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花見・飲み会で「バカウケする」算数小話

プレジデントオンライン / 2019年3月23日 11時15分

■『千夜一夜物語』にまつわる不思議なシエラザードの数

世界的に有名な『千夜一夜物語』(英語版は『アラビアンナイト』)。イスラム世界における説話集だが、こんなあらすじだ。

昔々アラビアのある国に、インドや中国までも治めていたというシャフリヤールという名前の王がいた。ある日のこと、王の妻が不貞を働いていたことを知り、妻と相手の奴隷の首をはねてしまった。そして、次第に王は女性に対し強い不信感を抱くようになる。その憎しみは強くなるばかりで、その結果、新しい妻を毎日めとっては、翌朝になると殺すようになり、国民から恐れられる存在になっていった。

王と国のことを心配した大臣の娘シエラザードは、自ら王妃になることを決意する。彼女は最初の夜、シャフリヤール王にとてもおもしろい話を聞かせた。翌日、王はシエラザードを殺さなかった。話の続きを聞きたかったからだ。シエラザードは毎夜おもしろい話を続けた。

こうしていつしか千一夜が過ぎた。その頃には王の心の憎しみは消え、シエラザードを生涯の妻とした――。

今回は、この物語にまつわるおもしろい数字をご紹介したい。

まず、3ケタの任意の数字を用意する。あなたの好きな数でよい。ここでは「254」としよう。この数字を2つ重ねて6ケタにすると「254254」となる。この数字を「1001」で割る。すると不思議なことに元の数字「254」に戻ってしまうのだ(図参照)。これはどんな3ケタの数字を重ねた6ケタの数字でも同じだ。「918918÷1001=918」「467467÷1001=467」「325325÷1001=325」……。

この不思議な数字(1001)を、「1001=千一」にちなんで「シエラザードの数」と呼ぶ。

では、なぜそうなるのかを見ていこう。任意の3ケタの数字を2回重ねた6ケタの数字を「1001」で割ると元の3ケタの数字に戻るということは、逆に考えると、元の3ケタの数字に「1001」をかければ、その3ケタの数字を2回重ねた6ケタの数字になるということだ。「254×1001=254254」「918×1001=918918」「467×1001=467467」「325×1001=325325」……。

この理由を分配法則を使って説明しよう。

「254×1001=254×(1000+1)=254000+254=254254」「918×1001=918×(1000+1)=918000+918=918918」「467×1001=467×(1000+1)=467000+467=467467」「325×1001=325×(1000+1)=325000+325=325325」……。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/lukbar)

このように、任意の3ケタの数字に「1001」をかければ、その3ケタの数字を2回重ねた6ケタの数字になることがわかった。

この6ケタの数字はさらにおもしろい性質がある。必ず「7」で割り切れるのだ。また、「11」と「13」でも割り切れる。どうしてかちょっと考えてみていただきたい。

実は、「1001=7×11×13」なのだ。したがって1001の倍数は、7、11、13の倍数でもある。それで個々の数字で割り切れるのだ。

こんなことを知って何の役に立つのかというツッコミはご勘弁いただきたい(笑)。少なくとも飲み会などの座持ちに使えば、「○○さんは数学のセンスがある人なのだ」と思ってもらえるのではないか。

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タカタ先生
日本お笑い数学協会会長
現役で高校の数学教師を務めながら、お笑い芸人として多くの人に数学の面白さを伝える数学教師芸人としても活躍。日本お笑い数学協会としての著書『笑う数学』がある。

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(日本お笑い数学協会会長 タカタ先生 構成=田之上 信 写真=iStock.com)

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