乗車無料「DeNA・0円タクシー」の本質
プレジデントオンライン / 2019年2月17日 11時15分
■DeNA「0円タクシー」は配車市場を変えるか
DeNAは2018年12月5日から31日まで都内23区・武蔵野市・三鷹市各地域の移動であれば無料で利用できる“0円タクシー”を走らせた。同社が開発したタクシー配車アプリ「MOV(モブ)」から、50台ある0円タクシーを呼ぶと利用できる。今回の0円タクシーではスポンサーである日清食品のペイントを車体に施し、車内でCMを流すなど様々な広告展開をしている。無料で乗車できるのは、日清とDeNAが乗車料を負担するためだ。
DeNAの最大の狙いは、0円で利用できることや派手な車体などによってSNS上で話題になり、アプリのダウンロード数を増やすことだ。ゲームアプリなどの豊富な開発経験から同社は「機能で差を付ける以前に、アプリをダウンロードしてもらわないと始まらない」ことを痛感している。これは配車アプリのみを展開している他社と違う部分だろう。
0円タクシーの話題性によってMOVの利用者が増えれば、有料乗車のタクシー配車においても、競合より優位に立てる可能性が高まる。有料乗車の場合、DeNAは配車サービスを利用するタクシー会社から、運賃の一部をマージンとして受け取る。0円タクシーは期間限定とアナウンスされている。日清に続くスポンサーを探すようなので、スポンサーが現れればサービスを再開するかもしれない。だが台数が50台と少なく、現時点ではDeNAとスポンサーの双方に大きなリターンが期待できる状況ではないのだろう。
DeNAの事業の柱は依然としてスマホ向けのゲームアプリで、「メギド72」など新たな人気コンテンツも育っている。だがゲームアプリは浮き沈みが激しいため、同社は安定的に収益が得られる分野を模索し続けている。MOVや自動運転などがその候補だが、大きな収益を挙げられるようになるには数年単位の時間が必要となるのは確実だ。
(エース経済研究所 アナリスト 安田 秀樹 構成=吉田洋平 写真=iStock.com)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
いざ!というときに呼べるタクシーアプリ「S.RIDE(R)」 山崎怜奈さん出演の新CMを5月8日(水)より放映開始
PR TIMES / 2024年5月8日 14時15分
-
ライドシェアのnewmo、累計約20億円の資金調達を完了‐大阪市で事業展開へ
マイナビニュース / 2024年5月8日 13時17分
-
【ずいひつ】電脳交通・近藤洋祐社長が語る「「日本版ライドシェア」でタクシー市場のさらなる成長を!」
財界オンライン / 2024年5月1日 7時0分
-
タクシーに関わる、経費精算・請求管理など経理業務を効率化 タクシーアプリ「S.RIDE(R)」、法人向けサービス「S.RIDE Biz」を受注開始
PR TIMES / 2024年4月24日 15時15分
-
アプリ利用手数料無料の配車アプリ「Capital TAXI 」の配信を開始。アプリリリース記念のキャンペーンも開催中。/キャピタル交通株式会社
PR TIMES / 2024年4月17日 17時40分
ランキング
-
1通販のニッセンを売却=41億円で歯愛メディカルに―セブン&アイ
時事通信 / 2024年5月9日 18時17分
-
2初心者の個人投資家こそ「高配当株」狙うべき理由 「高配当×高成長」で"2度おいしい"投資のコツ
東洋経済オンライン / 2024年5月10日 8時30分
-
3このキャラはもしかして...? マクドナルドのX、次回の「ハッピーセット」ヒント画像公開で話題に
J-CASTニュース / 2024年5月9日 21時33分
-
4ブラザー社長「信頼関係を築くことは見込めない」…ローランドDGへのTOBを事実上断念
読売新聞 / 2024年5月9日 18時11分
-
5JR東日本のネット銀行「JRE BANK」サービス開始、“特典てんこ盛り”なぜ?【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月9日 20時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください