結婚に一直線で進む"眞子と圭"の金銭感覚
プレジデントオンライン / 2019年2月4日 15時15分
■「『正式』に眞子さんとキスをしたことがある」
「一度だけだが、『正式』に痴漢に襲われたことがある」
名文家と謳われる向田邦子の『恩人』の書き出しである。
読売新聞の「編集手帳」をやっていた竹内政明氏の『「編集手帳」の文章術』(文春新書)によると、書き出しの3原則というのがあるそうだ。
「短い、年月日から入らない、会話文から入らない」
付け加えれば、次が読みたくなるのが、うまい書き出しであろう。
1月22日に小室圭さんが公表した文書が、こう書き出していたらどうだっただろうか。
「一度だけだが、『正式』に眞子さんとキスをしたことがある」
眞子さんと圭さんがキスを交わしていたかどうかはわからないが、年頃の普通の男女ならキスぐらいしていても不思議ではないだろう。
だが、この2人の場合、デートの時、手をつないで歩いていたというだけで非難の矛先を向けられるのだから、キスをしたことがあるなどといったら……、想像するだけでも恐ろしい。
戯言はこれぐらいにして、小室圭の文書に戻ろう。
■「国民の理解を得る説明」どころではない
正直、私もこれを読んだ時、まずいと思った。
内容以前に、なぜ、貸したカネを返せといい募っている母親の元婚約者と、第三者を通じて事前に話し合い、ある程度の妥協点を見出してから公表しなかったのかと思うからである。
もちろん、元婚約者に接触すれば週刊誌などにベラベラしゃべってしまうだろう。そのリスクを考えに入れても、「金銭問題はすべて解決済み」と切って捨てるより、はるかによかったはずだ。
これまでは元婚約者の一方的ないい分だけが週刊誌に載っているだけだったが、母親佳代が婚約中に金銭的な支援を受けていたことをはっきり認め、元婚約者側が、生活費まで佳代が要求してくることに嫌気がさして婚約を解消したこと、彼のほうからカネを返してくれという要求があったことなど、彼の話の大筋を認めたのである。
「母が婚約期間中に受けた支援については清算させていただきたいとお伝えしたところ、元婚約者の方から『返してもらうつもりはなかった』という明確なご説明がありました」といったところで、相手はそんなことはいっていない、カネを返せといっているのだから、どこまでいっても藪の中で、何ら解決にはならない。
秋篠宮がいっている「国民の理解を得る説明」どころではなく、不信感を増幅することになってしまった。
■息子を矢面に立たせるのは、親としての責任放棄
案の定、朝日新聞(1月22付)までが、「小室家に金銭的支援をしたとされる男性は朝日新聞の取材に『トラブルは解決していない』と反論した」と報じた。
なぜ、婚約延期から1年近くの期間があったにもかかわらず、母親は自分でくだんの男に会い、話し合いをしようとしなかったのだろう。
息子のICUへの入学金や留学費用が含まれているとしても、これは母親と元婚約者との極めて私的な問題であるはずだ。息子を矢面に立たせるのは、親としての責任を放棄しているという誹りを受けても致し方あるまい。
これまで沈黙を守ってきた小室圭が、突然公表した文書のインパクトは、彼が予想していたよりはるかに大きかった。
案の定、週刊誌の論調は小室圭のやり方を批判するものが圧倒的多数である。
文春(1/30号)は、元婚約者との和解は遠のいたと見ている。
■皇室に携わるものがもっとも遠ざけるべき「皇室利用」
宮内庁関係者は「今回の文書発表の件は、秋篠宮さまには知らされていませんでした」と語り、秋篠宮の真意は“贈与だったといい続けているだけではだめだ”ということだったのに、「今回も同内容のコメントをしたことに、秋篠宮さまはむしろ憤っているはずです」ともいっている。
1月21日に「小室圭が文書を出す」とスクープしたのは共同通信だったが、そこには「関係者によると、眞子さまと小室さんの結婚の意志は固い。眞子さまも文書の公表を把握している」という記述があったことが問題視されているというのである。
宮内庁関係者によると、ここには小室家側の狙いが込められていたに違いないが、「これこそが皇室に携わるものがもっとも遠ざけるべき『皇室利用』に他なりません」と批判する。
さらに、この関係者は、眞子さんは圭さんと頻繁にスカイプなどで話しているうちに、「眞子さまは小室さんにまるで“洗脳”されている状態にあると言えます」とまでいい出す始末だ。
新潮(同)になるとさらにエスカレートする。さる宮内庁関係者が仰天情報を打ち明けたというのである。
「実は、(秋篠宮=筆者注)殿下の会見以降、佳代さんが宮内庁に直接連絡をしてきて『両陛下にお会いして、お話しさせて頂けませんか』などといった要請をしているのです」
■「なぜそこまで小室さんをかばうのか」
いくら世間知のない女性だといっても、このような「蛮行」(新潮)をするはずないとは思うが、今回の中途半端な文書が、週刊誌の小室母子への不信感に油を注いだ格好になったのは間違いない。
新潮は次号でも、この文書に対して眞子さんの母・秋篠宮紀子さんは、「今さら何でしょうか。遅すぎます」「内容も、よく意味がわかりません」と憮然としていたと報じている。
さらにこの文書は、小室母子による秋篠宮家分断工作ではないか、眞子さんの気持ちをつかんでいる限りは何とかなるという小室の胸中が見てとれると、手厳しい。
女性誌も小室母子のやり方には厳しい見方が多いが、では、結婚は絶望かというと、そうは見ていないようである。
一番シビアなのは女性セブン(2/7号)だ。
「今回の文書の発表については、眞子さまも承知されていたそうです。眞子さまはただ結婚の強い意志を持たれ、小室さんの説明を信じていらっしゃったのだと思います。
問題は秋篠宮ご夫妻です。文書の発表については眞子さまからのご報告があったとしても、文書の中身には関与されていないそうです。今までと同じ一方的な主張で、建設的な解決に向かう気配すら感じない文書を見て、不信感が膨らむばかりだったでしょう。
秋篠宮さまとしては“なぜそこまで小室さんをかばうのか”というお気持ちでしょう。
眞子さまとしてはこれで結婚できるというお気持ちから急転、さらに厳しい状況に追い込まれてしまった。号泣しても足りない落胆ぶりのようです」(宮内庁関係者)
■自分たちさえよければ世間や他人などどうでもいい
セブンは次号でも、秋篠宮は文書の公表については知らされていなかったため、「“裏切られた”というお気持ちではないでしょうか」(宮内庁関係者)とし、小室圭側が、「眞子さんも文書の公表を把握」していたと報道させたために、「眞子さまがスキャンダラスな借金問題の当事者に巻き込まれてしまうことになった」(宮内庁関係者)、眞子さんが小室母子の主張を認めたことになって、母親の元婚約者から問題視されることになりかねないと、非常に心配していると報じている。
さらに皇室ジャーナリストの山下晋司氏にこういわせている。
「多くの人が小室さん親子に反感を持つのは、価値観、倫理観、国家観といった精神的なところにずれがあるからでしょう。法的には問題なくても、精神的な面で理解できない人を、祝福するという気持ちにはなかなかならないと思います」
この見方は、私も肯ける。結婚というものは両性の合意のみに基づくものとはいっても、社会的な側面もあり、自分たちさえよければ世間や他人などどうでもいいという訳にはいかない。
そこの視点が小室母子には欠けているのではないか。
■メディアによって「完全に誤読」されている
文春(2/7号)では、小室の代理人を務めている上芝直史弁護士がインタビューに答えている。
上芝によれば、この文書は元婚約者に向けたものでも反論でもないのに、メディアによって「完全に誤読」されているという。
昨年11月に秋篠宮のいった「相応の対応」へのすべてではないが、その一環だそうだ。したがって、今後、元婚約者との間で互いに納得ができれば、結婚へ向けてハードルが下がると認識していると話す。
眞子さんはこの件を知っているのかという問いには、
「眞子さんは、圭さんが発表した文書の存在と内容、そしてこうした形(マスコミを通じて)で、皆さんにお届けするというのを知っていらっしゃった」
と答えている。2人の結婚の意志については、
「小室さんは少なくとも『結婚する』という意思は変わっていないし、眞子さんから『それは違う』ということも聞いていない」
文春も、「秋篠宮ご夫妻は文書発表を知らされていなかった。(中略)今回の文書発表で今まで以上に落胆されているようです」(ある宮内庁関係者)と、娘からは何も聞かされていなかったと見ている。
■「『借金トラブル』円満解決で悲願の結婚へ」
したがって、たとえ金銭トラブルが解決しても、これまでの小室圭に対する不信感は拭えず、「眞子さまが、小室さんとの結婚を考え直し、話を切り出してくれることを今も待たれている」(同)
では、元婚約者の本音はどうなのか。金銭トラブルを最初に報じた週刊女性(2/12号)を見てみよう。
何とタイトルは、「眞子さま『借金トラブル』円満解決で悲願の結婚へ!」である。
金銭問題については秋篠宮家関係者がこう語っている。
「小室さん親子には、元婚約者から受けたお金の支援を“贈与”と主張していることから、借金を返済するという形ではなく、“慰謝料”や“迷惑料”などの名目としてお金を払う可能性があるそうなんです。もちろん、双方で話し合ったあとに金額などは決定していくと思います」
これに対して元婚約者は、
「本音は全額を返金してほしいですが、最悪、生活費は諦めてもいいと思っています。ただ、ICUの入学金と授業料、アメリカ留学費用、アナウンススクールにかかった費用は、小室家が生活をしていくのに関係のないお金なので、必ず返してほしいです。
お金を返してもらえるなら例えば“和解金”という名目などでも納得して、この件は打ち止めでかまいません。少なくとも、相手側は1歩踏み出してきたし、私も弁護士と相談しながら今後、協議を進めていくつもりです」
宮内庁関係者も、
「借金問題がクリアになれば、殿下が求められている婚約条件を満たしているに等しいので、おふたりにご意思がある限り結婚する方向へ進んでいく可能性は十分あるでしょう」
と見ているというのである。
■逆境を打破するために必要なことは「将来計画」
ある秋篠宮家関係者は、
「小室さんが急に文書を公表したように感じる国民もいるかもしれませんが、きちんと理由があるのです。
1月初旬の一連の新年行事が終わり、2月に予定されている『ご在位三十年記念式典』の前、さらに両陛下がご静養中なので、ご迷惑がかからない“好機”だったんです。
この時期を指定したと考えると、アドバイスされたのは、秋篠宮さまの可能性が高いでしょう。
眞子さまも文書を承知していたそうですが、殿下もご存知だったと思います」
しかし、それでも秋篠宮夫妻の圭さんへの不信感は拭えていないため、「眞子さまとの結婚も応援するという立場をとられていないそうです」(秋篠宮家関係者)
小室さんがこの逆境を打破するために必要なこととしては、借金トラブルを解決する他に将来計画を示すことが挙げられるという。
■たった1年で試験に受かるのは至難の業か
「小室さんは、なるべく早く国際弁護士の資格を習得し、経済的な自立ができることを証明しなければなりません」(皇室ジャーナリスト)
「彼が入学したフォーダム大学ロースクールの『LLMコース』は、通常、法学部出身者や他国の弁護士資格を持つ学生を対象としています。
小室さんは、法学部出身でもなく、日本の弁護士資格も持っていないので、いわば“特例”で入学しているんです」(宮内庁関係者)
LLMを受講後に、小室さんは通常3年間を要する「JDコース」に在籍予定だそうである。
そもそも専門的なことを学ぶLLMから基礎的なことを身に付けるJDに移ること自体が異例だそうだ。なぜ特殊な入学過程を選んだのだろうか。
「“最短ルート”で弁護士資格を取得したいと思っているのでしょう。というのも、アメリカでは基本的に3年間のJDコースを受講しないと弁護士資格の試験を受けられませんが、ニューヨーク州とカリフォルニア州であれば、1年間のLLMコースの受講だけで、受験資格が得られるのです」(宮内庁関係者)
専門的な法律を学んでいなかった彼が、たった1年で試験に受かるのは至難の業にも思えるが、
「試験に“一発合格”ができれば、秋篠宮ご夫妻に対して、最高のアピールになるでしょう。経済的な自立も見込めるので、“誰にも文句は言わせない”という状況になるでしょうね」(皇室ジャーナリスト)
■秋篠宮夫妻の不信感を払拭する努力をすべき
さまざまな週刊誌の報道を紹介したが、それらを総合すると、こうはいえると思う。
眞子さんはこうした文書が出されることも、内容も知っていた。
両親に文書が出ることを知らせたのか、内容についてはどうかという点になると、見方はバラバラではあるが、少なくともこうした文書が出るくらいのことは伝えていたのではないか。だが、この文書の内容に秋篠宮夫妻が納得しているとは思えない。
今後、小室家側の弁護士と元婚約者との間で和解へ向けた話し合いが進み、300万円程度の金銭で手打ちができる可能性が高いようだから、それが決まったら、母親の佳代さんは会見でも開いて、説明すべきではないか。
そうして秋篠宮夫妻の不信感を払拭する努力を、息子の圭ともどもやっていくべきである。
■「文書公表」は結婚へ歩を進める何らかの役割を果たした
二人は毎朝、SNSやスカイプなどでやり取りしているようだから、圭さんはもちろん、眞子さんも結婚したいという意思に変わりはない。
結婚の最後のハードルは、圭が収入の術を得るために、猛勉強して弁護士資格を一日でも早く取ることである。
そうなれば、「親のこころにそむいてまでも恋に生きたい」とニューヨークへ逃避行したり、皇籍離脱して平民になったりしなくても、この恋を成就することができる。
まだ手放しでは喜べないが、今回の拙い文書が、結婚へ歩を進める何らかの役割を果たしたことは違いない。
しばらく前に女性自身が、「眞子さま『英国留学』報告書に綴った現地生活と21歳の素顔」という特集を組んだことがあった。
眞子さんはICUの交換留学制度でイギリスのエディンバラ大学で10カ月間学んだのだが、この時はすでに小室圭との交際が始まっていて、彼は彼女の留学中にイギリスへ行っている。
その報告書の中にこんな文章があるそうだ。
「私のポリシーは「良い事も悲しい事も貴重な経験になると信じる」だった」
「時には失敗したっていいやと思いながら過ごすことが大切だと思う」
眞子さんの悲しみの涙が嬉し涙にかわる日が、一日でも早く来ることを願っている。
(文中一部敬称略)
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ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。
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(ジャーナリスト 元木 昌彦 写真=AFP/時事通信フォト)
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