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中国版ツイッターの「人間臭い」動画事情

プレジデントオンライン / 2019年5月6日 11時15分

中国版ツイッターの微博で、フォロワー数トップの謝娜(シェ・ナー)さん。(VCG/Getty Images=写真)

■フォロワー数は1億人超! 中国版ツイッター最新事情

中国の発展が目覚ましいことは、誰もが感じるところだろう。経済規模ではすでに日本を抜き、やがて米国を超えて世界一の経済大国になることがほぼ確実である。

政治体制や価値観など、日本とは異なる点があるにせよ、純粋に経済的な視点から見ても、日本にとって中国と関わること以外の選択肢はない。

そういう私自身が、あまり現代の中国のことを知らない。

日本での報道や、英語圏でのニュースを見ていれば、ある程度のことは伝わってくる。しかし、それは本当の中国の「今」なのだろうか。

日本という国のことを考えればわかるように、社会の中の気分や雰囲気というものは、外国で報じられる姿だけを見ていても伝わってこない。

いわば、「内側の目」を持つにはどうすればいいのか。中国版ツイッターとも呼ばれる「微博」(ウェイボー)のことを思い出した。2012年に登録した後、そのままにしておいたアカウントを「復活」させて、せっかくだから時々つぶやいてみることにした。

とは言っても中国語はわからないから、グーグル翻訳が頼りである。自分の書いた日本語ないしは英語の文章を貼り付けて、示された中国語の翻訳を微博で発信する。

始めたときは、フォロワー数が146だったが、数日つぶやいたら、164まで増えた。はなはだ手応えがなく、頼りないが、何もしないよりもマシかなと思った。

面白いのは、タイムラインに示される情報である。動画がついているものが多くて、どれもが人間臭い話題だ。

奥さんが亡くなった後にその義理の母とすぐに結婚してしまった男をどう思うかとか、街の監視カメラに偶然映った、家出して横断歩道で遊んでいた子どもが危ないとか、変な趣味を持った男がいるとか、そのような他愛のない街の話題がよく流れてくる。

■驚くほど自由であることが伝わってくる

見ていると、今の中国の社会が、一部のタブー(政府の批判やチベット問題など)を除けば、驚くほど自由であることが伝わってくる。

微博のフォロワー数が多い人を調べてみた。微博自身が、公式の英文サイトで、「2018年のトップアカウント」を紹介している。

1位は、司会者、歌手、女優の謝娜(シェ・ナー)さんで、フォロワー数は、記事が書かれた時点で何と1億1700万人余り!

2位は、同じく司会者で、歌手、俳優の何ジョン(ホー・ジョン)さんで、フォロワー数は1億500万人以上。3位は女優で歌手の楊冪(ヤン・ミー)さんで、9700万人以上のフォロワーがいる。

日本のツイッターで一番フォロワー数が多いのが、有吉弘行さんの700万人余り。中国と日本ではもともとの人口が違うとはいえ、フォロワー数の多さは驚異と言える。

興味深いのが、1位から3位までの著名人が、日本ではほとんど知られていないこと。ある会でこの話をして、3人の写真を見せたら、50人くらいの参加者の中で、知っている人は誰もいなかった。

中国は経済大国になりつつあるのに、文化的にはあまり知られていない。それは中国にとっての課題であると同時に、日本にとってはチャンスである。

中国に限らず、インドや、ブラジルなど、いろいろな国の実情を知ることで、地球全体がわかってくる。

これからの時代は、「つなぐこと」から付加価値が生まれる。普段接していない国の実情を、時々のぞいてみたらいかがだろうか。

(脳科学者 茂木 健一郎 写真=VCG/Getty Images)

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