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お墓を都心の新しい墓地に移す費用の相場

プレジデントオンライン / 2018年12月25日 9時15分

写真=iStock.com/ClaudineVM

■カギは菩提寺とお金、根拠ない「離檀料」

お墓を新しい墓地に移す「改葬」をする人が増えています。一番の理由は、都会で暮らし始め、遠く離れた実家のお墓参りが大変だというもの。お墓を継承する人がいなくなるので、遺骨を永代にわたり供養してくれる納骨堂に移したいという“墓終(はかじま)い”も多い。

改葬するには、まず新しい墓地にお墓を買う費用がかかります。一方で、元の墓は更地にして管理者に返すことになります。その費用は一基につき10万~20万円(一平方メートル)くらいが相場です。さらに元のお寺での閉眼法要費(お布施3万~5万円)や新しいお墓での開眼法要・納骨式費(同5万~10万円)などが必要になります。既存の墓地から遺骨を取り出す費用なども事前に石材店から見積もりをとることをお勧めします。

気をつけたいのは、改葬したい旨を田舎の菩提寺に伝えたところ拒否され、改葬手続きに不可欠な改葬証明書への署名・捺印を断られてしまう場合があること。お寺は檀家を失うことによる経済的な影響が大きいため、歓迎したくないのが本音です。改葬を承諾する対価として、なかには数百万円の法外な「離檀料」を住職から請求されたケースがあり、離檀料をめぐるトラブルは裁判沙汰になったこともあります。法的に離檀料を支払う必要はありませんが、お寺に改装を願い出るときは、急いで事務的に申し出ることは避け、早い段階で住職に相談しましょう。その際に、長い間、お墓の供養をしてもらったことへの感謝の気持ちを述べ、改葬の理由を誠意を持って伝え、自分が支払い可能だと思う金額をお布施として渡せばいいでしょう。

改葬するには新しい墓地を入手しなければなりません。「お墓を買う」とよくいいますが、正しくは「墓地の使用権を取得する」ことで、墓地の所有者から区画を借りて墓石を建て、故人を供養することです。

お墓を建てるのに必要な費用は、まず墓地区画を取得するための永代使用料。公営墓地と民営墓地では、一般的に公営のほうが安いが、都心の一部で高額なところがあります。お墓の一坪は畳の半畳が目安で、一般的に一坪単位で10万円以上、なかには1000万円を超えることもあります。また墓石建立(一般的に50万円前後から)の工事費がかかります。永代使用料のほかにも墓地を管理するための年間管理料が必要です。寺院墓地に入るためには、「入檀家志納金」を収めたり、寄付やお布施をして、お寺の運営を支える義務が生じます。しかし僧侶が回向してくれたり、法要も寺院でできるメリットがあります。

お墓の選び方としては、後継ぎがいらない「利用期限付き」永代供養墓を選択する人が増えています。十三回忌、あるいは三十三回忌までと利用期限が定められ、その後は多くの人と共有する合祀墓に移り、永代にわたり供養してもらうことができるお墓も選択肢の1つです。

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二村祐輔(ふたむら・ゆうすけ)
日本葬祭アカデミー教務研究室代表
1953年生まれ。95年日本葬祭アカデミーを創設後、マスコミで葬祭コメンテーターとして活躍中。(社)日本葬祭情報管理協議会代表理事。著書は『60歳からのエンディングノート入門』など多数。

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(日本葬祭アカデミー教務研究室代表 二村 祐輔 構成=吉田茂人 写真=iStock.com)

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