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保険に興味がない人こそ「入るべき保険」

プレジデントオンライン / 2019年5月25日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/maroke)

■保険商品を「おトクに使う」あの手この手

保険会社と付き合いを始める際、「ドアノック商品」と呼ばれる商品をすすめられることがあります。

代表的なドアノック商品として挙げられるのが学資保険です。予定利率の引き下げによってオトク度はどんどん低くなってしまいましたが、かつては貯蓄性が高く、消費者にとって有利な商品でした。

これらの商品は、手数料なども低く、保険会社にとって、ほとんど利益がありません。しかし、新規のお客さんに対して、自社に親しみを持ってもらったり、信用を得て、付き合いをスタートさせるための商品という位置づけであり、ドアノック商品と呼ばれるゆえんです。

要は、顧客の囲い込みを目的とした保険会社の戦略の1つともいえます。

ドアノック商品は、消費者の関心が高く、保険会社が売り込みやすい商品が多いのですが、どれくらいおトクなのかをよく吟味すべきです。

最近のドアノック商品の例として、明治安田生命保険の「じぶんの積立」で考えてみましょう。この商品は月々1口5000円から加入でき、いつ解約しても返戻率は100%以上。さらに、被保険者として満6歳から65歳まで加入できるうえ、健康状態の告知も不要。まさに誰でもOKという商品です。

その代わり、満期保険金103%、災害死亡給付金は払込済保険料の1.1倍と、保障というよりは、元本が確保された、まさに「お金の置き場」のようなもの。ただし、生命保険ですから、生命保険料控除が利用できます。

例えば、所得330万円~695万円以下(所得税率20%)の方が、同商品を毎月2口(1万円)、5年間積み立てし、満期の10年まで待った場合、払込総額は60万円。満期の払戻額61万8000円となります。5年間、8000円(一般生命保険料控除の額4万円×20%)の所得税の軽減措置が受けられ、払込保険料と満期保険金の差額とあわせて、ほぼノーリスクで6万円近くおトクとなるわけです。

■保険会社としては、まったくの丸損

ただし、保険会社としては、出血サービスであるドアノック商品に加入されるだけで終わると、まったくの丸損です。

そのため、ドアノック商品の多くは、申し込みがインターネット等ではできず、営業職員等との対面での加入が必須となっています。

営業マンとの面談時に自分の環境や収入などを聞かれ、流暢なセールストークを聞いているうちに、言われるがままに必要のない保険にまで入ってしまった……ということもあるかもしれません。

保険会社も慈善事業ではなく、営業のプロが応対してくるわけですから、「とりあえずおトクだからドアノック商品だけ入っておこう」という考えはお見通し。意思を貫くには、強い覚悟や、トークから営業側の意図を読み取る力も必要になるでしょう。

また、既加入の保険をおトクにする方法もあります。

それは、保険料の払込方法を工夫すること。一般的に、保険料は、月払い、半年払い、年払いなどがあり、まとめて払ったほうが保険料は割安になります。さらに、キャッシュに余裕があるなら、将来の保険料を1回で払い込む全期前納や一時払いもさらにオトクです。また、クレジットカードを利用して保険料を払うことができる場合もありますので、ポイントを貯めるのも一手でしょう。

制度をしっかりと理解すると、身の回りにチャンスは広がっていくはずです。

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黒田尚子
ファイナンシャルプランナー
CFP1級FP技能士。日本総合研究所に勤務後、1998年にFPとして独立。著書に『50代からのお金のはなし』など多数。

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(ファイナンシャルプランナー 黒田 尚子 写真=iStock.com)

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