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育児中に昇進したい女性がすべきこと3つ

プレジデントオンライン / 2019年3月18日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/metamorworks)

仕事と子育ての両立は多くの女性にとって共通の課題。キャリアアップを目指したい、でも今のように両立できなくなるのでは……。そんなお悩みに、アイスタイル取締役の山田メユミさんは「私にはどちらか一方を選ぶなんてできなかった」と語ります。ママさん役員が語る両立のポイントとは?
◆今回のお悩み
子育て中はキャリアアップをあきらめるべきでしょうか
現在、小学生の子どもを持ちながら仕事をしていますが、正直、次のキャリアというものをどのように考えたらいいのかわかりません。現職はマネジャーというポジションで、そこそこの裁量を持たせてもらっており、子育てとも両立できています。
そのため、もうこのポジションで安泰でもいいかなと思う一方、もしさらなるキャリアを考えるなら、もう一度ぐらい転職も検討しなければならないかな、と思っています。お子さんをお持ちの女性役員さんに、その辺りのお話をお伺いしたいです。
また、子育てとの両立の中で、どうしても捨てなければならないこともあったと思うのですが、何を捨て何を大事にして現在の地位まで来られたのか、子どもの何を優先して何を人に委譲していたか、などを教えていただたければと思います。(37歳・インターネット関連企業マネジャー)

■昇格したい意志を上司に伝えていますか?

今のポジションにある程度満足されている一方で、キャリアアップを目指したいという希望もお持ちのようですね。そのためには転職が必要とお考えのようですが、今の職場でキャリアアップを目指すという選択肢もあるのではないでしょうか。

現在はマネジャー職ということですから、子育て中の女性が活躍できない会社ではないと思います。でも、転職先もそうだとは限りません。今の職場に両立できる環境が整っているのなら、まずはそこで働き続けることを前提に、キャリアへの思いを上司に伝えてみることをおすすめします。

女性は男性に比べて謙虚なのか、上司に「昇格したい」とアピールする人が少ないように思います。私は、実力はあるのに自分からは手を挙げない女性をたくさん見てきました。もったいないなと思いながらも、本人に昇格への意欲があるのかどうかわからないと、上司としても話を持ち出しにくいもの。特に男性上司の場合、子育て中の女性に対して「大変だろうから」と遠慮する人も少なくありません。

思いやりゆえに昇格の話を持ち出さないというケースもあるので、ぜひ希望を伝えてみてほしいですね。もちろん、今の会社ではやりたい仕事ができないということであれば話は別。それなら転職をおすすめしますが、お悩みを読む限り、今の職場にも新しいチャンスはあるのではと思いました。

■ママ社員の活躍は会社にとっても重要事

上司に話す際には「不満ではない形」で伝えることが大切です。何となくの不安や不満をそのままぶつけても、相手の心には届きません。先に自分の中での優先順位を明確にしておきましょう。その上で自分はどうしたいか、どういう環境があればより働きやすいのか、普段のコミュニケーションの延長で話すことができると良いですね。

子育て中なのは自分の都合だからとためらうかもしれませんが、今は、企業側が社員のライフステージに合わせた働き方を用意すべき時代です。労働人口が減る中、子育て中の女性社員が力を発揮できないようでは、会社にとっても大きな損失になります。私自身も、部下がどんな希望を持っているかはぜひ知っておきたいですね。

また、周囲に子育て中の先輩社員がいれば積極的に相談を。インターネット関連企業なら、他にも活躍中の女性は多いのではないでしょうか。先輩や上司とは普段からしっかりコミュニケーションをとって、いざというときには大事な話もできるよう、信頼関係を築いておきましょう。

■仕事と子育て、どちらかだけを選ぶなんてできない

私自身も子育て中なので、相談者さんのお悩みはよくわかります。私も、出産後はそれまでのように自由に動けなくなり、キャリアへの不安や思うように働けないストレスを感じた時期がありました。たとえば産前は人脈形成も仕事の一部だと思って、会食をたくさん入れていましたが、産後はセーブせざるを得ませんでした。そのとき思ったのは、「ただ漫然と不安なのが一番もったいない」ということ。そこで、何が不安なのか、自分はどうしたいのかをクリアにして、心の中で折り合いをつける作業をしました。

私にとっては子育ても仕事もそれぞれに大事で、どちらか一方だけを選ぶなんてできない。それなら、どちらもできる範囲で精一杯やろうと思ったんです。仕事面では、徹底的に効率化を図る、極力出張はせず遠方や海外での会議はスカイプで参加する、夜の会食は避けてできるだけ日中に設定してもらう、などの工夫をしました。

子育ての面では、保育園やベビーシッターさん、食材宅配サービスなどに助けてもらっています。不意の出来事に対してもしっかり準備しているつもりですが、子どもは急に体調を崩すこともありますから、これはもうそのときどきで必死に対応するしかない(笑)。仕事関係の人にはこちらの事情や都合をオープンにしているので、みな快く許容してくれています。

■大事なのは、人と比べないこと

ですから、何かを捨てた、あきらめたという気持ちはありません。両立に関しては、仕事も子育てもすべて完璧にこなそうとせず、「できる範囲で最大限頑張る」「自分が許容できる範囲で譲る」ことが大事かなと思います。その範囲は人それぞれなので、他者と比べずに自分で判断するのがポイント。両立に罪悪感を持つ人もいるかもしれませんが、自分なりに精一杯やっているという納得感や自負を持てれば、きっと解消につながっていくはずです。

私は出産後、以前と変えないように心がけたことがひとつだけあります。それは、自分がすべきことを常に客観視できるよう、社会の出来事にアンテナを張っておくこと。取締役という立場だからということもありますが、自分の仕事には客観的な視点が最も重要だと思うからです。

加えて、子どもを持ってからは、環境問題や社会全体の未来にもより意識が向くようになりました。相談者さんにも、子を持つ女性ならではの視点を生かして活躍していただきたいと思います。各企業が働き方改革に取り組み始めた変動期だからこそ、今がチャンス。ご自身の優先順位を見極めて、キャリアアップを目指すと決めたなら、ぜひその思いを伝えてみてください。

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山田 メユミ(やまだ・めゆみ)
アイスタイル 取締役
1995年、東京理科大学卒業後、化粧品原料メーカー入社。97年、化粧品メーカーに転職。趣味でスタートさせたメルマガがきっかけで99年、アイスタイルを創業、アットコスメをオープン。出産の経験から、働き方改革にも力を入れる。

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(アイスタイル 取締役 山田 メユミ 写真=iStock.com)

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