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老後資金作りは“損得勘定”を捨てなさい

プレジデントオンライン / 2019年2月4日 9時15分

老後に困らないベストな選択肢はなにか。各分野のプロフェッショナルに「より賢い選択肢」を聞いた。第2回は「一攫千金 vs 手堅く利殖 どんな手法がお勧めか?」――。(全11回)

※本稿は、「プレジデント」(2018年11月12日号)の掲載記事を再編集したものです

■老後資金づくりは損得だけで考えない

人生100年時代。長生きは資産面から考えるとリスクともいえます。将来設計にしても、今は退職金をもらってから考えるのでは遅く、50代から取り組むべきです。そこでベースになる考え方は、「生涯にわたって得られる収入を増やす」ということです。

退職金は早く投資に回さなければと焦るのではなく、1年くらいは「退職金専用定期預金」に全額を預けて頭を冷やすといいでしょう。しかも金利はメガバンクでは0.5%程度、地銀では1%の例もあるなど、通常の定期預金より高めの設定。その間に運用先や老後のプランを考えればいいのです。

老後の生活を支える基盤は公的年金になります。いつかは底をつく金融資産などに比べて、一生涯続く「終身年金」のため、この金額が多ければ「長生きリスク」に対応しやすいのです。

それだけでは生活費が足らないという場合、次の準備として考えたいのが「トンチン年金」です。これは、解約時や死亡時の払戻金を抑えることで、長生きするほど得するタイプの個人年金保険です。

たとえば日本生命のトンチン年金「グランエイジ」では、50~70歳まで月額5万790円の保険料(20年間で総額1219万円)を払い込むと、70歳から年60万円(月5万円)の年金を一生涯受け取れます。

総務省の家計調査報告によると、高齢者夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の1カ月の平均支出は約26万円。対して1カ月の年金平均支給額は約22万円。基本生活費の不足は月4万円程度です。前述のトンチン年金に加入して総額約1219万円の保険料を払い込めば、100歳、120歳まで生きても、月に5万円入るので、不足分を賄えます。保険契約者が20年以内に亡くなると元がとれずに損だという意見もありますが、老後資金づくりを損得だけで考えるのは適当ではありません。死んでしまえばお金は必要ないと割り切りましょう。

理想をいえば、基本生活費の不足部分をトンチン年金で確保したら、ゆとり資金の部分をつみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)で税優遇を受けながら、分散投資で継続的に準備すること。探せば低リスクで投資妙味のある商品は必ずあります。一攫千金など論外、確実にコツコツと資産を増やしていくといいでしょう。

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深野康彦(ふかの・やすひこ)
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルリサーチ代表。マネー商品全般、資産形成、資産運用に詳しい。著書に『55歳からはじめる 長い人生後半戦のお金の習慣』など。
 

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(ファイナンシャルプランナー 深野 康彦 構成=高橋晴美)

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