"熟年離婚"を切り出される夫の3つの特徴

プレジデントオンライン / 2019年2月22日 9時15分

※写真はイメージです。(写真=iStock.com/takasuu)

「熟年離婚をする夫婦には共通点がある」、夫婦問題研究家でこれまで3万件もの離婚相談を受けてきた岡野あつこ氏は、そう指摘する。その共通点とは「感謝の気持ちを伝えていない」「趣味に没頭しすぎている」「愛情表現をなまけている」の3つだ。象徴的なエピソードを紹介しよう――。

■熟年離婚をする夫婦の「共通点」

厚生労働省の最新データによれば、国内の離婚件数は年間約21万組。なかでも、結婚して20年以上の夫婦が別れを決断する「熟年離婚」の件数は、約35年前と比べ現在は2倍に伸びている。

熟年離婚の相談を受けるなかで気づくのは、熟年離婚という選択をする夫婦にはいくつか共通する特徴があるということ。そこで今回は、熟年離婚にいたる夫婦によく見られる3つの特徴について、具体的なエピソードを交えながら考察していきたい。

■食事中の視線は「テレビに注がれたまま」

特徴1:感謝の気持ちを伝えていない

「ありがとう」「いつも助かるよ」「ごちそうさま」という感謝の言葉。当たり前すぎて口にすることすら忘れているなら要注意。熟年離婚という形でしっぺ返しを食らうことにもなりかねない。

<44歳・専業主婦・女性のケース>
昔から感謝の言葉がない夫。私が「今晩のおかずの味付け、どう?」と聞いても、いつも「ああ」と答えるだけで「おいしかった」も「ごちそうさま」もなく、食事中の視線はテレビに注がれたまま。虚しい日々を続けて21年目を迎えようとしている。“人生100年時代”と言われている今、「こんな人のために、この先もずっと身の回りの世話をしなければならないのか」と思うと、たまらなくもどかしい。子供が独立したら離婚をすることも考えはじめている。

日常生活のありふれたシーンでも、しょっちゅう感謝の気持ちを伝え合っている夫婦には、熟年離婚の危機が訪れる心配はないだろう。感謝の気持ちを伝えることができるのは、いつも相手の行動や心の動きに気を遣っている証拠だからだ。「言わなくてもわかるだろう」という“気の緩み”が蓄積すると、やがて取り返しのつかない結果が待っていることもある。

■“サンオイルを塗った水着姿で日焼け”の習慣

特徴2:趣味に没頭しすぎている

自分の趣味に没頭しすぎて家庭を顧みなくなったことが原因で、パートナーから離婚を言い渡される熟年男女も少なくない。それまでの貯金と年金収入しかなくなる定年後、夫婦で築いた財産をどちらか一方の身勝手な趣味のために激減させてしまうという経済的な問題が絡んで離婚に発展するケースもある。

<39歳・派遣社員・女性のケース>
もともとスポーツとは無縁でガリガリ体形なのに、今更“憧れのマッチョ”を目指して肉体改造に夢中になっている夫。毎月かかる費用として、パーソナルトレーニング代が5万円、サプリメント代が7万円と本気で家計を逼迫するほどの浪費ぶり。天気がいい日は冬でも必ず全裸に近い水着姿になって、サンオイルを塗ってギラギラさせた体でベランダで日焼けをするのが習慣になっている。
いい年して近所の笑い者になっているだけでも恥ずかしいのに、最近は「おまえもそのみっともない体をなんとかしろよ」とスポーツジム通いを強要してくるのには堪忍袋の緒が切れそうになる。次に言われたら「自分の体にかけるお金と時間があったら、もっと家族のために役立つことをしてほしい。さもなければ別れます」と言おうと決めている。

とくに定年後の夫は退職金が手に入り、自由な時間が増えるもの。すると、「今までがんばったご褒美だ」と言い訳をして、まわりのことが見えないほど趣味に没頭するケースも増える。家族を犠牲にしてまで熱中する意味がある趣味かどうか、考え直す必要があるだろう。

■「女としてもうひと花咲かせたいから別れてください」

特徴3:愛情表現をなまけている

好きで一緒になったはずの男女でも、長年の結婚生活により独身時代の頃に持っていた情熱は冷めていくもの。だからといって、愛情表現を怠っていると相手は「もう自分には愛情がないんだな」と思い込み、心が離れてしまうこともある。

<46歳・会社員・男性のケース>
妻が職場の同僚と不倫をしていることに気づいたのは半年前。二人がホテルから出てきたところを、自分の友人が目撃し「気をつけたほうがいいんじゃないか」と忠告してくれたことがきっかけだった。結婚20年目で子供がいない自分たち夫婦は、『今更恥ずかしいし』と、だいぶ前からセックスレスだったことも、それまでとくに気にしていないと思っていた。
妻にホテルの一件を問い詰めたところ、あっさり不倫を認めた。「ごめんなさい。でも、彼はいつも私のことをかわいいね、とほめてくれるし、ちゃんと女性として扱ってくれるの。抱きしめながら愛してると言われてうれしくない女なんていないと思うわ」と泣きながら言ってきた。「でも、このまま人生が終わってしまうのは嫌。どうしても女としてもうひと花咲かせたいから別れてください」とお願いされて、離婚せざるを得なかった。

■セックスレスも「離婚理由」になりえる

当然のことながら浮気や不倫は夫婦関係を破綻させる大きな原因となる行為。ただし、夫婦間のセックスレスも「婚姻を継続しがたい重大な事由」として、離婚理由になりえることをお忘れなく。妻をひとりの女性として扱うことを怠り、セックスレスの状態を続けていれば、妻から離婚を申し立てられて認められる可能性もゼロではない。

このほかにも、多くの熟年夫婦に共通してみられる特徴として「日常的なコミュニケーション不足」が挙げられる。夫の場合なら「妻の話を聞こうとしない」「家事を積極的に手伝おうとしない」「妻にやさしい言葉をかけようとしない」、妻の場合なら「夫とのスキンシップを避けようとする」「夫の自慢話を聞き流す」「夫と二人で出掛けるのを嫌がる」など、それぞれの項目に心当たりがあるなら、熟年離婚にいたらないよう今から意識して夫婦間のコミュニケーションをとるべきだろう。

■熟年離婚を切り出される夫が口にする「言葉」

ちなみに、実際に、妻から熟年離婚を切り出された夫たちの多くが口にする言葉として、「自分はこれまで家族を養うため、仕事のことしか考えていなかった。たしかに家庭のことは妻にまかせっきりだったが、妻のほうもそれほど文句を言ってこないので、感謝の言葉や愛情表現がないことも、趣味のことも、てっきり理解してくれているものだとばかり思っていた」というものがある。

だが、妻は理解しているのではなく、「今は言うべきタイミングではない」と不満をためているだけ。たまった不満は定年後や子供が独立したタイミングを待って、噴出する危険性があることを覚えておきたい。

やがて熟年離婚という形で現れる妻の不満を爆発させないためには、今のうちから小まめに「ガス抜き」をする必要がある。それが日常的なコミュニケーションなのだ。それには普段から会話をして不満を種のうちから探って、発芽をしないように取り除いておくのが理想的。

それが難しいなら、せめて妻の誕生日や結婚記念日などに二人で食事をし、夫婦関係の棚卸しをすること。良好なコミュニケーションでパートナーのご機嫌をとっておくことは、相手のためというよりも、自分の将来を守る賢い手段のひとつでもある。

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岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家
NPO日本家族問題相談連盟理事長。株式会社カラットクラブ代表取締役立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに25年間、3万件以上の相談を受ける。『最新 離婚の準備・手続きと進め方のすべて』(日本文芸社)『再婚で幸せになった人たちから学ぶ37のこと』(ごきげんビジネス出版)など著書多数。

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(夫婦問題研究家 岡野 あつこ 写真=iStock.com)

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