名などは、間違うと時短どころか失礼に当たりますので、最初に登録しておくとよいでしょう。

さらに時短になるのは、文章を登録しておくことです。「お世話になっております。◯◯です」「よろしくお願いいたします」「ありがとうございます」などを毎回入力するのは非効率です。

例をあげると、私は「よろ」という読み方で

・よろしくお願いします。
・よろしくお願いいたします。
・よろしくお願い申し上げます。
・何卒よろしくお願い申し上げます。
・引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
・今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

という6パターンを登録しており、変換キーで選べるようにしています。相手の方や内容のフォーマル度に合わせて、表現を変える手間が省けるわけです。スマートフォンでメールを書く時には特に便利です。スマートフォンはキーボードが打ちにくく、画面も小さいので誤字脱字に気がつきにくいからです。ビジネスメールは定型文が多いので、思いのほか効率が上がり、正確性も増します。

■プロセス:メールの処理ルールを決める

プロセス効率を上げる2つ目のコツは処理ルールを決めることです。「要対応」と「処理完了」のメールが受信トレイに混在していると作業効率が悪いからです。例えば「完了フォルダ」を作っておいて、以下のように処理ルールを決めると、受信トレイには要対応のものだけが残り、処理しやすくなります。

・見るだけでいいメールは、そのまま「完了フォルダ」へ
・すぐに返信が必要なメールは、メールを返信して「完了フォルダ」へ
・添付ファイルが重要なメールは、ファイルをパソコンに保存して「完了フォルダ」へ
・送信者からの指示があるメールは、指示をTo-Doリストに記入して「完了フォルダ」へ
・予定の連絡メールは、予定をカレンダーに転記して「完了フォルダ」へ
・あとで返信が必要なメールは、履歴付きの返信メールを作成→「下書き」へ

「完了フォルダ」以外にもフォルダを作って分けてもよいですが、あまり細かく分類しすぎると処理時間が余計にかかるため、2~3つくらいにしておいた方がいいでしょう。最近のメールソフトは検索機能もよくなってきているので、後から見つけるのも簡単ですので、あまり詳細なフォルダ管理はおすすめではありません。

■アウトプット:すぐに対応してもらう工夫をする

メールは送ったらおしまいではなく、自分が依頼したことに相手がきちんと対応したところで、完了となります。自分から何かを依頼するメールは、相手に早く動いてもらったり、返信を早くもらえたりする工夫をすることが重要です。

例えばスケジュール調整のメールであれば、「ご都合よい日程をお知らせください」よりも、いくつか選択肢を提示して「以下の3つの日程でご都合がつく日をお知らせください。3つともNGであれば候補日程をお願いします」の方が早く対応してもらいやすいでしょう。

特に多忙な人が相手の場合には、相手は膨大な量のメールを受け取るため、なかなか回答がもらえず仕事が進みにくくなることがあります。こちらから候補を出すのは気がひける……と思うかもしれませんが、選択肢やYes/Noで回答できるメールは相手が返信をする負担を減らすことができるのです。「忙しい相手が一言で返信できるかどうか」という基準でメールを書いてみましょう。

■アウトプット:クッション言葉で「不快」を防止

また、メールは便利なツールですがリスクもあります。「ビジネスメール実態調査2018」(一般社団法人日本ビジネスメール協会)によると、過去一年間に仕事でメールを受け取り、不快に感じたことが「よくある」(3.12%)と「たまにある」(37.23%)と回答した人の合計が40.35%で、4割を超える人が不快に感じたことがあるそうです。

不快に思った人でそれを指摘したことがある人は2割程度。自分が相手を不快にさせていたとしても、指摘されずに気づいていないこともありえます。手短に要件を……と伝えたつもりが、失礼だと捉えられているかもしれません。そんなときには言葉の衝撃を和らげるクッション言葉を入れるといいでしょう。クッション言葉には以下のようなものがあります。

依頼する場合
「恐れ入りますが」「申し訳ございませんが」「誠に勝手なお願いですが」「お手数をおかけしますが」「こちらの都合で恐縮ですが」「ご多忙とは重々承知しておりますが」「お使い立てして申し訳ございませんが」「ご都合が許せば」

質問・確認する場合
「失礼ですが」「差し支えなければ」「ぶしつけなことをおうかがいしますが」
「間違いがあってはいけないので確認させてください」「既にご存じかもしれませんが」

督促する場合
「こちらの手違いかもしれませんが」「既に着手いただいているかもしれませんが」
「再三のご連絡、ご容赦くださいませ」「ご無理を申し上げていることは重々承知しておりますが」

断る・異論を唱える場合
「申し訳ございませんが」「残念ですが」「僭越ながら」「あいにくではございますが」「申し上げにくいのですが」「心苦しいのですが」「せっかくのお話ですが」「ご配慮いただき恐縮ですが」「身に余るお言葉ですが」「ご期待に添えず申し訳ございませんが」「お役に立てず申し訳ありませんが」

クッション言葉も辞書登録しておけば、入力も簡単です。相手に確実に受け入れてもらうための工夫として、メールで取り入れてみてください。

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清水久三子(しみず・くみこ)
株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長
お茶の水女子大学卒業。大手アパレル企業を経て、98年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。新規事業戦略立案、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー、IBM研修部門リーダーを経て、2013年独立。『プロの学び方』『プロの課題設定力』『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一流の学び方』『外資系コンサル流・「残業だらけ職場」の劇的改善術』など著書多数。http://andcreate-official.com/

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(株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長 清水 久三子 写真=iStock.com)

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