1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「会社を辞めたい」で成功する人ダメな人

プレジデントオンライン / 2019年3月4日 9時15分

写真=iStock.com/itakayuki

■人生の費用対効果を考えたことがあるか

なぜ、会社に行きたくないと思うのでしょうか。もし理由もなく会社に行きたくない気持ちが10日~2週間以上続く場合は、うつ病など疾病の疑いがありますので、すぐに心療内科などを受診してください。では、会社を辞めたいとまで思いつめるような「理由」とは何か。ある研究では、人のストレスの9割は人間関係が原因という統計があります。

企業は結局のところ「会社にとって利益を生み出せるかどうか」で社員を見ます。その価値観に無理に自分を合わせても疲れるだけですし、自責の念にとらわれても仕方がありません。自分の人生の費用対効果を冷静に考えることが大事です。そのためにはどうすればいいか。

まず、悩みは1人で抱え込まず誰かに相談することです。辞めたいと思うときは、思考がネガティブになっています。ネガティブなときは、視野が狭くなるので、無理にでも人に会って、視野を広げましょう。あなたを客観的に見ることができる人が望ましいと思います。そうして、自分で働く意味を問い直してください。人間は何かを行うときに必ず「意味付け」をします。時間を費やし、労力を使う価値があるかないか。

自分の仕事に対する「意味付け」と、それに払う「ストレス」を客観的に冷静に分析しましょう。「給料や今後のキャリアのためにこの苦労は必要だ」と、費用対効果として当然ならば仕事を続ける。費用対効果が低ければ辞める。

気をつけたいのは「辞めたい」というようなネガティブな思考は癖になってしまうもの。癖は今までの経験や行動の積み重ねによるものなので一気に直すことは難しく、少しずつ修正していかなければいけません。また、1人で修正するよりも、他人と話して、自分の中で気づきをえる成功体験を重ねることが有効です。

一方でストレスから、人と会うことが億劫かもしれません。そのような場合は、辞めるよりもまず先に、休職を考えてください。心と身体の疲れを癒やして正常な状態(思考)を取り戻すことが先決です。

■いい転職ができる人は、何が違うか

辞めるにしても、ポジティブに辞めるにはどうすればいいか。「首尾一貫感覚」を持つことです。首尾一貫感覚とは、「眼の前のことだけではなく、過去や未来、世界を俯瞰的に見たときに、全体として整っているという感覚」のこと。

「把握可能感」「処理可能感」「有意味感」の3つの感覚があり、それぞれ、「自分の置かれた状況や今後の展開を把握できていると感じる」「自分に降りかかるストレスや障害にも対処できていると感じる」「自分の人生に起こるどんなことでも意味があると感じる」感覚を意味します。

この感覚を自分に当てはめてみてください。例えば、「3年経ったら次のステップに進める」「このスキルがあればどこでも通用する」。そう感じることができれば、今の苦しみや自分の人生には意味があると思えます。

誰かと話して分析した結果、現在の仕事でそれが満たされそうなら続けることも1つの選択肢。辞めると決めたとしても、首尾一貫感覚を持った状態で辞めることができれば、次の仕事はうまくいきます。

----------

舟木彩乃
ストレス・マネジメント研究者
国会議員秘書などを経て、2015年に筑波大学大学院に入学。著書に『「首尾一貫感覚」で心を強くする』がある。

----------

(ストレス・マネジメント研究者 舟木 彩乃 構成=伊藤達也 写真=iStock.com)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください