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国会議員 早大卒が減り慶大卒増えた理由

プレジデントオンライン / 2019年1月10日 9時15分

Getty Images=写真

各ジャンルで「学歴」はどんな影響を及ぼしているのか。今回、それぞれのジャンルで強い大学を徹底調査した。第5回は「国会議員・知事」について――。

※本稿は、「プレジデント」(2018年10月1日号)の特集「高校・大学 実力激変マップ」の掲載記事を再編集したものです。

■早稲田は党を超えた人脈を形成

東京大学出身の国会議員が多いのは今も昔も変わりません。25年以上、東大卒の国会議員の数は130人程度を維持しています。なかでも法学部出身者は84人とダントツ。東大法学部を出て官僚になって、地元から出馬。これが1つの「王道」といえます。

自民党では山下貴司議員、山田美樹議員、鈴木憲和議員などが東大法学部出身の官僚型。野党では、国民民主党の玉木雄一郎共同代表もそうです。

世襲議員で東大出身者は、自民党最大派閥会長の細田博之議員がいますが、あくまでも少数派です。

最近の特徴は「早慶」の逆転。現在の国会議員の出身大学は東大に続き、慶應義塾(76人)、早稲田(72人)が多い。30年前だと、早稲田約75人、慶應約45人でした。つまり、慶應が猛烈に増えています。

慶應出身者は世襲議員が目立ちます。橋本龍太郎元総理や、小沢一郎議員、石破茂議員、竹下亘議員ら。以前は多くが世襲議員でした。しかし、最近では、長妻昭議員、長島昭久議員、松沢成文議員、大塚拓議員などのように、少しずつ非世襲議員が増えたことで慶應の全体数を押し上げました。

対して、早稲田出身の国会議員には、渡部恒三元議員、森喜朗元総理をはじめ、野田佳彦前総理、下村博文議員、松野博一議員など。在学中は雄弁会などに属し、卒業後、松下政経塾、地方議員を経験し、議員になるという「泥臭い」ルートです。早稲田出身議員の同窓会では辻元清美議員が、渡部・森両御大に挟まれて「都の西北」を歌う。党を超えた人脈ができています。

中央大学出身者も減り気味です。名門である法学部で弁護士になって親の跡を継いだのが、ともに2017年に引退した高村正彦元議員、保岡興治元議員ら。キャンパスが都心にあったときは、法学部以外にも経済学部などで親の手伝いをしながら通っていた世襲議員も多かったのですが、八王子市に移転したためか、昔に比べて人気は落ちました。それでも6位にランクインしています。

前原誠司元民主党代表をはじめ、京都大学出身者も国会議員中33人と一定の割合を占めます。川端達夫前衆院副議長のように、工学部を出て民間企業に勤めた人もいます。

創価大学出身者は16人います。公明党の支持母体である創価学会が設立した大学で、北側一雄議員のような司法試験合格者が4人、公認会計士合格者が2人います。資格を持っている人が、候補者として選抜されやすいということなのかもしれません。

知事に目を向けると、東大・官僚出身者が圧倒的。なかでも自治省(現・総務省)から知事になるのが黄金ルート。兵庫県の井戸敏三知事や富山県の石井隆一知事など、9人もいます。

長野県の阿部守一知事は東京生まれ、東大卒ですが、当時の田中康夫長野県知事に請われて副知事を務めていた縁で後継者として白羽の矢が立ちました。このように地元ではなく、自治官僚としての赴任先で、副知事になり知事を支え、そのまま後継者に担がれる場合もあります。福島県知事の内堀雅雄知事(長野県出身)もそうです。

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宮崎信行
政治ジャーナリスト
1995年、早稲田大学政治経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社し、政治部配属。2005年に退職し、07年に独立。
 

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■▼【図表】国会議員「出身大学ランキング」

(政治ジャーナリスト 宮崎 信行 構成=伊藤達也 撮影=奥谷 仁 編集協力=山本かずや 写真=Getty Images)

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