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なぜ"育児本"を中高年男性上司が読むのか

プレジデントオンライン / 2019年2月11日 11時15分

藤川とも子氏

■ビジネスに即役立つ心理学のスキル

インターネットの普及に伴って、フェース・ツー・フェースではなく、メールやSNSでコミュニケーションを取る人が、若い世代を中心に増えている。

「しかし、現代人のコミュニケーション能力が低下し、対人関係のトラブルが増えているのは、ネットの影響が大きいのかもしれません」と、産業カウンセラーの藤川とも子さんは指摘する。文字主体のメールやSNSは、相手の真意をつかめずに誤解が生じたり、意思疎通がうまくいかなかったりするからだ。

そうした世相を反映してなのだろう、いまNLP(神経言語プログラミング)が注目されている。

NLPは1970年代に米国で考案され、ベトナム戦争の帰還兵の治療にも役立てられた心理療法の一種である。人間の言語能力だけでなく、五感や思考回路も活用して、コミュニケーションの円滑化や人間関係の構築、学習の効率化といった課題を解決していく。たとえば、目の動きで相手の心理を探る「アイアクセシング・キュー」、深層心理に働きかけて相手の行動を促す「ミルトンモデル」などの手法がある。

藤川さんはもともと教師で、カウンセリングの研究をしているとき、NLPに出合った。創始者であるジョン・グリンダー、リチャード・バンドラーの両氏に米国で教えを受けた、日本では数少ない“直弟子”の1人で、「ビジネスシーンでも有効で、頭のなかで時間管理がしやすくなる『タイムライン』は、多忙なビジネスパーソンにお勧めのスキルです」と話す。

藤川とも子『マンガでわかる! すぐに使えるNLP』(日本実業出版社)

NLPの解説書は、日本でも数多く出版されているが、大半はカウンセラーなどプロに向けたもの。そこで、「仕事や人間関係に悩む一般の人にも、NLPの活用法をわかりやすく紹介したい」と考え、藤川さんが著したのが本書だ。課題に応じて項目を短く分け、平易な言葉で手法を説明している。

また、タイトルどおり、各項目にコマ割りしたマンガを挿入したのも大きな特徴だ。NLPは実際に体を動かすスキルも多く、「たんなるイラストよりもマンガのほうが、動作の流れや相手とのやり取りを伝えやすいからです」と藤川さん。

当初は、仕事と家事、育児の両立に追われる既婚の30代女性をメーンの読者と想定したが、女性部下との接し方に悩む中高年男性などにも読まれているそうだ。「難しいと思われがちなNLPに、一般の人が関心を抱くきっかけになれば」と、藤川さんは期待している。

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藤川とも子
大学で数学を専攻し、塾講師をした後、公教育に携わる。2002年にNLPに出合う。米国NLP協会認定トレーナー&コーチなどの資格を有する。

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(ジャーナリスト 野澤 正毅 撮影=加々美義人)

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