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とても役立つ「偏差値」の有効な使い方

プレジデントオンライン / 2019年3月8日 15時15分

■超簡単! こむずかしい偏差値をすぐに計算する方法

「偏差値」というと、高校や大学受験のときのイヤな記憶が思い出されるかもしれない。今なら自分の子どもの成績が気になるのではないか。日本では「偏差値=受験」というイメージが強く、どうしても拒否感がつきまとう。しかし、偏差値は使い方次第でとても役立つので、偏差値の出し方、その意味を知っておくと有用だ。

そもそも偏差値とはどういうものなのか。偏差値とは、あるグループのなかで、自分がどの位置にいるかを知るための数値だ。絶対的な点数とは異なり、ほかの参加者の数値によって変わる相対的なものである。

たとえば、あなたが営業で年間売上高○○万円を達成したとしよう。自分の過去最高実績で、上司にもほめられて気分は上々である。しかし、会社全体を見渡すと、もっと上の人間がいるし、下もいる。果たして自分は社内でどのくらいの位置にいるのか……。どうしても気になってくるのではないだろうか。

こんなときに有効なのが偏差値だ。偏差値を算出するのは、図のようにかなり面倒な計算が必要になる。そこで今回は、超簡単に偏差値(正確な偏差値ではなく、ほぼ偏差値に近い数値)を求める計算法をお教えする。

「偏差値=50+(個々の数値-平均値)÷2」

たったこれだけだ。社内の英語テストを例に考えてみよう。あなたは100点満点中90点を取った。高得点に満足げだ。では、偏差値はどうか。テストを受けた200人の平均値は80点。そうすると、「50+(90-80)÷2=55」で、あなたの偏差値は「55」となる。この数値をどう見るかだが、100点満点で90点ならば、もう少し高い偏差値でもいいのではと感じるかもしれない。

確かに、偏差値70以上がものすごく優秀だというのは、高校や大学受験を経験した人なら肌感覚で理解できるだろう。では、実際どれくらいすごいのか。

写真=iStock.com/blackred

大学入試センター試験のような多数の人が受けるテストの得点分布は、正規分布に近くなる。正規分布とは、左右対称の山のような形になっている分布のこと。偏差値は正規分布を前提にしており、偏差値50がちょうど真ん中(山の頂点)になる。そして、偏差値60以上の人は全体の約16%、偏差値40以下も全体の約16%で、つまり偏差値40~60の間にほとんどの人(約70%)が収まることになる。

ちなみに、偏差値80以上は全体の0.1%、75以上で同0.6%、70で同2%、65以上で同7%だ。そして偏差値55以上は上位31%になるが、これをまずまずと見るか、まだまだだと考えて発奮するかはあなた次第だ。

翻って、テストで100点を取ったと喜んでいるわが子を、はたして手放しでほめていいものなのか。平均値は95点かもしれないわけで、そこから求めた偏差値で客観的なポジションを示し、努力を促すことが大切かもしれない。また、偏差値が時系列でどう推移しているのかを見ることで、成長度合いがわかりやすくなるということもあるだろう。

よく企業の平均給与や平均賞与額が報道されるが、自分の給与や賞与と比べてみると、社内でのポジションがおおよそつかめるはずである。あなたも、1度調べてみたらどうか。

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さんきゅう倉田
芸人・元国税局職員
大学卒業後、東京国税局に入局。法人税の調査を経て、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに入る。お笑い芸人として、税務調査やガサ入れのネタなどでメディアやライブに出演。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』がある。

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(芸人・元国税局職員 さんきゅう 倉田 構成=田之上 信 写真=iStock.com)

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