1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

他人の意見に便乗し自分を輝かせる方法

プレジデントオンライン / 2019年3月26日 9時15分

写真=iStock.com/itakayuki

会議できらりと光る人になる。5つの秘技を駆使すれば誰もがうなり、一目を置く……はず。

■ノープランでも大丈夫「会議で頭をよく見せる方法」

会議は真剣勝負の場。ご承知のとおり、会議でもっとも大切なのは、何かを決めたり議論を深めたりすることではありません。参加者に「この人、頭いいな」と思わせることです。5つの秘技を駆使して、頭がいい、デキそうなビジネスパーソンのフリをしましょう。

■【秘技その1】わかっていそうな所作で、奥深さを表現する

頭をよさそうに見せるいちばんの近道は、頭がよさそうな所作を心がけることです。

会議で言えば、口を半開きにしてボーッと聞いていたら、どんなに鋭い意見を持っていたとしても、頭がよさそうには見えません。話の内容がわかってもわからなくても、相手の目を見ながら大げさにうなずきます。話の流れに合わせながら、口の半分だけを動かしてニヤリと笑ったり、腕組みをして考え込んでいる素振りも織り交ぜたいところ。

手元では、とにかくノートにペンを走らせましょう。意味のある内容を書く必要はありません。たまに動きを止めて、少し首をかしげながら、同じ場所をペン先でトントン叩いてみるのが効果的です。

自分が発言するときも、大切なのは態度や所作。細かい内容なんてどうせ誰も聞いていません。まずは話し始める前に、参加者全員の顔を舐めまわすように見て、落ち着きと自信を印象づけましょう。その後も、決してうつむかず、参加者の顔を順番に見ながら話すと、たとえスカスカの内容だったとしても「あの人の発言はなかなかよかった」というイメージを抱いてもらえるはずです。

■【秘技その2】他人の意見に乗っかり、自分を輝かせる

自分から画期的な意見を繰り出すのは、なかなかたいへんです。しかし、他人の意見に乗っかるのは、さほど難しくはありません。それでいて、「おお、いいこと言った!」という印象を与えることができます。

たとえば同僚が、会社の懸案となっている課題を解決できる素晴らしい案を出したとしましょう。「うん、それはいい!」と賛意を示して勝ち馬に乗ったうえで、おもむろに、「となるとあとは、誰が、いつまでに、何をするか、それを決める必要がありますね」と提案しましょう。結局、自分は何も頭を使っていませんが、素晴らしい案の推進に大きく貢献することができます。

先輩がいい意見を言っているのに、わからずやの上司がケチをつけている場合は、「たしかに、デメリットはありますが、それを最小限に抑える施策を取りつつ、メリットを拡大できれば大丈夫ではないかと」。

こう言えば、あまりに当然すぎて誰も反論できません。「具体的にはどうするんだ?」と聞かれても、きっと元々の発言者に考えがあるはずなので大丈夫です。

■【秘技その3】ダメな意見や困った人を、踏み台にする

頭をよく見せるうえで利用できるのは、いい意見や賢明な参加者だけではありません。なんだかズレた意見が出たときには、「興味深い意見ですが、もう1度、今日の会議の目的を確認しましょう」と軌道修正すれば、会議のイニシアチブを握っているように見えます。

箸にも棒にもかからない意見が出たら、「もう少し具体的な情報が欲しいですね」と突っ込みましょう。すべてわかったうえで温情をかけている、懐が深い人のフリができます。

誰が何を言ってもケチをつける人がいて、おかげで何も決まらないときには、「我々は今日、意思決定をするために集まっていることを思い出しませんか」とビシッと釘を刺して、会議の何たるかがよくわかっている気配を漂わせましょう。

「まあまあ、会議は勝ち負けを決める場所ではありませんから」
「『できない』のか『したくない』のか、そこをはっきりさせましょう」

それぞれ、ここぞという場面で繰り出せば、知的で頼りになる雰囲気を醸し出すことができます。特に中身はないフレーズですけど、賢く見せたいがために無駄に噛みつく人に比べたら、さほど害はありません。

■【秘技その4】名言をはさんで、周囲をうならせる

名言は、手軽に頭をよく見せるための鉄板アイテム。会議にまつわる名言をいくつか覚えておいて、さりげなく繰り出しましょう。

「会議は踊る、されど進まず」

19世紀のウィーン会議で、オーストリアの将軍リーニュ公が発したとされている言葉。なかなか議論が進まないときに、「まさに『~』ですね」と呟きましょう。

「異論を表に出すことに価値がある」

ピーター・ドラッカーの言葉。意見が対立してちょっと空気が悪くなったときに、「いいですね。ドラッカーも『~』と言ってますから」と仲裁に入りましょう。ほかにもドラッカーは、会議に大切なのは「全体最適で考える」ことだと言いました。議論が停滞したときに「ドラッカーが言うように、全体最適で考えましょう」と言えば、一目も二目も置かれるに違いありません。

「もっとも使えるアイデアは、脱線したり行き先が見えない会議から生まれるもの」

アマゾン創業者ジェフ・ベゾスの言葉。話が迷走して、みんながウンザリし始めたときに繰り出すと、たぶん効果的です。

▼会議中に繰り出したい「大人の語彙」
【可逆性が高い(かぎゃくせいがたかい)】
意味:変わる可能性がある
使用例:「このプランは、今後の展開次第で可逆性が高そうです」
効果:見通しが立たない詰めの甘さをごまかすことができる
【可及的速やかに(かきゅうてきすみやかに)】
意味:できるだけ早く
使用例:「可及的速やかに実行いたします」
効果:ヤル気を強くアピールできて、早く実行しそうに聞こえる
【声望が高い(せいぼうがたかい)】
意味:世間の評判がいい
使用例:「前回の商品はおかげさまで声望が高く、売り上げも好調でした」
効果:評判の中身が濃い印象を与えることができる
【私見(しけん)】
意味:個人的な意見
使用例:「私見ではありますが、A社を説得するのは難しいかと」
効果:意見は個人的に決まっているが、考え抜いて言っているように聞こえる

■【秘技その5】「3つのポイント」の、3つ目で意表を突く

実際以上に頭がよさそうに見せたい人に重宝されているのが、「ポイントは3つあります」というフレーズ(話法?)。あまりに使われすぎて、むしろ「おいおい、またかよ」とウンザリされたり、むしろ凡庸さを印象づけたりするリスクもあります。

そんな微妙な立ち位置を踏まえたうえで、あえてこのフレーズを活用して、ひと筋縄ではいかない頭のよさを印象づけましょう。

「3つのポイントがあります」で始まる話には、通常、当たり前ですがちゃんと3つのポイントがあります。そこで大方の予想を裏切るのがミソ。2つまでは普通にポイントをあげ、「3つ目は……」とためを作って、「今あげた2つのポイントをしっかり実践することです」「この場でご意見を伺いたいと思います」など、意表を突いたポイントを提示します。

ちょっと気が抜ける展開にすることで、気持ちの余裕や器の大きさがにじみ出て、結果的に頭のよさを感じてもらえるはず。「いやまあ、こういうのは3つじゃないといけないと思って」と呟いて、軽く笑いを取るのも一興です。

会議の場面でこの5つの秘技を駆使できれば、頭がよさそうに見えること請け合い。しかも、かなりの会議上手になれます。

「ごまかしじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、何事もまずは形から入ることが大切。たしかに小手先のテクニックですが、バカには使いこなせません。これが実行できるということは、十分に頭がよいと言えるかも。仕事がデキるとか頭がいいとかなんて、しょせんその程度の話です。

----------

石原壮一郎
コラムニスト
1963年生まれ。三重県出身。「大人」のマナーや処世術をテーマにした著書多数。故郷の名物の魅力を伝える「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」を務める。近著に『本当に必要とされる最強マナー』、『9割の会社はバカ』(共著)。

----------

(大人系&検定系コラムニスト 石原 壮一郎 写真=iStock.com)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください