目の前を黒い影が飛ぶ症状、放置で失明危機も
プレジデントオンライン / 2019年8月11日 11時15分
■生理的なものと、病気によるものがあり! 侮らず、症状を感じたら一度は受診を
明るいところや、青空を見つめたときに、目の前にチラチラと浮遊するものが……。まつ毛に糸くずが付いているように感じたり、小さな虫が飛んでいるように見えたりする症状を「飛蚊(ひぶん)症」という。眼球を動かすとその物体も同じ方向に動き、暗いところでは見えないのが特徴。ある日突然感じはじめる飛蚊症の原因を、眼科専門医の比嘉利沙子先生に伺った。
「眼球の中には硝子体(しょうしたい)という、ゼリー状の透明な液体が詰まっています。この中の濁り、眼球内の線維や細胞が影になって見えるのが飛蚊症です。多くは加齢などによる生理的な症状で、とくに気にする必要はありません。若い人でも近視が強い人などは早くから症状が現れる人もいます」
40歳以上になると遅かれ早かれ誰もが感じる症状であり、予防法などもとくにないのだそう。ただし、症状の急激な変化は目の病気のサインの可能性もあるので、注意が必要だと比嘉先生。
「加齢によって硝子体はゼリー状から液状に変化してしぼみ、網膜から剥がされます。これを後部硝子体剥離といい、その際、網膜を引っ張ることがあります。急激に黒いものが増えたりした場合は、要注意です」
硝子体剥離やそのほかの原因で網膜に穴が開く「網膜裂孔(れっこう)」、眼底から網膜が剥がれる「網膜剥離」なども、初期症状では目の前の黒い浮遊物が急増するそう。放っておくと失明に至ることもあるので侮(あなど)れない。
「飛蚊症の症状が現れたら“生理現象”と自己判断せず、まずは眼科を受診しましょう。眼底検査で網膜の奥まで状態をチェックし、網膜裂孔がある場合は、レーザーで穴をふさぐ手術が必要です。検査の結果、生理的なものと判断されれば過度な心配は不要です。目の状態を徹底的にチェックする眼科ドックを実施しているクリニックもあるので、年に1度は受診してみるのもいいでしょう」
生理的な飛蚊症は、何かに集中しているときなど、意識がそれている場合は浮遊物を感じにくいそう。重篤な病気で失明に至らないよう、急激な視力低下や飛蚊症の症状を感じたら迷わず受診を。
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お茶の水・井上眼科クリニック 副院長
2017年4月に現職就任。白内障、屈折矯正手術が専門分野。14年に屈折矯正外来を起ち上げ、最先端のレーザーを使った白内障手術や、近視矯正手術のひとつ、有水晶体眼内レンズ手術を行っている。やさしい語り口と確かな診療で多くの患者からの信頼も篤い。
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(プレジデントウーマン編集部 戌亥 真美 写真=iStock.com)
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