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TOEIC勉強 専門家の勉強法は全然ダメ

プレジデントオンライン / 2019年1月19日 11時15分

「TOEIC Listening & Reading Test 公式データ・資料」(国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC 公式サイト)より

TOEICの点数を上げるには、どんな学習が有効なのか。今回、6つのレベル別に「最短ルート」を識者に聞いた。第5回は「700点台」の学び方について――。

※本稿は、「プレジデント」(2017年4月17日号)の掲載記事を再編集したものです。

■弱点を見つけて、克服する

「TOEICはいつも平均点が500点台後半ですが、リピーターで非常に高い点数を出す人が多いので、彼らが常に平均点を引き上げているといえます。ということは、500点以下の人も多い。そう考えると、700点台の人は上のレベルと考えていい。基本的なことは十分できています。ここからは自分の弱点を見つけ、克服していく作業が必要でしょう」

さまざまなスクールで指導にあたる森田鉄也氏の皮膚感覚として、このレベルは、「英語力はあるが、TOEIC力、つまりテスト力がない人」「テスト力はあるが、英語力がない人」が混在しているという。

「会社で英語を使っていたり、元から英語がよくできている層もいれば、反対に、テスト対策は熱心にやってきてTOEICのことはよく知っているけど、使いこなす英語力はない人たちも。800点を目指すなら、英語力もテスト力も両方底上げが必要です」

だからこそ、自身の得手・不得手を明確に見極める必要があるわけだ。自分は、読んだり聞いたりすればなんとなく英語はわかるが、文法の知識が抜け落ちていないか。訳読は得意だが、ネーティブがしゃべるリスニングは聞き取れないことが多いか。改めて検証したい。

「そのためには、スコアシートに記載される『アビリティーズ・メジャード』をよく見て、不足しているスキルを見つけることが第一。文法と語彙が低いのなら、スコアを上げやすい分野なのでチャンスです。特に品詞の問題は難易度が低いので、補強するにはうってつけでしょう。逆に、文法と語彙でしっかり点が取れていて、トータルのスコアが低い人は、いわゆる受験英語は身についていますが、根本的な英語力を上げていく必要があります」

自分の弱点を把握したら、次にどのように実力の底上げをはかるべきか。森田氏は、肌に合う教材は人それぞれだと前置きしたうえで、インターネットの情報を鵜呑みにしないことが重要だと語る。

「面白いもので、TOEICには熱心な学習者や指導者が大勢います。彼らは情報発信にも熱心で、自身のスコアアップに役立ったという教材や学習法を積極的に紹介していますが、そうした情報にあまり惑わされないよう気をつけたいですね。なぜなら、彼らの多くは英語、もしくはTOEICというテストが心底好きで、ストイックに勉強し続けてきた上級者です。一日のうち多くの時間をTOEIC学習に割ける人かもしれません。一般のビジネスパーソンにとっては、彼らの勧める勉強法が必ずしも効果的だとはいえないのです」

■解答の根拠を、明確に

まず着手すべきは、公式本やTOEICを自ら受験し分析している著者の問題集をしっかり解いていくこと。そのときに必ず明確にしてほしいのが、一つ一つの問題に対しての「解答の根拠」だ。

「リスニングでもリーディングでも、どうしてこの問題はこの答えになるか、しっかり理由を捉える訓練をしてほしいです。このレベルの人たちがひとつ上の段階にいくには、なんとなくこの答え、と適当に選択肢を選ぶことがなくなるようにしたい」

学習の際には、付属の解説を見なくても人に教えられるぐらいまで理由を突き詰める。そうやって「なんとなく」をなくしていけば、スコアもトントン拍子に上がっていくのだと森田氏は明言する。

▼解答は、「なんとなく」で選んではいけません。
【現場の情報がデータベース】
TOEICに出る単語をフレーズで効率的に覚えられる。公式教材と、著者が受験直後に書き留めた情報がデータベース。「覚えている単語と覚えていない単語を仕分けして、後者だけを繰り返し勉強しましょう」。(写真左)TEX加藤著、朝日新聞出版、890円+税
【パート5をタイプ別に特訓しよう】
品詞問題、動詞問題、関係詞問題など、タイプ別に掲載。問題をシャッフルした小冊子も。「解答の根拠を見抜くことができたかどうか確認し、得意な問題、苦手な問題を知ろう」。(写真右)TEX加藤著、アスク、2300円+税

問題に取り組むと同時に、自分が好きなことで英語力をアップさせることも大事だ。

「例えば映画が好きな人なら、英語の映画やドラマに触れ、新たに出合った単語を覚えていくのもいいでしょう。自分が興味のあるジャンルを通して英語を学ぶのが理想的です。幸い、日本には英語学習者向けの雑誌もいくつかありますし、その気になればいくらでも英語に触れる機会は得られるはずです」

テスト力と英語力、どちらも大事。意識しながら800点を目指したい。

【興味のある分野を、海外の雑誌、英語雑誌で】
英語に関する情報を書いた雑誌、海外で発行されている雑誌などは内容を楽しみながら勉強できる。「週刊誌はやさしい英語で書いているものも多いので、まずは自分の興味のある記事を読んでみるとよいですね」(写真左)アルク、1400円+税、(写真中)朝日出版社、1148円+税、(写真右)朝日新聞出版、815円+税

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森田鉄也(もりた・てつや)
東進ハイスクール、河合塾、慶應義塾大学外国語教育センターなどで講師を務める。慶應義塾大学文学部卒業。東京大学大学院修了。アメリカ留学中に英語教授法TEFLを取得。著書に『TOEIC TEST 単語特急 新形式対策』(朝日新聞出版)、『TOEIC TEST必ず☆でる文法スピードマスター』(Jリサーチ出版)など。

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(フリーライター 友清 哲)

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