病院から遠いほど"薬"が高くなるカラクリ
プレジデントオンライン / 2019年3月10日 11時15分
※本稿は、「プレジデント」(2018年12月31日号)の掲載記事を再編集したものです。
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病院から遠くなるほど薬が高くなるカラクリ
※月1回、1年間の処方を、一般薬局ではなく、門内薬局でしてもらった場合(3割負担)
■調剤基本料を明細書で確認しよう
薬そのものの価格はどの薬局で受け取っても変わらない。薬局の医療費に差が出る原因のひとつになっているのは、「調剤基本料」だ。3割負担の場合、24~123円までの幅がある。
「院内処方」と「院外薬局」という言葉は耳にしたことがあるだろう。院内処方は、文字通り病院内で処方してもらうこと。そして院外薬局には3種類ある。病院の敷地内にあるが病院が経営していない「門内薬局」、病院のすぐ近くにある「門前薬局」、病院から離れた街中などにある複数の医療機関の処方せんを扱うことの多い「一般薬局」。実際の調剤基本料はといえば、一番安いのが院内処方の24円、次に門内薬局の30円と続き、門前薬局が75円、一番高いのが一般薬局で123円である。
ただ、門前薬局の中でも大手チェーン薬局なら75円より安い可能性が高い。グループ全体で処方せん回数が月4万回を超える場合は60円、40万回を超える場合は45円となる。
また、薬代は投与日数によって変わってくる点にも注意が必要だ。たとえば、胃薬などの内服薬を28日分調剤してもらう場合の調剤料は、7日分ずつ4回に分けると420円かかるが、28日分まとめて調剤してもらうと230円(いずれも3割負担の場合)。まとめて調剤してもらったほうが4割以上安くなる。
「長期間の通院が必要だが症状が落ち着いているというなら、2カ月に1回、場合によっては3カ月に1回ずつ薬を処方してもらう形にすれば、経済的にも、通院の負担も軽減されます。じつは、これは医者のほうからは言い出しにくいこと。患者さんから『経済的に厳しいので、負担を減らしたい』と言ってもらえれば、症状が落ち着いているなら、できるだけの配慮をします」(長尾氏)
ちなみに、薬局では処方日数を勝手に増やすことはできない。医師に相談し、OKとなった場合にはじめて可能になることだ。また、医師に処方せんを書いてもらえば、漢方薬も健康保険を使える。
「漢方薬は自費診療だと思い込んでいる人が多いのですが、医師の処方せんがあれば3割の自己負担ですみます。ただし、健康保険が使える漢方薬の種類は決まっていますので、医師と相談してください。また、街中にある漢方薬局などで店員に処方してもらっても健康保険は適用されません」(早川氏)
薬の処方は医師の判断が不可欠とはいえ、薬の専門家である薬剤師も頼りになる存在だ。最近では「かかりつけ薬局(薬剤師)」も登場し、相談にのってもらえる。
「かかりつけ薬剤師を指名すると、薬の管理・指導に関する料金が、通常の薬剤服用歴管理指導料ではなく、かかりつけ薬剤師指導料が算定されます。前者は、お薬手帳を持参すると120円、後者は220円で100円高くなります(3割負担の場合)。でも、高齢になりたくさんの種類の薬を飲まなければならないなら、多少高い料金を支払ってもかかりつけ薬剤師にお願いすると安心です。75歳以上で1割負担の人は、自己負担額も70円程度と割安なので管理してもらったほうがいいでしょう」(早川氏)
高齢になりたくさん薬を処方された場合の、飲み忘れを防ぐため、薬局がそれらを「一包化」する有料サービスもある。もし節約したいなら、サポートする家族が小分けにされた錠剤ケースに1日分ずつ整理する方法もある。
結論:院内処方より調剤薬局のほうが高いが、いろいろ相談できるメリットも
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医師、長尾クリニック院長
1984年東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。95年長尾クリニック開業。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、指導医。『その医者のかかり方は損です』など著書多数。
![](https://president.jp/mwimgs/4/0/-/img_40fa1bf30a5ac72a43f6e09fce16e69011783.jpg)
フリーライター
女性週刊誌やマネー誌を中心に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を手がける。著書に『読むだけで200万円節約できる!医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』。
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■▼意外と高額「一包化」 「かかりつけ薬局」の値段
![](https://president.jp/mwimgs/0/9/-/img_0959189f25359dbe623d770c973e39b01259375.jpg)
(小澤 啓司 撮影=永井 浩 写真=iStock.com)
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