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定年退職後に"夫婦でクルージング"の末路

プレジデントオンライン / 2019年2月9日 11時15分

写真=iStock.com/michaeljung

老後に困らないベストな選択肢はなにか。各分野のプロフェッショナルに「より賢い選択肢」を聞いた。第4回は「夫婦でクルージングvs.気ままな一人旅 妻が喜ぶのは?」――。(全11回)

※本稿は、「プレジデント」(2018年11月12日号)の掲載記事を再編集したものです

■1年半の世界一周でわかったこと

「定年退職したら夫婦でクルージング」など、壮大な旅行計画を立てる男性が多いそうです。現役時代に妻を放っておいた反動からかもしれませんが、それは夫婦で話し合って決めたことでしょうか。お互いの価値観が一致していればよいですが、そうでなければせっかくのクルージングも喜んでもらえないかもしれません。気ままな一人旅も同様で、お互いの価値観がそれで一致しているなら1人で好きな所へ行けばよいと思います。それぞれ行きたい所へ行った後、どこかで合流するのもよいでしょう。

2013年1月から約1年半かけて、私は妻と2人で世界一周旅行をしました。それ以前は2人で共働きしていたのですが、冬休みにタイのピピ島へ旅行したとき、思いのほか長旅をしている夫婦をたくさん見かけました。

自分も長い旅行をしたいと思い、世界一周の予算を調べるとひとり180万円程度で行けることがわかりました。貯金が500万円あったので頑張れば行けそうです。しかしすでに30代に入っていたので、これをマンション購入の頭金にするか世界一周資金にするかで悩み、思い切って妻に相談したところ「この先ずっと東京に住むかもわからないし、子供が出来たら長い旅行はできなくなるね」と賛成してくれました。

妻が機嫌よく、自分も楽しく旅行するのに大切なのは旅行のどこに共通の価値を置くかを2人でよく話し合うことだと思います。私たちは美味しいお酒と食事に目がなくて、ボロボロの宿に泊まってもその地でしか食べられない美味しいものがあれば値段が張っても食べると決めていました。

スケジューリングも大切です。旅行中は時間がありそうでなく、予定を詰め込みすぎると自分たちがしんどくなります。旅行先で何をするのか、自分たちの価値観で絞ったほうがよいのです。

妻が不機嫌になったのは、お腹が空いているときが多かったと記憶しています。自分は空腹を我慢できても、妻がそうとは限りません。食事のスケジューリングにも配慮したほうがよいと思います。

1年半の世界一周を終えて「行ってよかった」と感じるのは、妻と共通の思い出が増えたことです。たまたまテレビにマチュピチュの風景が映れば「ここでピスコ(ペルーのブドウの蒸留酒)・サワー飲んだよね」などと会話が弾みます。1年半の旅の記憶は、夫婦の団らんを一生賑わせてくれます。

旅に出る前と後では夫婦で共有する価値観の度合いが深まりました。たとえば帰国してから住む家を決めるときも、物件のよし悪しや利便性、コストを総合するとここがいい、というのがお互いに一致するのです。

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松本祐貴(まつもと・ゆうき)
編集者
ライター、世界のマイナー酒、居酒屋研究家。1977年、大阪府生まれ。2013年1月から約1年半かけて、妻と世界一周旅行をした。著書に『泥酔夫婦世界一周』など。

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(編集者 松本 祐貴 構成=宮内 健 写真=iStock.com)

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