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"グズな人"ほど車や腕時計を欲しがるワケ

プレジデントオンライン / 2018年12月22日 11時15分

写真=iStock.com/SIphotography

「すぐやれ」と言われるけれど、じっくり取り組むことの良さはないのか……。疑問に思う人にこそ読んでほしい。すぐやる人、グズな人、500人のアンケート調査から、予想外の結果が出た――。

■格上の猛者たちを出し抜く唯一の手段

すぐに取りかかる人と、後回しにする人。普段の生活や人生で、どれだけ差がつくのだろうか。

両者の違いを調べるために、アンケート調査を実施。「仕事や勉強などで、やらなくてはいけないと思いながら手をつけられないことはありますか?」という質問に、「ほとんどない」と回答した人を“すぐやる人”、「よくある」「ときどきある」「あまりない」と回答した人を“グズな人”と定義して、「時間」「お金」「恋愛」「幸福度」の4つの観点から検証してみた。

アンケート結果は、UIEvolutionのCEO、中島聡氏が分析。中島氏は米マイクロソフト本社勤務時代にWindows95の開発に携わった名プログラマーだ。世界を席巻するOSを開発できたのは、誰よりもすぐやることにこだわったからだという。

「29歳でマイクロソフトの日本法人から移ったアメリカ本社には、私よりはるかに腕のいいプログラマーがゴロゴロいました。彼らを出し抜くには時間を最大限効率的に使うしかなかった」

はたして、すぐやる人はどのような働き方やライフスタイルをしているのか。早速チェックしていこう。

【時間】
「ラストスパートで追い込む」は効率的なのか

■疲れを消し去る「18分」の昼寝

すぐやる人のほうが残業や休日出勤は少なかった(Q1、2)。なぜか?

「すぐやる人は、自分でコントロール可能なものはできるだけコントロールしようと考えます。それは時間も同じ。プロジェクトの初期はまだ時間をコントロールしやすいので、すぐ手をつけるわけです。一方、ラストスパートで一気に仕上げようとする人ほど、コンディションが悪いのに働かなくてはいけない場面が出てくるなど、追い込まれて時間のコントロールが利かなくなります。そうなると仕事の効率も落ちる」

すぐやる人は一日の始まりも早く、4割が6時前に起きている(Q3)。

「私は毎朝4時半起き。朝は頭が冴えているので、クリエイティブな仕事を集中して片づけます。メールチェックは、その後。頭脳明晰な時間にメールを書くのは勿体ない」

朝早いと睡眠時間が足りなくなりそうだが、昼寝でカバーする手もある。すぐやる人は、15分程度の昼寝をする人が多かった(Q4)。

「午前中にフル稼働した脳をリフレッシュさせるために私も昼寝しています。私の場合、疲れをとるのに十分で、かつ起きたときにボーッとしない長さは18分でした」

【お金】
なぜ、優秀な人ほど物欲が少ないのか?

■グズな人は、余計な出費がかさむ

お金に関する質問では、興味深い結果が出た。一日に使う平均金額は、すぐやる人のほうがグズな人より少なかった(Q7)。

「グズな人は残業が多く、ストレスを抱えがちです。それを解消するためにお酒を飲んだり買い物をしたりして、余計な出費がかさんでいるのではないでしょうか」

物欲も、すぐやる人のほうが少なかった(Q8)。中島氏のビジネスパートナーにしても、物やお金が欲しくて働いている人は少ないという。

「優秀な人は、仕事そのものに価値を見出しています。だから仕事に前のめりで取り組めるのです。一方、自分の仕事に価値を感じていない人は、労働の対価としてお金や物を求め、もともと好きではないから気分が乗らずに手をつけるのも遅くなる」

すぐやる人は無駄遣いをせず物欲も少ないが、住居に関しては、すぐやる人のほうが広い家に住んでいる(Q9)。これはどうしてか。

「すぐやる人のほうが仕事はできるので、お金はついてきます。ただ、物欲がないので日々の浪費をしないし、ぜいたく品を買うこともない。使いみちがないので、家などの大きな買い物にお金が向かうのでしょう」

【恋愛】
もし「仕事と私、どちらが大事?」と言われたら……

■出会いも別れも、即断即決

すぐやる人は、恋愛面でも順調な様子がうかがえる。パートナーがいる人は、グズな人よりすぐやる人のほうが多かった(Q11)。

すぐやる人のほうが、パートナーに感謝の気持ちを伝える傾向があり(Q12)、家族、仕事、友人のうちで家族を最優先にする人の割合も高かった(Q13)。つまり、すぐやる人のほうがパートナーを大事にしていることになる。

「グズな人は毎日無駄な時間が多いから、パートナーに向ける時間がなくなり、結果として『仕事と私、どちらが大事なのか』と突きつけられてしまう。しかし、すぐやる人は時間に余裕があるから、仕事も家庭も同じように大切にできるのです」

興味深いのは、パートナーと出会い、交際に発展するまでの期間。すぐやる人は恋愛も即断即決。出会った日に交際を始める人が多い(Q14)。

「すぐやる人は手が早いというのは誤解です。交際まで発展するのに半年以上かかった人は、むしろすぐやる人のほうが多い。しかし、最初から恋愛対象として見ていた場合は、たしかに早い。仕事でも何でも保留が苦手で、ダメならダメで早くケリをつけたいと考えているのでしょう」

【幸福度】
パートナーに関しての不満は「ゼロ」

■マイペースだけど、親密な人間関係

現在幸せかと尋ねて「はい」と答えた人の割合は、すぐやる人のほうが高く、8割に達した(Q15)。

不満に感じているものを尋ねた質問でも、総じてグズな人のほうが不満を抱いていた(Q16)。なかでも注目は「恋愛」「結婚」「夫・妻」などパートナーに関する項目で、すぐやる人はゼロやそれに近い数字が並んでいる。恋愛編で見たようにすぐやる人はパートナーを大事にしているが、そのことが幸福感につながっているようだ。

相談相手についての質問では、一見相反するような結果が出た。相談相手がいる人はグズな人のほうが多いが、相談相手の人数を聞くと、すぐやる人のほうが多くなった(Q17)。

「すぐやる人は自分で時間をコントロールしたいタイプ。相談の必要が生じるまでは、何でもマイペースで進めたいのです。ただ、1人では無理と判断したときは、割り切って相談するのも早い。また、すぐやる人は仕事相手として信頼されやすく、自然に社内外につながりができていきます。実際に悩みを相談するかどうかは別にして、いざというときに頼りになる人脈を多く持っているのは、すぐやる人のほうでしょう」

▼つまり、すぐやる人とは何者なのか?

■「最初の2割の期間で、8割まで仕上げる」

すぐやる人は、すぐやるコツとして「目標を意識して逆算する」と答えた人が59.6%と最多で(Q19)、グズな人は原因として「やる気が出ない」と答えた人が62%と最多になった(Q20)。中島氏は、「どちらも危機感に関係」と指摘する。

「すぐやる人は全体を俯瞰していて、ラストスパート型だと万が一のとき破綻することがわかっています。その危機感からスタートダッシュをするのです。私の場合、最初の2割の期間で全体の8割まで仕上げます。プロジェクトが計画通りいかないことはあたりまえで、8割まで仕上げてやっと見えてくるものもあります。8割を2割の期間までに仕上げておけば、前提が誤っていたときにもやり直しが可能です」

一方、グズな人はどうか。

「グズな人は、プロジェクトは計画通りにいくものと信じています。危機感が足りないので、本当にお尻に火がつくまでやる気が出ない」

計画に対する考え方は、アクシデント発生時の反応にもあらわれている。仕事が予定通りに進まないとき、「仕方ない」と割り切る人はすぐやる人のほうが多く、ストレスが溜まる人は逆にグズな人のほうが多かった(Q21)。

すぐやる人は計画に過度な期待をせず、つねに柔軟な対応をしている。この世に完璧な計画はないと開き直ることが、すぐやる人になる第一歩かもしれない。

すぐやる人になれば、余剰時間が生まれ、そのことがあらゆる面でプラスに作用する。今回のアンケート結果からも、すぐやる人は「時間」「お金」「恋愛」のいずれにおいても勝ち組となり、幸せな人生を獲得するということがわかった。

概要●マクロミルの協力を経て実施 対象●ビジネスマン500人(20~60代、男女比5:5) 調査期間●2016年6月24~25日

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中島 聡
1985年、早稲田大学大学院理工学研究科修了。NTTの研究所を経て、86年マイクロソフトの日本法人に。89年米国マイクロソフトに異動。2000年米マイクロソフトを退社。UIEvolutionを設立。
 

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(ジャーナリスト 村上 敬 写真=iStock.com)

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