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プロチアリーダー"頑張れ"と言わないワケ

プレジデントオンライン / 2019年4月12日 9時15分

プロチアリーダー 藤田真実氏

■イライラしている人に贈る「最高の笑顔トーク」

上司がイライラしていて職場の雰囲気が悪い。そんなときベテランのプロチアリーダーならどうするか。藤田真実氏に聞いた――。

私は中学時代にバトントワリングを始めて、早稲田大学やプロ野球、バスケットボールBリーグ、アメフトXリーグなど、様々なスポーツや団体のチアリーダーをしてきました。かれこれチア歴も20年近くなり、いろいろな試合で応援してきました。

チアをするときに常に気をつけているのが、選手や観客にどんな声をかけるべきかです。例えば、応援しているチームが試合で押されていてイライラしているようにも見えるとき。早稲田大学でチアをしていたときに、大学野球部の同期がなかなか調子を上げられず、悩んでいることがありました。

こういうとき、チアとしてどうするべきか。普段だったら、神宮球場の打席に彼が立つときは全力で「頑張れ!」と応援していたと思います。ただ、私は本当に頑張っている人に対して安易に「頑張れ」という言葉を使うべきではないと思っています。人によっては「余計なお世話だよ!」と言いたくなりますよね。

そもそもこのことは、創部から80年近い早稲田大学応援部の先輩から教わったことでした。大切なのは選手と気持ちを共有することです。たしかにチアに元気は絶対条件ですが、空気も読まずに全力で応援するのはNGです。普段から選手とコミュニケーションをとり、何気ない会話の中から考えていることを聞いて、試合に対する気持ちを共有します。

■言葉にしなくても態度や顔で思いは伝わる

そうすることで、選手に届く応援ができると思っています。「きっとこういう気持ちだからちょっと静かに応援しよう」「少し弱気な顔しているからここは気合を入れよう」、そういうことがわかってくるのです。

それは、応援というシーンだけの話ではないと思っています。私は小学校の先生や幼稚園スタッフといった仕事もしてきましたが、不思議なことに、私が元気がないときは子どもは真っ先に気づくのです。

職場でも一緒でしょう。なかなか営業成績が上がらない、ミスが続いている、職場には様々な悩みを抱えている人がいるでしょう。そうした人たちのイライラは場の雰囲気を悪くします。そんなとき、雰囲気を明るくしたいからと安易な言葉をかけるべきではありません。大切なのは普段から接し、その人が何に悩んでいるのかを自分事のように共有できるかです。そうすると必然的にその人にかけるべき言葉もわかってきます。

また、言葉にしなくても態度や顔で自分の思いは相手に伝わるものです。最近は研究もされるようになりましたが「ノンバーバル・コミュニケーション」と呼ばれるものです。

あと私は職業柄か、常に笑顔で過ごしています。人によってはヘラヘラしているようにも見えるかもしれません。しかし、悩んでいる人からは不思議と「笑顔を見ていたら何に悩んでいたか忘れちゃったよ」と言われます。私はどんなときでもテンションマックスの笑顔を意識しています。この笑顔は伝染するものだと私は信じています。

良い言い方:まずはとにかく空気を読んでみる
ダメな言い方:全力で「頑張れ!」と気合を入れる

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藤田真実(ふじた・まみ)
プロチアリーダー
1982年、大阪府生まれ。早稲田大学卒。早稲田大学応援部チアリーダーズなどを経て、プロ野球オリックス・バファローズ、Bリーグ滋賀レイクスターズ、XリーグWESTエレコム神戸ファイニーズなどでチアとして活躍。NFLのチアになることを目指している。

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(プロチアリーダー 藤田 真実 構成=プレジデント編集部 撮影=横溝浩孝)

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