本当のお金持ちが長財布を持たない理由

プレジデントオンライン / 2019年2月6日 6時15分

写真=iStock.com/zTONY

同じ収入を得ていても、豊かになっていく人と苦労し続ける人、差が出てくるのはなぜ? ファーストクラスで数多くのVIP客を担当してきた美月あきこさんが、その理由を解説。人からもお金からも愛されるために、今すぐ誰でも始められる10の習慣とは――。

■エリートたちの新常識、財布のスマート化を実践

少し前までは「お金持ち=高級ブランドの長財布」というのが一般的なイメージだった。しかし、美月さんがファーストクラスでサービスを担当したビジネスエリートたちは、多くがプレーンな二つ折り財布を使用していたという。

「すぐにブランド名がわかるものではなく、見た目は素っ気ないほどシンプル。ただ長年愛用してきたことがわかる、上質な素材のものが多かったように思います。さらに、私が見かけた魅力的な女性起業家は、シンプルな形はそのまま、ほんの少しかわいらしさがプラスされていたのが印象的でした」

機能性は重視しつつ、取り出すたび気持ちが上がる色やデザインを取り入れる。お金に愛される女性に必要なのは、こんな“才色兼備な財布”と言えるだろう。最近はミニマリストの流れもあり、“ちい財布”と呼ばれるミニ財布がブーム。十分な機能を備え、おしゃれ心をくすぐるデザインのものが充実しているので味方につけたい。

「要は、財布が小さいと、バッグからスッと出せて、支払いのときもこれ見よがしにならず、見た目がスマート。会計時にゴソゴソと財布を探す姿はみっともないし、何より人を待たせなくて済みます。スマートに行動するために、財布自体をスマートにしておく。これが重要なのだと思います」

ちなみに、美月さんが財布と併せて重要視するのが靴。

「成功している女性ほど、シンプルで質のよい靴を履いていました。名刺交換のとき、自然と視線が足元に行くのでよくわかるんです」

靴は健康に直結するものだからこそこだわり抜く。財布と靴のスマート化、ぜひ心がけたい。

■お礼状と贈り物は、早く、さりげなく送る

「お金に愛される女性は、お礼の仕方がとても上手です。これこそ必ず身につけておきたい習慣であり、作法と言えるかもしれません」

美月さんは、今まで自分が出会った“お礼の達人”の事例を挙げながら、3つのポイントを教えてくれた。まず1つ目が、「お礼状の文面が定型のものではないこと」だという。

「心に響くお礼状は、よくある文言が並んでいる形式ばったものとは違って、自分だけに向けられたオリジナルの文章がつづられています。そこには女性特有の柔らかさがあって、読むと優しい気持ちになれるんですよね。たとえば一緒に見たもの、笑い合ったものが盛り込まれているのが特徴でしょうか。そして『また一緒に笑い合いたいので、お近くにいらした際はぜひお立ち寄りくださいね』など、読むと思わず笑顔になり、また会いたいと思わせる言い回しでまとめられているのです」

さらに2つ目のポイントが、「お礼のタイミングが絶妙なこと」なのだとか。

「何より驚かされるのが、お礼の早さです。以前、講師を紹介してほしいというお願いがあり、『お安いご用で!』と人材の手配をしたことがあったのですが、その紹介先の女性からお礼の電話をいただきました。それでも十分だったのですが、彼女はその電話で私が咳(せ)き込んでいたのを聞き逃さなかったんですよね。翌日、『ビタミン補給してくださいね』というメモとともに、イチゴの籠盛りが送られてきたのです。どんな薬より効きそうでありがたくいただきながら、そのスピーディーな気遣いに感動したのを覚えています」

そして3つ目には「負担を感じさせないお礼品を選ぶこと」というポイントが挙がった。

「あまりに高額なものは受け取る側が恐縮してしまい、逆に負担をかけてしまいます。仰々しいものよりは、高級チョコレートでも小さな箱のものを選ぶなど、気がきいているものを選ぶことが大切。先日、キラキラした小物がお互いに好きだという話で盛り上がった女性社長がいたのですが、彼女から『お好きそうなもの見つけました!』と、スワロフスキーの小ぶりなキーホルダーが届いて、跳び上がって喜んだことがありました。心に響く贈り物は金額ではなく、人を思う気持ちなんですよね」

だからこそ美月さんは、周囲に小さなお礼をする癖をつけたいという。

「たとえば部下に『ありがとう』というメモとともに小さな差し入れをします。部下は喜び、あなたのために仕事を頑張るでしょう。するとあなたの成績は自然と上がり、昇進の道へと続くはずです。お礼上手は愛され上手、それは人からもお金からも愛されることにつながっていくのです」

●財布は、機能性とデザインを備えた才色兼備なものを
●お礼状は、とにかくスピードが命!
●贈り物は金額をかけすぎず、気のきいたものを

■リターンを考えた賢い買い物をする

毎日の食材のような生活用品から、スーツや靴、バッグなどのファッションアイテム、さらに観劇や旅行などの非日常的な体験、そして人生を左右するような不動産まで。私たちは日々消費して生きていると言っても過言ではない。

「それを単なる消費ではなく、“投資的な消費”にすることができるか。この意識の持ち方はかなり重要です」と語る美月さん。

「野菜を買うとき、見切り品のような安いものを選ぶこともできますが、それでは単なる消費に陥っていないでしょうか。シャキッと元気で新鮮なものを選ぶことで気持ちよく過ごせるならそちらを選びましょう。それを明日の自分へのエネルギー投資と考える。買い物の際は、そんな“投資的な消費”を意識してほしいのです」

また、たとえば家族の海外旅行のランクをグレードアップさせてみる。そうすることで気持ちに余裕が生まれ、家族同士、いつもより深い話ができて、帰国後の関係性が豊かになるなど、想像以上の効果が得られる可能性も。

「すると、思う存分仕事にまい進できて、支払った以上のリターンが得られることもあると思うのです。どんな消費も自分がイキイキ働くための“投資的な消費”と捉えること。お金は賢く使ってこそ、稼ぐ力はアップするのです。消費は毎日のこと。その効果は計り知れないものになって、あなたの元に戻ってくるはずです」

■収入の余剰分は次のビジネスに回す

給与額が上がったり、臨時の収入があった場合はどうしているだろうか。美月さんは、余剰分こそ次を見据えるチャンスだと言う。

「男性は欲望のままに使ってしまう人も多いのですが、女性はしっかりと貯蓄する人が多い気がします。だからこそ意識してほしいのが、それを次なるビジネスチャンスに使うという選択肢。使うのでも貯めるのでもない、第三の道のために常にアンテナを張ってほしいのです。起業しているならば、新規事業を立ち上げるのもいいし、既存のサービスを充実させて価値を上げるのも手です。また、投資信託や株などを勉強して始めてみるのもいいでしょう」

そこで強化しておきたいのが、あらためて収入と支出のバランスを見つめて、キャッシュフローをしっかりと把握すること。その際美月さんは、支出ではなく収入に注目すべきだと強調する。

「どれだけ使うかは、どれだけ入ってくるかで決まるからです。考えればあたり前の話なのですが、意外とリンクできていない人が多いんですよね。支出は収入を見込んでこそ。意識すべきはキャッシュフローのINなのです」

その流れを把握できれば、どこに余剰分を注ぐべきかが見えてくる。貯め込むのではなく、次の道へつなげる。お金に愛されるためにすぐに始めたい習慣である。

●働く自分を鼓舞するお金の使い方を考える
●つねにキャッシュフローのINを意識する

■話しかけやすい雰囲気を演出する

人からもお金からも愛される女性の最大の特徴、それは“機嫌のよさ”だと断言する美月さん。

「いつ話しかけても笑顔で話を聞いてくれる――。そんな女性はいろんな運や縁を自然と引き寄せるものなのです」

そして、話しかけやすいムードをつくっておくことは、トラブルに対する最大の防御にもなる、だからぜひ実践してほしいと語る。

「もしあなたの部下が何かミスを犯したとしましょう。その問題が表面化する前に、上司であるあなたにすぐさま報告を上げるのがルールではあります。ただ、そこであなたがしかめっ面をしていたら、彼ら彼女らはいったいどう感じるでしょうか。『早く言わなければならないのはわかっている。でもマイナスのことほど報告しにくい……』と二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。トラブル対策はだれのためでもない、チームをまとめるあなたのために必要なことなのですから、いつでもご機嫌オーラを出しておくことはとにかく有効なのです」

女性は感情で動くといわれがち。だからこそ、つねに朗らかなムードを保ちながら仕事に臨むことは信頼度を上げることにもつながる。また、メンタルを一定に保つことは、どんな試練がきても大騒ぎすることなく、冷静な判断を下す訓練にもなるだろう。お金は笑顔を絶やさない女性の元へとやってくるというのは、やはり真実なのだ。

■卓越した会話力で相手の素顔を引き出す

「ゆとりある暮らしをしている人たちが持つ能力のひとつに“会話力”が挙げられると思います。それは、自分と同じ価値観を持つ人を探すのに絶対的に必要なものだから。価値観というのは、お金の使い方に如実に反映されます。その感覚が一緒の人々とコミュニティーを築くことは、人生からストレスを避け、かつ充実と繁栄をもたらすのに必要なことだと彼ら彼女らはよく知っているのです」

その会話力をアップさせるコツとして美月さん自身も実践しているのが、「自分の弱みを素直に、少しだけさらけ出す」というもの。

「もし関係を深めていきたい相手がいる場合、自分の失敗談や、今抱えている悩みを話してみると、距離が縮まるきっかけになると思うのです。よく『私はすごい』『私はきちんとしている』というオーラを発している人を見かけますが、そういう人は近寄りがたい印象を与えてしまうことも。自分を知ってもらいたい、相手を知りたいと思えばこそ、そこにはコミュニケーションのコツがあるものなのです」

素顔を引き出すことが上手になると、価値観が近い人といい関係を築くスピードが上がっていく。「するといい連鎖が始まり、利害を超えたつながりから、人脈とお金も循環させることができるようになると覚えておいてください」

●笑顔でいることが、トラブルを未然に防ぐことを知る
●失敗談や悩み相談で、人との距離が縮まることも

■頼れる右腕を育てる&任せる

「優秀なビジネスウーマンは、全員が全員と言っていいほど、優秀な人材を育てるのが上手です。そして彼女の隣には必ず頼れる右腕がいて、上手に指示を出しながら、見事に案件を動かしているのです。自分ですべてを抱え込むのでは仕事は回せない、周囲のスタッフを巻き込んでこそビジネスチャンスは広がっていくことを、多くの経験から学んできたのでしょう。そこで必要になってくるのが、“人の能力を見極める力”なのです」

さらに美月さんは「それは“適材適所を探す力”とも言えます」と続ける。コミュニケーション力を必要とする交渉ごとが得意なのか、正確性が求められる事務や経理作業が向いているのか、アイデアがものをいう企画分野で実力を発揮するのか……。

「そのために、普段からいろんなことをざっくばらんに話せる場を設けることを意識しておきたいですね。部下はどうしても上司に対しては遠慮しがち。『何か困ったことがあったらすぐに相談して』というひと言を自分からかけて、オープンな気持ちでいることを伝えておくだけでも違うはずです」

違う人間同士、感情のすれ違いや理解できない行動などはあってあたり前。それを前提に、コミュニケーションの通り道を抜けよくつくっておくことで、最終的には自分が助けられること、信頼度が増してビジネスも大きく回っていくことを肝に銘じておきたい。

■男性社会と上手に付き合う

この数年、政府が掲げるのが女性の人材活用。上場企業などでは女性の役職者の割合が一定数を占めるように義務化されているところもあり、役員として抜てきされ、収入がアップした女性も増えつつある。ただ、絵に描いた餅状態で、役員とは名ばかり、情報は何も回ってこないとため息をつく女性がいるのも現実のようなのだ。

「数少ない椅子をどう守るか、男性も必死になっているのかもしれません。そこで立ち戻りたいのが、女性ならではの柔らかな物腰、感性、立ち居振る舞いを仕事に活かすこと。正面切って戦って無駄な軋轢(あつれき)を生むのはもったいない。今こそ女性力を発揮して、男性と上手に付き合いながら、自分のスペースと仲間を増やしていくのが賢いやり方だと思うのです」

そのために美月さんは、自分の極めたいことを明確にし、さまざまな業界について猛勉強したそう。そこで素直に「教えてください」と聞く姿勢を示すと、本物のビジネスエリートほど、有益な知識や情報を開示してくれたという。

「才能豊かな女性たちが実績を上げ始めたとしたら、もうそこに男女差はないですよね。あとは人間力で戦うのみですから」

日本企業は今まで男性社会だったのは事実。実力と謙虚さとかわいらしさを備える女性に、社会の女神はほほ笑むのかもしれない。

●右腕を育てることは、自分を楽にすると知る
●男性社会こそ、女性らしい振る舞いが武器になる

■経営者目線で、社会を見渡す癖をつける

会社は仕事をする場所で、一歩オフィスを出たら、プライベートの自分時間を大切にしたい、そう考える女性も多いだろう。美月さん自身はビジネスシーン以外でどう過ごしているのかを聞くと、「オンとオフの切り替えはとても大切なこと」と前置きをしながら、次のように語ってくれた。

「私の場合、自分がサービス業に就いていたこともあるのですが、プライベートでレストランやエステサロンに行っても、いつもスタッフ目線、経営者目線で現場を見渡す癖がついているんですよね」

このサービススタッフはおそらくこのぐらいの給与をもらっていて、自分の仕事に誇りを持って取り組んでいるのだろう。もしくは給与面や待遇面に不満があるから、この程度のサービスになってしまっているのかも、など。

「ここを修正するだけでもスタッフは気持ちよく働けるだろうなという改善点や、こんなサービスを充実させればさらに売り上げが上がるだろうという経営戦略まで、どんどん思い浮かんでしまうので、実は全然頭が休まらないんです」

そう笑う美月さんだが、物事を客観的に、かつ相対的に見る。また自分軸ではなく他人軸で見る。その視点は自分の本業で役立っていると感じているそう。どんな仕事も顧客のニーズにこそチャンスが隠れているもの。仕事場以外でもそれを意識するという習慣を少しずつでも始めてみたい。

■私個人ができることを常に考える

国際線のキャビンアテンダントとして数多くのトップビジネスパーソンを間近で見てきた美月さん。幼少のころから、事業を展開する父親の後ろ姿も見つめてきた。

「お金に愛される人は『自分は何ができる人間なのかを考える』、そんな意識が強いと感じます」

たとえば、話題づくりの一環とはいえ、複数の名刺を持つ人とも多く出会ってきた。

「実はもう一枚……と見せてくださったのが、乗馬クラブのインストラクターの名刺だったりなど、魅力的な人はいろんな顔があるということを学びました」

またCA時代には、不動産投資で成功を収める先輩からも影響を受けたのだそう。

「年齢を重ねても華美な生活をせず、寮に住み続けている方でした。NYへのフライトでも外食には出ず、小さな炊飯器で自炊するような堅実な人だったんです。ただ自分が保有する不動産にはしっかりお金をかける、そういうブレない信念に感銘を受けたんですよね」

視野を広く持ちながら、自分のやりたいことにまっすぐでいる。そういう姿勢を持つ人はお金に愛されるし、好奇心が絶えず湧いてくるから人脈がよどむことがない。

「急に大きな世界を見る必要はありません。自分と自分がいる環境を見つめ直す。お金の循環はそこから始まると思うのです」

●ビジネス目線でプライベートシーンを見つめてみる
●今いる環境でできることの棚卸しを始めてみる

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美月あきこ
「CA-STYLE」主宰
日系、外資系航空会社の国際線CAとして活躍後、働く女性を支援するCA-STYLEを起業。人材育成コンサルタントとして講演などを行う。著書に『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』(祥伝社黄金文庫)ほか。

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(本庄 真穂 写真=iStock.com)

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