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がんになったら返さなくていい住宅ローン

プレジデントオンライン / 2018年12月23日 11時15分

写真=iStock.com/kokouu

医療費の負担を抑えるには、なにがポイントになるのか。「プレジデント」(2017年2月13日号)では11のテーマに応じて、専門家にアドバイスをもとめた。第9回は「疾病保障」について――。(第9回、全11回)

■団体信用生命保険の保険料は基本的に銀行が負担する

住宅ローンのように大金を借りるとき、誰しも、「万一のときは、返せるのだろうか」と不安を感じると思います。銀行で住宅ローンを借りるときは、ほとんどの銀行では団体信用生命保険への加入を条件にしていますので、ローン契約者が死亡したり、高度障害になった場合は、その保険で残りのローンが相殺されますから、その後の返済はなくなります。団体信用生命保険の保険料は基本的に銀行が負担するので、ローン契約者が別途支払う必要はありません。

問題は、病気になり働けなくなるケースです。

高度障害状態と認められない場合は、団体信用生命保険の対象外となり、ローンを支払い続けなくてはなりません。闘病生活にお金がかかるうえ、ローンの返済も重くのしかかってしまいます。

特にご主人が高収入で奥様が専業主婦の場合などは、急に生活レベルを変えたり、すぐに奥様が働きに出るのは難しいものです。万一、ご主人の体にトラブルがあって収入が減ると、とたんに家計が崩壊する恐れがあります。また、お子様が小さい場合などは、奥様は働くにも働けず、家計を支えるのは困難でしょう。

■金利に0.1~0.3%程度が上乗せされることが多い

このような状況への不安を緩和してくれるのが、住宅ローンにつける特約です。団体信用生命保険には三大疾病、七大疾病、八大疾病などの保障がつくものや、がんと診断された場合の保障がつくがん特約があります。対象となる病気になった場合、保険金が支払われ、住宅ローンの返済に充てられるというものです。

金利に0.1~0.3%程度が上乗せされることが多いのですが、闘病生活を余儀なくされたときには大きな助けになります。働けない状態になったときの公的保障が薄い自営業の方にも安心材料になるでしょう。

■ローン返済後は保障がなくなる点に要注意

分譲住宅や分譲マンションを購入するときは、流れに乗って勧められる金融機関の住宅ローンに加入するほうがスムーズですが、このような特約についてはあまり説明されないケースも多いようです。自分でもどんな特約がつけられるかを調べておくといいですね。

自分でローン契約をする銀行を選べるなら、じぶん銀行や住信SBIネット銀行なども選択肢に入れるとよいでしょう。ローン自体が比較的低金利で借りられるうえに、金利の上乗せなしでがんになったときにローン残金が50%になる特約(じぶん銀行)や、八大疾病で就業不能になったときに最大12カ月のローン返済額の保障があり、その状態が1年間続いた場合は住宅ローンの残高分がゼロになる特約(住信SBIネット銀行)などが無料でつけられます。

つけておけば安心感を得られる疾病特約ですが、デメリットもあります。それは、ローン返済後は保障がなくなる点。医療保険の代わりにはならないので注意が必要です。また、保障対象になるケースには細かく条件が設定されていることも理解しておくべきです。例えばがん特約の場合では、治療すればほとんど再発しない上皮内がんなどは、ほぼ保障の対象になりません。しかし、医療保険なら入院費や手術費などの保障は受けられます。

住宅ローンに特約をつけたから安心ではなく、一般の生命保険の保障内容も合わせてチェックし、見直しをするといいでしょう。その際、夫だけではなく、妻の保険も合わせて考えるといいですね。

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いざというとき心強いが、医療保険がわりにはならない

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伊藤加奈子
「あるじゃん」をはじめ数多くの媒体を立ち上げたメディアプロデューサー。ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)、All About貯蓄ガイドとしても活躍中。
 

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(メディアプロデューサー 伊藤 加奈子 構成=宇野アキラ 写真=iStock.com)

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