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230億円稼いだ男"生活費は年3億"のワケ

プレジデントオンライン / 2018年12月31日 11時15分

写真=AFP/時事通信フォト

元手300万円から230億円を稼いだカリスマ投資家のcis(しす)。億万長者の私生活はどんなものなのか。初の著書『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』(KADOKAWA)の出版を記念し、「2ちゃんねる」で知り合ったという妻との馴れ初めや、年間3億円を使うという暮らしぶりについて、本人に聞いた――。(第3回)

■「1億2000万円持ってます、彼女募集中」

――230億円を稼いだcisさんの普段の生活にとても興味があります。「家族サービス」はするのですか。

【cis】家族サービスは特にしていませんけど、家族仲はいいですよ。子どもが父親をどう思うかは母親の影響が大きいと思いますから妻のおかげですね。

母親が父親のことを悪く言えば、子どもたちも同じ感情を抱くと思います。でも、うちの妻は「パパは適当にやっているのが仕事だから」と言ってくれているので、子どもたちも「そんなものか」と思っているんでしょうね。

――そんな奥様と出会ったきっかけは「2ちゃんねる」だったそうですね。

【cis】あれは、友達のマネをしただけなんですよ。専業トレーダーになったばかりのころ『電車男』がブームになっていて、投資家の友達が2ちゃんねるの純愛掲示板に「3億持ってます、彼女募集中」というスレッドを立てて「25歳くらいまでの容姿に自信のある方」を募集していました。

面白そうだったので僕も「1億2000万円持ってます、彼女募集中」みたいな名前の劣化版を作ってみました。「年齢、容姿は問いません」としたので、「3億持ってます」の友達の100倍はメールが来ましたね。

10カ月くらいで3000通ぐらいかな。まあ、そのうち2000通くらいは冷やかしの男性からでしたけれど。

■5億円損しても意に介さない妻との出会い

それでも1000通は女性からだったので、人生経験だと思って週に3、4人ずつ会ってみたのです。どこかの駅で待ち合わせして食事をして、最寄り駅までタクシーで送る。その繰り返しです。紳士中の紳士な感じで(笑)

でも、それくらいテンプレ的な行動じゃないと次々と女性に会うのは無理なんですよ。食事の後にバーに行ったり、カラオケに行ったり、ラブホに行ったりしたら疲れてしまって新しい人に会う気力も体力もなくなりますから。

普通に生活していたらなかなかできない体験になりましたね。どう見ても50歳くらいの女性が現れて「お姉さんすぎたかな」なんて言われたり、バレンタインデーに近いときに40代後半の女性から5キロくらいあるテディベアの形をしたチョコレートを渡されて途方にくれたり……。

結局、ノルマをこなすだけで精いっぱいになり懲り懲りして打ち切ったのですが、その直後に連絡があったのがいまの妻です。当時彼女は地方の国立大の大学院生で就活のために東京に来ていた。東京に知り合いもいないし、面白そうだから人生経験のために連絡してきたようです。

■いくらお金があれば幸せになれるのか

実際に会ってみると、それまでに会った100人以上の女性の中でいちばん自分にピッタリだと感じました。妻は勉強ができ、武道をやっていて筋肉があったりと、僕にないものをたくさん持っていたのもよかったのでしょうね。

結婚指輪を買うときに「何でも好きなものを買っていいよ」と言ったのですが、妻が選んだのは10万円ほどのもの。それ以上高いものを買ってあげたことはいまだにありませんね。ライブドアショックで5億円損したときも妻は「あら、あら」という感じ。僕自身もお金を使うことに興味はないので、うまくいっているのだと思います。

――どれぐらいのお金があれば、人は幸せになれるのでしょうか。

【cis】それ、僕に聞きます? 子どもの頃から金銭感覚が普通の人とズレているから、まったく参考にならないと思いますよ。

僕は中学3年生のときにパチンコを始めて夏休みに40万円くらい稼ぎました。それが僕の中ではもっとも貯金が少ないときです。サラリーマン時代も給料は少なかったのですがその分ギャンブルで稼いでいましたし。思春期の頃からそんな感じなので金銭感覚は完全におかしくなっていますね。

■年間3億円使う生活の中身

当時はネットでパチンコの攻略法が公開されていて、僕もさまざまな研究をしました。そうしているうちに釘の目利きもできるようになって、高校生の頃には、いい台を見つけたら友達にその台を任せるようになったのです。「代打ち」をお願いした相手も高校生だから、日給1万円を支払っていたものの、それだけでは彼らをつなぎとめておけません。ですから、一緒にゲーセンに行ったり、焼肉を食べに行ったり、よく稼いでいましたがよく使っていましたね。

いまは年間3億円くらい使っていますから、まあやりたい放題しています。大学時代の友人と年に2回ほど会いますけど、ゲームの話になって「去年は1億円課金した」とかいうと「頭がおかしい」と言われますね。

お金と幸せの関係をあえて言うなら、自分が楽しいと思うことを達成できるだけのお金があれば幸せなんじゃないでしょうか。ビルを買うのが夢であれば10億円必要かもしれませんし、宇宙旅行に行きたいと思えば100億円かかるかもしれません。その意味で僕は、大金を使ってできることに興味がないので、幸せになるために多くのお金が必要だとは思っていません。

■自力でお金を増やせるのが楽しいだけ

――ZOZOの前澤友作社長は「限界までお金を使う」と公言して、「月旅行」を発表するなど消費意欲が旺盛です。一方、cisさんは違うタイプのようですね。

cis『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』(KADOKAWA)

【cis】人生を賭けるほどお金を使うと、逆に楽しくないと思うんですよ。だから、ゲームにしてもお酒にしても自分の身が削られるほどにはしたくないです。

唯一、大金を使ってもいいと思うのは、胃腸かな。僕は体が丈夫ではないので、最強の胃腸が手に入るなら150億円ぐらいは払ってもいいかもしれません(笑)。

寒いのが苦手なので、暖かいところに移住したいという気持ちはあります。冬の3カ月ほど石垣島に移ろうかと考えた事もありますが、実行するかどうかはわかりません。

――すると、これ以上稼ぐ必要はない気もします。「引退」の時期を考えることはありますか。

【cis】僕自身は自分の力が通用してお金が増えることが楽しいので。トレードをしているときの時給とか期待値を考えるともったいなくてやめられないんですよ。それにお金を稼いで、税金を支払って、みんなにご馳走して、子どもに資産を残すのは、みんなのためにもなるでしょう。だから稼げる限りは続けたいと思っていますね。

■投資とは、能力と経験の戦い

僕は他のことをやっても大していいことはできないと思います。偶然に僕の得意分野と時代がマッチしてお金を稼げただけであって、20年前後していたらこれほどうまくいってなかったでしょうね。

結果がすべての世界です。記憶力や計算力、判断力では負けるときが来ると思います。投資の成否の半分は、そのような頭脳的な能力で決まります。一方、残りの半分は経験で補えます。能力と経験の戦いなのです。優秀な人にはそろそろ負ける頃だと思いますが、市場のパイは大きいですから平均よりも上の能力が出せれば利益が出せます。

だからこそ、たまたま勝つのではなく、優位性を生かして利益を出すことを考えるのが僕の仕事だと思っています。

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cis(しす)
個人投資家
1973年3月生まれ。2018年11月現在、資産約230億円。大学4年生の2000年夏に口座を開き300万円で株式投資を始める。01年法政大学卒業後、親族が経営する企業に就職。02年デイトレを開始。一時期資産を104万円まで減らすもスタイルを変えてからは勝ち続け、資産6000万円で04年6月に退職。以後専業トレーダーとして04年内に2億円、05年内に30億円弱の資産を築き、トッププレイヤーの仲間入りを果たす。その取引の影響力の大きさから「一人の力で日経平均を動かせる男」とも言われる。

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(個人投資家 cis 聞き手・構成=向山 勇 写真=AFP/時事通信フォト)

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