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"人生はフォークダンス"妻は代えてもいい

プレジデントオンライン / 2018年12月24日 11時15分

写真=iStock.com/monzenmachi

家庭や家計のことで悩んだときに、どんな解決策をとればいいのか。評論家の本田健氏とファイナンシャルプランナーの深野康彦氏。2人の達人に、5つの「場面別」でアドバイスを求めた。第3回は「妻と不和が続く」について――。(全5回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年3月20日号)の掲載記事を再編集したものです。

【QUESTION】妻と不和が続く

本田の答え:そもそも夫婦は、考えが合わないものである

■別れるかどうかは、「情」が決め手

「これからの20年、30年を、一緒に過ごしていきたいと思うかどうか」。真剣に考えてみて、「それは違う」と思ったら、別れるタイミングかもしれません。

最終的な決め手になるのは「情」だと思います。「情」とは、この人が大事だな、愛おしいなという気持ち。「ケンカはするけれど、ガンになったときは助けてあげたい」と思えるなら、まだ情が残っているということでしょう。

読者の方々は、結婚して十数年経っている方が多いと思います。これまで一緒に暮らしてきた十数年という年月は、それだけで大変な財産です。もし、奥さんに少しでも情が残っているならば、関係を続ける価値はあると思います。

そうはいってもボタンはかけ違っているので、関係を修復するには時間がかかります。ですが、もともと性格や価値観が一致する人は、世界中どこを探しても見つかりません。

たとえば中国でも、「私はキャンプが好きで、週末は自然の中にいたいのですが、旦那はキャンプが嫌いです。別れたほうがいいですか」という相談を受けました。でも価値観が違うからこそ、人はお互いに惹かれ合うものなのです。私の家では、私が旅行に行きたいタイプですが、妻は家にいたいタイプです。でも、だからといって、離婚しようとはなりません。一緒にいるコツは、「ここは譲れる・譲れない」というラインをきちんと明確にし、それをお互いで共有することです。

■年齢に応じて、生き方、考え方を変える

相手に対して情がないことが確信できたら、「別れる」という判断になります。これまでと大胆に生き方を変えることもできます。そもそも、こういう悩みが生まれるということは、「人生のOS」、つまり生きる仕組みをアップデートするいいタイミングだともいえます。子供がまだ幼い時期と、巣立った後とでは、親も生き方が大きく変わるものです。仕事との距離も、お金との距離もすべてそう。年齢を経て変わっていくものです。

25歳のままの考えでは、50歳を超えられない。年齢に応じて、生き方だけでなく、考え方も変える必要があります。

極端な話、「その時期に応じてパートナーを代える」という選択もあります。子育てをするパートナーと老後を共にするパートナーが同じでないといけない理由はないということです。

■気持ちに正直になって決めるといい

同じ人と暮らしたほうが、それまで一緒に培ってきた歴史が長い分、愛おしさ、思いやりの深さは上かもしれません。でも、関係に深さを求める人、新鮮さを求める人、何を求めるかは、人それぞれ違います。フォークダンスと一緒です。ずっと同じ人と踊り続けてもいいですが、常に理想のパートナーを求めて、相手をどんどん代えることもできます。

そこに、子供と離れ離れになる、生活費がかさむといった損得の話が出てきますが、人生にどれだけのリスクを取るかは、やはり人それぞれです。

すべてを失う危険を冒してでも、理想のパートナーを追い求めるか、「8割でOK」でよしとするか。自分が何を求めていて、どれだけのリスクを取れるのか、自分の気持ちに素直になって、決めたらいいと思います。

「子育て中と老後、同じパートナーである必要はない」

深野の答え:「一緒にご飯を食べる」から、始めましょう

■意思の疎通は話すことから

これは、かなり難しい問題ですね。ただ、「性格が合わない」というのは、「それが当たり前」だと考えたほうがいいかもしれません。完璧に性格が合うなんてケースは、「極めてまれ」なことだと思います。夫婦は多かれ少なかれ、価値観の違いを抱えているのが普通であり、そこをどうやって擦り合わせていくのかが、醍醐味ともいえます。難しいですけどね(笑)。

意思の疎通は過去の事例から見て、私が助言できることがあるとすれば、「できることからはじめる」ということに尽きます。歩み寄りの第一歩としてすべきことは、本当に些細なことでいいのです。

そのひとつが「一緒にご飯を食べる」こと。そんなのは当然だと思われるかもしれませんが、意外とできていないのが実情ではないでしょうか。食卓を囲めばお互いに無言ということはないでしょうし、子供の話や最近の出来事など、なんでもいいので、会話をしてみましょう。会話が少なければお互いを理解することもできませんし、価値観の違いを再認識する機会にも恵まれません。最近は食事の用意もしなくなったというのであれば、外食でもかまいません。仕事の接待と同じですよ。意思疎通は、まず話すことからはじまります。

■理解と感謝が関係修復のカギ

夫婦間の溝を埋めるには、「相手の立場に立って、物事を見直してみること」が重要です。

例えば、リタイアした後、ずっと家にいる場合。それまで朝食と夕食を自宅でとっていた男性は、昼食も奥さんの世話になろうと考えていませんか? 「そんなのは当然だ」と思ってはいけません。主婦の昼食は、絶好の息抜きタイム。昨日の残り物で手軽にすませたり、食欲がなければとらないこともあります。もちろん近所の人たちと楽しくお店でランチタイム、なんてこともあるわけです。今まで適当に楽しくすませてきたのに、夫のリタイアのせいで義務的作業が増えてしまう……考えただけでも、うんざりするのが当たり前ではないでしょうか。

せめて昼食ぐらいは、自分で何とかつくってみて、あるいは外食で我慢して、朝・夕、食事をつくる奥さんの苦労を理解してあげましょう。

近所への買い物でもゴミだしでも何でもいいので、一緒に行動するのも効果的です。行動をともにすれば、奥さんが普段何を考えているのか、なんとなくわかるはずですし、家庭のことを忙しく切り盛りしてきた奥さんの功績が浮き彫りになります。

そうしたら、あとは「感謝」です。きちんとした感謝の言葉を伝えてみましょう。夫婦の間の揉め事の大半は、「理解」と「感謝」で解決することなのです。

前述したとおり、ギクシャクした関係を修復するための秘訣は「できることからはじめる」ということです。何の前触れもなく、いきなりのスキンシップはご法度。「気持ち悪い」と思われるだけです。また、心情的なことだけでなく、「家計の再点検」など情報の共有化を進め、夫婦の今後について、具体的な青写真をつくることも大切です。とりわけお金の問題は、双方が「相手がやっているだろう」と勘違いして、2人とも全くやっていない、なんてことが多いので、老後のためにも、早めに話し合いをするといいでしょう。

それでも関係が元に戻らないとしたら……。そうなったら離婚を検討するしかないでしょうね。

「いきなりスキンシップは、ご法度」

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本田 健
『ユダヤ人大富豪の教え』(だいわ文庫)など著作は700万部を突破。近著に『運命をひらく 生き方上手 松下幸之助の教え』(PHP研究所)。
 

深野康彦
ファイナンシャルプランナー
1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。以後、金融資産運用設計を中心としたFP業務に研鑚。96年に独立。『これから生きていくために必要なお金の話を一緒にしよう!』(ダイヤモンド社)など編著、著書多数。
 

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(作家 本田 健、ファイナンシャルプランナー 深野 康彦 構成=田中 裕、東 雄介 写真=iStock.com)

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