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別居の老親に会えないのは"親不孝"なのか

プレジデントオンライン / 2019年1月4日 11時15分

写真=iStock.com/Yagi-Studio

家庭や家計のことで悩んだときに、どんな解決策をとればいいのか。評論家の本田健氏とファイナンシャルプランナーの深野康彦氏。2人の達人に、5つの「場面別」でアドバイスを求めた。第5回は「別居の老親に親孝行できない」について――。(全5回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年3月20日号)の掲載記事を再編集したものです。

【QUESTION】別居の老親に親孝行できない

本田の答え:18歳で親子関係は終わり。以降は「友人」だと思いましょう

■1年に1回でも会えたらいい

毎週会いにいけないから親不孝かといったら、そういうものではありません。電話やメールもあるわけですし、「会わないといけない」という固定観念に縛られるのは不幸だと思います。

親子の関係は18歳ぐらいで切れるもの、そう思ったほうがお互いに健康的です。子供には育ててもらった恩があるけれど、親にも子供を育てる喜びがあったと思います。18歳以降は、お互いに独立した大人として、かつては一緒に時間を過ごした友人として、つながりを持ってみてはいかがでしょうか。

そこにあるのは友情ですから、もし、どちらか一方が近づきたいと思ったとしても、相手が嫌がったら成立しません。親子だからこうしなくちゃ、と考えるのは、「ご近所だから一緒にご飯を食べよう」というのと同じぐらい、一方的な捉え方ともいえます。

必要なのは友人としての礼儀だけです。その意味では、1年に1回でも会えたらいいと思います。それは1年に2回でも、3回でもいいでしょう。

親にも子にも、それぞれの人生と生活があるわけですから、「こうしなきゃいけない」と思うと、自分が不幸になってしまいます。親から「見舞いにきてほしい」「腰が痛い、肩が痛い」と連絡があっても「また言ってるな」と聞き流してもいいでしょう。なにを言われたとしても、自分の責任だと思わないことです。それが適度な友人関係、適度な距離だと思います。

「友人としての礼儀が果たせれば、OKです」

深野の答え:「一緒」が親孝行ではない。気にしていることが伝わればOK

■親孝行の満足は大きさではない

一緒にいることだけが親孝行ではありません。週に1本、電話をしてあげるだけで、ものすごい親孝行です。老人にとって一番きついのは孤独です。特にひとり親だと、誰かと会話をする機会が減りますから、週1本の電話がうれしいもの。難しかったら、誕生日に電話でもいい。メールで一言でもいい。親は「子供が自分を気にかけてくれる」と感じるだけで、とても喜ぶものです。

親孝行できないという悩みを持つ人は、「何もしていない自分」が嫌なんです。ほんの些細なことでもいいので何かしてあげれば、親不幸の罪悪感から逃れられます。親孝行の満足感は「大きさ」ではない。小さなことでもちょこちょこやっていれば、自分が美しく見えてきます。

親孝行のコツは「できることをできる範囲で」。地方には仕事が少ないので、親と遠距離になるのは仕方がないこと。無理に一緒に住む必要はありません。むしろ離れていたほうがいい関係が築けることも多い。向こうに行けないなら、切符を送ってこっちに来てもらってもいい。時代とともに親孝行の形も変わっています。柔軟に考えたらいいですよ。

「できることを、できる範囲で」

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本田 健
『ユダヤ人大富豪の教え』(だいわ文庫)など著作は700万部を突破。近著に『運命をひらく 生き方上手 松下幸之助の教え』(PHP研究所)。
 

深野康彦
ファイナンシャルプランナー
1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。以後、金融資産運用設計を中心としたFP業務に研鑚。96年に独立。『これから生きていくために必要なお金の話を一緒にしよう!』(ダイヤモンド社)など編著、著書多数。
 

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(作家 本田 健、ファイナンシャルプランナー 深野 康彦 構成=田中 裕、東 雄介 写真=iStock.com)

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