京大首席が実践する10秒で本を読む方法
プレジデントオンライン / 2019年2月19日 9時15分
※本稿は、粂原圭太郎『偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」』(KADOKAWA)の第2章「『短期間で情報収集する力』が身につく 読解法」を再編集したものです。
■無理に「はじめから読む」と記憶に定着しない
あなたは読書をするときに、全ての本を頭から最後まで読んでいますか?
その中で、「読みはじめたはいいが、面白くないところや、もうすでに知っているところ、読み進められないところ」はないですか?
もしあれば、読み方をもう一度よく考えてみたほうがいいかもしれません。
全ての本を最初から最後まで読もうと思っているから、記憶に定着せず、多読もできないのです。
本は「本当に読みたい」と思えたところ、必要な箇所を読めばいいわけで、無理して全部読む必要などありません。なぜなら、必要な情報を入れるためであれば、必要ない部分を我慢して読むことはないからです。
「読破した」という達成感が欲しいという人には、無理には言いませんが、何が一番大事かを考えてみてください。本を読破することに意味があるのではなく、自分に必要な知識を血肉にすることが重要なのではないでしょうか?
必要な知識はときによって変わります。
今はこの部分だけが必要だけど、1年後には同じ本でも違った部分が必要になるかもしれません。そのときに、はじめてその部分を読めばいいだけです。何も今、無理して最初から最後まで読む必要などないのです。
■その本を「読む目的」を明確にする
まず、本とは何かと考えてみましょう。
小説であれば、物語の楽しさを満喫すること。それであれば、面白くない小説を読む必要はありません。たとえ、古本屋で安いからといって買ったとしても、読みはじめて面白くなければ、読まなければいいのです。買ったからには読まないといけないと思っている人が、苦しみながら読み続けることにどんなメリットがあるのでしょうか。小説の本来の目的は、「物語の楽しさを満喫すること」です。
今度はビジネス書を考えてみます。会社や上司から「読みなさい」と言われることなく本を選んだ場合、その本の中にある情報が欲しいのではないでしょうか。またそのスキルや思考、メソッドを習得したいといった場合、頭から全部読む必要があるでしょうか?
もちろん本は、読者のためを思って第1章から構成されています。しかし必要なのは、「スキルや思考、メソッドの習得」です。この目的が達成できるなら、どんな読み方でも構いません。読むというよりチェックでもいいでしょう。
このように考えると、無理して本を頭から読む必要がないことがわかると思います。本の概念を変え、必要なときに必要な箇所を読めばいいのです。
■本は10秒でも読むことができる
また、時間に追われるように働くビジネスパーソンにとって、読書の時間を確保することは容易ではないでしょう。朝1時間早く起きて、本でも読めたらいいのですが、そう簡単にはいきません。
![](https://president.jp/mwimgs/4/7/-/img_47808390e70f2a05930d5f197a4e4dcb167160.jpg)
そもそも、そのように無理をして日々の中での読書時間をつくらなくてもいいのです。実は3分や5分、もっと言うと10秒程度でも、本から知識は得られます。本当にちょっとした時間で本を読むことができる。その方法を紹介しましょう。
それはマインド、メンタルブロックを外すだけでいいのです。
メンタルブロックとは、人が何かアクションを起こす時に「これはできない」「もうだめ、無理だ」と自分で思い込みの壁をつくってしまうことをいいます。誰でも持っていますが、特に固定観念の強い人はこのブロックの壁が高く、なかなかチャレンジできない場合があります。
周りから見れば成績優秀で、もう少し頑張れば第一志望校に合格できるという生徒でも、メンタルブロックの強い人は、「志望校を下げます」となることがあります。
■「メンタルブロック」のない人が挑戦できる
優秀なビジネスパーソンは、誰もが不可能だということを成し遂げます。それはメンタルブロックを突き破ることができるからです。ソフトバンクグループ代表取締役会長の孫正義氏は、若手の頃、ミカン箱の上に立って、「売り上げを豆腐のように1兆、2兆と数える会社にする」と言ったそうです。
まだ名もなき一経営者がこのようなセリフを言っても、誰が信じるというのでしょうか。誰もが笑ったことでしょう。しかし、当の本人にとっては、ただの目標だったのかもしれません。事業に邁進し、気づいたら本当にそうなっていたのです。まさにメンタルブロックがないチャレンジャーです。
不可能に思えることにチャレンジするか、しないかという点でメンタルブロックの強い人、そうでない人がわかります。
■ちょっとした合間に「ちょっと読む」技術
はっきり聞きましょう。
「あなたは、10秒で本が読めますか?」
多くの人が「10秒じゃ無理だよ!」と言うでしょう。
私は10秒でも、30秒でも時間があれば、本から情報を入手することができます。
誤解しないでいただきたいのは、何も「10秒で本を全部読んで、全部を理解しましょう」と言っているわけではありません。10秒あれば、要点を抜き出したハイライトや太字1本くらいは頭に入れることができるということです。
これを読書というかどうかは議論があるかもしれませんが、短時間で情報を入手することはできるのです。
■読書以外も「短い時間」を利用できる
多くの人は「今から10秒、出かける前に30秒の時間、本を読もう」と思わないでしょう。私はよく、出かける前の2~3分にも、10~30秒でも時間があれば本を開きます。この時、入手した情報が次に会う人との話のきっかけになることがよくあります。そこで、本を手に取って読んだかどうかで話の展開が大きく変わってくるのです。
その繰り返しで、情報収集力の精度も高まっていきますし、本の読み方もだんだんわかってくるでしょう。30秒という短い時間の使い方も、だんだんと洗練されてくるはずです。極端に短い時間でも、それなりに情報をゲットできるということを知るほうが大事なのです。
もう一つ重要なのは、短い時間で、読書だけではなくいろいろなことができると知ることです。読書をすることを目的とし、メンタルブロックを外すことができれば、読書以外にも役立つことはたくさんあるのです。
どんなに短い時間でも無駄にせず、自分のために役立てること。読書を通じて、それを学ぶことができるのです。
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教育家
1991年、群馬県生まれ。京都大学大学院法学研究科卒業。大学在学中に「勉強革命.com」を運営し、やる気が出る勉強法を受験生に伝授。現在はオンライン学習指導塾「粂原学園」で、小学生から高校生まで全国各地の受験生を指導している。
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(教育家 粂原 圭太郎 写真=iStock.com)
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