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内向型33歳電通マン“人脈断捨離は正義”

プレジデントオンライン / 2019年4月12日 15時15分

情報も人間関係も「必要なもの」「欲しいもの」だけ集める(イラストレーション=中尾仁士)

世の中には2種類の人間がいる。誰とでも仲良くできる人と、そうでない人である。後者のタイプを自認する広告プランナーの吉田将英氏は「自分が居心地よく感じられる人を大事にできればそれでいい」という――。

※本稿は、吉田将英『仕事と人生がうまく回り出すアンテナ力』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■「誰とでも仲良く」という共同幻想

世の中には誰とでも仲良くできる人と、できない人がいます。

僕は、どちらかというと後者のタイプ。でもいつしか、それを悪いことだとは思わないようになりました。

別に全員を大事にできなくてもいい。こういうと高慢に聞こえそうだけれど、自分が居心地よく感じられる人を大事にできれば、それでいいかなと思うのです。

そのためにも、

●自分はコミュニケーションスタミナの多い社交的人間なのか、コミュニケーションスタミナの少ない内向的人間なのか、まず自覚すること
●「内向的人間だな」と思ったら、人と無理して付き合おうとしないこと

これもまた、人とラクにつながるアンテナを張るためのルールです。

そもそも、無理して付き合っている相手には、あまりいい印象を与えないものです。それどころか、ほとんど印象に残らない場合も多い。

人付き合いを一種の「費用」と考えれば、自分が負担を感じる人付き合いは、とても費用対効果が低いのです。

■人間関係は切ってもいい

となれば、「居心地のいい人」と付き合うにはどうしたらいいでしょう。

ここでも、やはり「自覚」が大事です。「こういう人とは仲良くしたい」「こういう人とはなるべく付き合いたくない」というふうに、自分にとって居心地のいい人と、そうでない人を言語化しておきます。

アンガーマネジメント(怒りをコントロールするための心理プログラム)では、自分の怒りのトリガーになるものを明確にするステップがあります。このステップを経ることで、怒りが湧いてきやすい状況や場面を自覚できるようになります。

これを応用して、何が自分に「この人、いいな」「この人、嫌だな」と感じさせるトリガーになるのかを、「感情」ではなく「思考」で整理しておくというわけです。

なかには、仕事上の関係など、苦手な人とも付き合わなくてはならない場合もあるでしょう。

でも一方には、「切ろうと思えば切ってもいい関係」も意外と多いものです。

それなのに、人付き合いをすべて一緒くたにして、「誰とでも仲良くしなくてはいけない」なんて思っていては、自分がどんどん苦しくなるだけです。

■「嫌いな人」を自覚すれば、「好きな人」を大事にできる

「切ってもいい人間関係もある」という前提で、自分が人を好きになるトリガーと、嫌いになるトリガーを考えてみてください。

「好き」の発見に役立つ関心ごとの因数分解(イラストレーション=中尾仁士)

たとえば、僕にとって、居心地がいいのは、こんな人です。

●雰囲気や表情が明るい
●話をちゃんと聞いてくれる
●事情や都合、引用ばかりでなく、自分の考えを話してくれる

逆に苦手なのは、こんな人。

●威圧することで、相手をコントロールしようとする
●自分の楽しみや笑いのために、人を利用しようとする
●相手によって極端に態度が変わる

このように好き嫌いを自覚し、人間関係が狭まるのも、悪いことではありません。

むしろ、人間関係が少し整理されることで、ぐんと人付き合いがラクになり、ラクになった分、好きな人をいっそう大事にできる。

大事にできれば、いい化学反応も起こりやすくなるし、「はじめまして」の人に対しても「好き、嫌い」のセンサーが働きやすくなるでしょう。

つまりは、人間関係を整理する、狭めるというのも、仕組み的に行なえば「人間関係がうまくいくきっかけ」になるということ。自分の今後の人生のために、「嫌な人とは、なるべく付き合わない」というくらいの図太さも、あっていいと思うのです。

■余裕ができたら「憧れ」に近づくことも

内向的だからこそ、仕組みをつくって人付き合いがうまく回るようにする。

そんな僕でも、ときにはちょっと強度を上げて「憧れている人」に会えるように動くことがあります。

仕組みによって、普段の人付き合いが比較的ラクにできているから、そこで生まれた余裕で少し強度の高いこともできるのです。

思うに、僕らは無意識のうちに、人間に「階層」のようなものを設けてしまいがちです。しかも多くの場合、自分を卑下しながら、人と比べてはいないでしょうか。

「あの人と自分とではレベルが違いすぎるから、会えるわけがない」

こんなふうに、最初からおそれをなして消極的になってしまうのです。

でも、その多くは、もしかしたら思い込みかもしれない。そんな思い込みで人間関係が広がる可能性を閉ざしてしまうなんて、やっぱりもったいない話だと思います。

実際、僕も「あの人すごい、会ってみたいな」という人に思い切ってアプローチしてみたら、意外にも気さくな人柄で、すぐに意気投合できたという経験があります。

たまに勇気を出してアプローチしてみるだけなので、それほど数は多くありません。それでも、「ゼロ」とは大違い。つくづく、「あのとき勇気を出して連絡してみてよかった」と思います。

■でも、ムリはしない。負担ならすぐに逃げよう

こうして、たまには勇気を出してみる一方で、普段は、居心地のいいメンツを大事にしていればいいと思います。気兼ねなく付き合える、気心の知れた仲間は貴重です。かといって、いつも同じメンツと一緒にいると、それはそれで、人間関係の幅も自分の思考も狭まってしまうでしょう。

吉田将英『仕事と人生がうまく回り出すアンテナ力』(三笠書房)

そこで、ときには少し勇気を出して憧れの人にアプローチしてみる。

「すごいな」と思っている先輩に「今度、ご飯一緒にお願いします!」と話しかけてみたり、愛読しているブロガーにメッセージを送ってみたり。意気投合とまではいかなくても、つながりが持てるだけでも上出来です。

なかには、アプローチしてきた人を高圧的な態度で支配しようとする人(僕からすると、これほど残念な人はいない)もいるかもしれません。

だから、「いつも」でなく「たまに」でいいし、「ものすごくでかい存在に」でなく「ちょっと憧れている存在に」でいい。そして相手と触れ合ってみて少しでも負担を感じたら、さっさと逃げていい。

あくまでも、ほかの仕組みによって生まれた余裕でやってみよう、という話なので、ここでがんばったり、自分を追い込んだりする必要はまったくありません。

居心地のいいメンツという「安全地帯」は確保しつつ、仕組みによって生まれた余裕で、ときには冒険に出てみる。そんなバランス感でやっていくのが、一番いいのかなと思っています。

(電通 プランナー 吉田 将英 イラストレーション=中尾仁士)

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